1999年11月・落日編
11月2日(火)
散髪に行ったり、ギターの弦を買ったり、ネットをしたり、立ち読みをしたりなどしていたらすっかり遅くなってしまった。市川駅前で買い物を済ませたときにはもう午後11時を過ぎていた。
私の部屋の最寄り駅は隣なので、散歩がてら歩いて帰ることにする。
やはりここはいつもと違う道を歩こう、と適当に路地に入ったのだが。
やっぱり迷った。
多分、こっちだろうとあたりをつけて歩き続けるが、自分がどの辺りにいるのかもさっぱりわからない。30分程歩いていい加減泣きそうになった頃、前方に明かりが見えてきた。
市川駅前だった。
どうやらぐるりと一周して元に戻ってきたらしい。
マンガのキャラクターか、私は。
何がすごいって自分が進んでいると思っていた方向と135度ほどずれてることだな(だからこそ戻ってこれたんだが)。
喜んでいいんだか悲しんでいいんだかわからない複雑な心境で電車に乗り込んだ。さすがにもう一度歩いていく気にはなれなかった。
11月3日(水)
友人Fと会う約束をしていた。待ち合わせは午後2時半に高田馬場。
午後2時35分。私の部屋にかかってきた電話で飛び起きる。
ごめんなさい。寝過ごしました。
慌てて高田馬場に向かう。Fに平謝り。
その後、高田馬場をうろついたり、このHPのやる気の無さについてなど話す。
正之さんのページ、早よつくらんとなあ。
帰宅後、実家の弟から電話がかかる。
この日記で私の弟のネタが出るときは必ずイタいネタなのだが、今回も例外ではない。
友人から借りて『To Heart』をやってるという。
それはまあいいんだが、一番好きなキャラがマルチで、次が来栖川先輩だというのだ。
・・・・・・。
どうしていつも彼はど真ん中のストレート勝負しかしないのだ。「いいか。メジャーではな、速球のことをストレートでなくてファストボールと呼んでナチュラルに変化するものでだな、ただの真っ直ぐは棒球というんだぞ」と、思わず訳のわからん説教をしてしまいましたよ、あたしゃ。
ううむ、弟の教育、間違ったかのう、ワシ。
私のように外角低めのスクリュー(見送ればボール)で勝負、ってのもそれはそれでどうかと思うのだが。
11月4日(木)
友人Fに誘われて、狂言を観に行く。彼の狂言のサークルの先生の公演だそうだ。
狂言というのを生で初めて観たのだが、なかなかおもしろかった。もっと堅苦しいというか、小難しいものだと思って身構えていたのだが、私のような素人でもちゃんと笑える、楽しいものだった。まあ、言葉は多少わからなかったんだが。
考えてみれば昔の人もこれを観て楽しんでいたわけで、人間のメンタリティなど今も昔もたいして変わらないのだから、おもしろいのは当然といえば当然なわけだ。
11月6日(土)
友人Tくんの芝居を観に行く。おおう、狂言を観に行ったり芝居を観たり、なんだか芸術の秋っぽいぞ。
物語の舞台は幕末の京都、Tくんは腕っぷしは強いが頭の足りない新撰組の隊士の役だった。どうして彼のやる役はそんな役ばかりなのだろう。
なかなか面白い話だった。難を言えば、もう少し発声をしっかりした方がいい人が何人かいたことだろうか。それにしても、剣戟のシーンをTくんが妙に楽しそうというか、気合いを入れてるのが感じられて彼らしいと思った。
帰り道、埼玉大そばのゲーム店で妹に頼まれていた『サーカディア』を購入。
なかなか良いけど、やっぱりB級だなあ。
11月20日(土)
すっかり失念していたが、今日から学祭である。
"れあ"などとありがたくない呼称をつけられている私ではあるが、さすがに学祭くらいは出ないとまずかろうということで、サークルに顔を出す。
先週、友人FからPSのソフトを何本か借りたというのに、それにほとんど手を付けず『プリズムコート』などをだらだらやっていた(W杯バレーに影響されて。わかりやすい)。
さすがに10回以上やっているので、全く新鮮さはないのだが、「早苗かわいいなあ」などと言いながら惰性でだらだらやるのには最適である(くさっとるのう)。
風呂に入ってさあ寝ようと思ったときにふと閃き、ギターを弾き出す。
おおう、『飯田線のバラード』できるじゃないか。
ワシって天才? などと一瞬思ったが、『LEXINGTON』や『吉祥寺ワルツ』、『二双舟』、『海の杯』などとほぼおんなじコード進行なんだよなあ。
まあいいや。紛いなりにもあの名曲が弾き語りできるというのはうれしい。
♪うちあけられない いいだせない 飯田線のバラード
11月21日(日)
昨晩、遅くまでギターと戯れていたため、昼頃起きる。部屋の掃除をするつもりだったんだがなあ。
サークルに顔を出すと学祭のためにやってきていたOさんに拉致され、アキバを案内させられる。メッセサンオーでセガサターンを4972円(新品)で買っていた。
夜はOBの方々を交えて焼き肉屋へ。
あんまり飲まなかったのだが、雰囲気が良かったのか、気持ち良く酔えた。
そういえば、Bさま、もといNさんに夏コミで妹といるところを目撃されていたらしい。ううむ、あんなとこ行くもんじゃないのう。
敢えてこの場で繰り返しておくが、私は妹属性の人じゃないぞ。
その後、(ほぼ恒例の)徹カラへ。
機種がDAMだったのがちょっといただけない。
贅沢は言わないが、戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズの主題歌くらいは揃えておくべきだと思うぞ。
まあ、いつもはあえて歌わない定番曲(『マジンガーZ』とか『聖闘士神話』とか)を歌えたのは良かったか。
それにしても、持つべきものは金払いのいい先輩である。
結局この日、一銭も払ってないものなあ。
感謝感謝。
11月22日(月)
前日の徹カラのあと、家に帰ってちょっと眠るはずが、予想通り夕方まで寝てしまった。
今更学校に赴くのも面倒なので、昨日、市の図書館で借りてきていた隆慶一郎の小説を3冊一気に読む。
隆慶一郎作品の魅力はあえてここには書かないが、最大の欠点は指摘できる。
隆慶一郎があまりに早く死んでしまったことだ。
『かぶいて候』も『花と火の帝』も『死ぬことと見つけたり』も未完。『吉原御免状』第3部や漂泊の鬼っ子の物語も書かれることはなかった。
失われた可能性のなんと巨大なことか。
作者が死んでしまって続きが読めないのと、作者が生きているのに続きが読めないのはどちらがつらいのだろう、などと意地の悪い命題を思わず考えてしまった。
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