ないしょのドキプリ

『ドキプリ』発売から早8年、今明かされる衝撃の事実とは!?

……みんな知ってたりしたらどうしよう。


『ドキドキプリティリーグ』(以下『ドキプリ』)は発売まで(また発売してからも)色々紆余曲折のあったゲームです。
メインキャラのキャラクターデザインが発売発表後、よろず壱さんから香川久さんに替わったりとか、発売が延期になったりとか、途中で音声の無い部分のシナリオがほとんど書き直されたとか、挙げればキリがありません。
そういえば続編の『熱血乙女青春記』のCDドラマが声優さんの収録も行われたのにお蔵入りになったなんてこともあったようです。未だにパイオニアLDCの倉庫の奥に眠ってるんでしょうか。
シリーズ第3作『Lovely Star』に到っては存在自体がもはや黒歴史ですらありますが、その辺はまた機会があれば語ることとしましょう。

そんな『ドキプリ』の制作状況のドタバタっぷりを示すものに香川久さんの設定資料画があります。
当時、各社から攻略本・設定資料集が発売されていたので持っている人もいると思いますが、その中にゲーム未使用の原画も何点か収録されています。
その中でも特に目を引くのはエンディングに使われるはずだったろう原画です。絵から想像するに各キャラクターの卒業後の姿のようなのですが、これがなかなか興味深く、色々妄想を巡らせた人も多かったのではないでしょうか。

長らく謎とされていたこの幻のエンディング画ですが、実はその秘密はゲーム本体に隠されていました。
と言っても普通の方法ではそれを知る事はできません。PSのCD-ROMの動画・音声をPCで再生する専用ソフトが必要となります(この種のソフトはいくつか存在しますが、PSX Multi Converterがオススメです)。
この種の専用ソフトを使って『ドキプリ』の音声データを再生すると、ゲーム本編で使用されていない音声が収録されていることがわかります。
それは各キャラのエンディングで使われるはずだっただろう音声です。
どうやら、「最終戦のインターナショナル戦での勝敗」と「選手の能力が一定値に達しているかどうか」によって各キャラクターのエンディングは分岐するはずだったようです。
キャラによって若干差異はありますが、
「インターナショナル戦敗北・能力値一定値未満」→野球と関係の無い仕事を仕方なくやっている。
「インターナショナル戦勝利・能力値一定値未満」→野球が忘れられず野球に関わる仕事に就く。
「インターナショナル戦敗北・能力値一定以上」→女子野球リーグが設立されなかったので別の道に進んで活躍。
「インターナショナル戦勝利・能力値一定以上」→女子プロ野球入りして活躍
といった感じのエンディングとなります。
インターナショナル戦に勝利すると女子プロ野球が設立されることとなるらしく、実はインターナショナル戦は女子野球界の未来のかかった大事な試合だったんですね。ま、『熱血乙女青春記』では半ば無かったことになってるんですが。
参考までに千晶を例にとって音声を書き出してみます。

(インターナショナル戦敗北・能力値一定値未満)
野々原は卒業後、OLをしながら父と弟の面倒を見ていた。
「ああ〜あ、面白くないなぁ。監督がもっとしっかりしていてくれたらなあ。
 お父さん達、お腹空かせて待ってるだろうな。早く帰ろっと」

(インターナショナル戦勝利・能力値一定値未満)
プロには行けなかったが野球が忘れられず、マスコットの中に入って仕事をしている。
「んんああ〜! 野球がやりたいよ〜! 全て監督のせいだ!」
「野々原さん、出番ですよ」
「おっと、はぁ〜い!」
野々原は着ぐるみをかぶって、元気良く駆けていった。

(インターナショナル戦敗北・能力値一定値以上)
「監督、プロリーグには行けなかったけど、私結構幸せです。
 今は少年野球の監督をしてるんです。
 監督を目指して頑張ります。
 また、みんなで会いましょう」
「監督〜、 ノックはぁ?」
「ゴメンゴメン、行くよー!」

(インターナショナル戦勝利・能力値一定値未満)
野々原はプロ野球にスカウトされ、今日も大活躍!
「野々原選手、大活躍でしたね! 今の気持ちを誰に伝えたいですか?」
「はい、スタンドで応援してくれているお父さんとお母さん、弟にです」
そういうと野々原はスタンドに微笑み、手を振った。

こんな感じで、林、河合以外の8人分収録されています。
ゲーム本編でちゃんと採用してほしかったなあ。
まあ、エクシングにそれを望むのは酷というものですが。

さらにもうひとつ、ある意味衝撃的な音声データが存在します。

この年、霞ヶ浦高校がインターナショナルチームに勝利したことで
女子野球の実力が世間に認められた。
そしてそれがきっかけで女子野球リーグが設立される運びとなっていくのだった。
そして数年後。
設立された女子プロ野球リーグは“プリティリーグ”と名付けられた。

発売当時から(映画『プリティ・リーグ』から来ているとは言え)「リーグじゃないじゃん!」と言わていたものですが、ゲーム発売から8年、今更タイトルの由来が明らかになるとは……。



注) ゲームソフトのデータをPCなどで解析する行為ははっきり違法とは言えませんがグレーゾーンに位置します。
行う場合は自己責任でお願いします。今更エクシングから文句が来るとも思えませんが。


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