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2011年04月30日

舞台版『銀英伝』のDVDを観た

まさかの舞台化ということで話題になった舞台版の銀英伝。
観に行くことはできなかったけどDVD化されたので、妹と共同購入して視聴したのでちょろっと感想など。

今回は銀河帝国編ということでヤンを始め同盟・フェザーン側のキャラクターの出番は無し。
原作第1巻のアスターテ会戦から原作2巻のリップシュタット戦役までを描く。

帝国はもともと舞台劇に近い雰囲気があるので原作のイメージにかなり近い感じ。
キャストもイメージを壊すような人はいなかった。全員日本人でも違和感なし。あ、いや、メルカッツ提督が禿げてたくらい。我らが殿こと松坂桃李くんもラインハルトを熱演してました。
どうするのかと思ってた艦隊戦も多数のダンサーを使った演出でこれはアリだなーと。さすがに戦術云々を見せるまでは行かないけど舞台ならばこれで十分。

ストーリーも特に中盤までは文句無し。次は原作のこのセリフが来るな、というシーンをハズさないのが気持ちいい。原作のエピソードの取捨選択も的確。
オリジナルのシーンで、フリードリヒIV世に語らせたり、キルヒアイスとアンネローゼのラブシーンを入れたりのも上手かった。

ただヴェスターラントの辺りから怪しくなってくる。
ブラウンシュヴァイク公のヴェスターラントへの核攻撃を実施前からキルヒアイスが知ってるのはまだわかる。核攻撃前にラインハルトとキルヒアイスを対峙させることでより両者の対立を深めることができるから。
それなのに、ヴェスターラントの惨劇を知ってラインハルトがあっさりキルヒアイスに従えばよかったと後悔して落ち込んじゃうんだよなあ。
ラインハルトの弱さや優しさを見せたいのかもしれなかったのかもしれないけど、ここはラインハルトが覇道のために冷酷さを選ぶ覚悟したんだからすぐ後悔させちゃダメでしょ。
しかもそうすると、アンスバッハとの対面の時キルヒアイスが武器の所持を認められなかったのと矛盾しちゃうし。
中盤までは原作をよく理解していると感心させられてたのに、なんで一番大事なところを改悪しちゃうかなあ。

あと、ラインハルトが皇帝への復讐のためだけに戦っていた、みたいな描き方も違和感。もちろんそれは大きな要因だけど、それだけじゃ無いよね。フリードリヒIV世の描き方は良かったんだけど、ラインハルトの人間を小さくしちゃってる。

本筋と関係無いところだとアンスバッハがムダに活躍しすぎ。リヒテンラーデ侯殺すわ、オーベルシュタインにヴェスターラント核攻撃をリークするわ、ブラインシュヴァイク公も騙して殺すわ、もちろんキルヒアイスは殺すわ…。
ヴェスターラントを含めてリップシュタット戦役の部分は疑問な部分が多いわ。

とまあ、原作厨として色々文句をつけたけど、十分合格点をあげられる出来。
シナリオに不満はあるとは言え、雰囲気は十分。生で観てたらもっと感動できたと思う。
次は同盟編かなあと思ってたら、6月にロイエンタールとミッターマイヤーの外伝が舞台化されるらしい。生で観るのは難しいけど、次もDVD化に期待したい。

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