著者・制作者 | バーバラ・グレゴリッチ |
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発売・販売元 | 早川書房(ハヤカワ文庫) |
発売・発表年 | 87年(日本語版89年) |
発売形態・巻数など | 文庫判 |
分類 | メジャーリーグ、親 |
赤毛のサウスポー同様、アメリカの野球小説。原題はSHE'S ON FIRST。
大学野球で活躍していた遊撃手リンダ・サンシャインはシカゴ・イーグルスにスカウトされる。マイナーリーグを経てメジャー入りしたリンダは周囲の猛反発に遭いながらも、チームのオーナー・アルの援助や新聞記者ニールの励ましを受け大リーガーとして活躍する。彼女の活躍によりイーグルスは快進撃を始めるが、そんなとき彼女の秘密が明らかとなり…。
女子選手がメジャーリーグに入り、周囲の反発を受けながらも活躍を続け、やがてチームが快進撃を始める、というのは『赤毛のサウスポー』と同じ(というより多くの女子野球ものと同じ)だが、物語の描き方はかなり異なっている。この辺は作者が女性である点やリンダのポジションが遊撃手であるという点も大きいと思われる。
リンダの成長と活躍を描いた物語であることはもちろんだが、同時にアルとT・M・カリーという彼女を支える二人の元野球選手の郷愁と情熱の物語でもある。
『赤毛のサウスポー』で描かれる明るく華やかなベースボールと、『彼女はスーパールーキー』の郷愁やセンチメンタリズムの溢れるベースボール、どちらもアメリカ人にとってベースボールがいかに大切なものかを表しているといえる。そういった視点でこの2作品を読み比べてみるのも良いだろう。
なお、日本語版の表紙イラストは『機動戦士ガンダム』などで知られる漫画家・イラストレータ、安彦良和による。