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2010年02月17日

『個人教授』をウン年ぶりにやってみた

さてさて、世間はちょうど受験シーズン真っ最中、受験生の皆さんはラジメニ大明神に祈りつつ、めぐさんに合格コールで名前を読まれる事を夢見て最後の追い込みに励んでいる事でしょう。
だから、というわけじゃないけど、今回、久しぶりに“ウン年ぶりにやってみた”のはこちら。

毎日コミュニケーションズの育成&恋愛シミュレーション『個人教授』です。
発売元の毎日コミュニケーションズ、当時はゲームソフトの制作だけでなく、ゲーム関連書籍も多数発行していたけれどゲーム関連事業からはすでに撤退している模様。

大学生の主人公が受験を控えた高校3年生の家庭教師となり、教え子を合格へ導くゲーム。
また、家庭教師だけやっていればいいわけではなく、大学の講義を受けたり、家庭教師以外のバイトをやったり、彼女とデートしたり、友人と麻雀したり合コンに行ったり、サークルに参加したりなど、大学生活をシミュレーションするゲームでもある。
つーかこの主人公、リア充過ぎね? 最初から彼女いるし。いやまあ、ギャルゲーの主人公は多かれ少なかれリア充だけど、大学の生活に妙にリアリティがあるので余計そういう印象を受けるな。

ゲームは週の初めに一週間の予定を選択し、それに従いスケジュールが進んでいく。
週末に教え子をデートに誘ったり、彼女や友人の誘われて一緒に遊んだりする事も可能。
ここで曲者なのは、友人や彼女に誘われると断れず強制的にスケジュールが変更される場合がある事。大学の講義に出られないくらいならまだしも、家庭教師の時間まで強制的につぶされる事もある。主人公は家庭教師先に電話を入れるような甲斐性が無いため発生すると非常に困る。
友人と仲良くするメリットはデートの時に車を借りられるかどうかくらいなんだけど、付き合いが悪いと強制的に連れて行かれる事が多くなるので、上手く付き合っていく必要がある。

メインとなる家庭教師の部分は、教え子の成績を見ながら毎回教える教科を選択していく。
教える最中に教え子から質問される事があり、正解すると当然評価が上がる。
その教え子からの質問なんだけど、一応は国・数・英・理・社の5教科に関連してはいるんだけど、実際は教養問題のクイズ。アタック25に出てくるような問題ばかりだったりする。
そのためプレイする際には国語辞典や英和・和英辞典が必須だった。今ならば辞書が無くても検索すれば大体の問題は解答可能。Google先生は偉大だ。
また、家庭教師の際にはお土産を持って行く事も可能で、お菓子や小物をプレゼントすれば喜ぶし、参考書をあげると学力が上がる。特に参考書のプレゼントは重要で、家庭教師で稼いだお金をつぎ込んで参考書を教え子に貢ぎまくるのが攻略の肝だったりする。なんだか本末転倒な気もしますが。

教え子の主人公に対する評価は友好度・ラブラブ度・信頼度・保護者信頼度の4つに分かれており、主人公の行動によってそれぞれの評価が上下する。
上がる値もあれば下がる値もあるのがポイントで、前述の参考書を送った場合は教え子の友好度・ラブラブ度は下がるけど保護者の信頼が上がったりするし、デートの行き先も教え子の評価は上がるけど、保護者信頼度が下がる(親の受けが悪い)場所があったりする。
この頃のギャルゲーは『ときメモ』など育成系ゲームの影響が多かったので、今作のように様々な数字が上下するのはいかにも当時らしいゲームシステム。評価の数字はイベントの発生条件などに関わってくるけど、イマイチわかりにくいのが難点ではある。

他にも細かい部分でも様々なこだわりがある。
デートの行き先や食事で教え子の評価が上下するのはまあ他のゲームでもあるけど、デートの時に乗っていく車によっても評価が変わるなんてゲームは他にないだろう。当然、教え子によって好みがあり、教え子には好かれるけど保護者の受けの悪い車種もある。
また、デート先のカラオケボックスで歌える曲もやたら凝っており、有名な曲のパロディ(『残酷な女神のペーゼ』とか)が18曲も用意されている上に、すべてにそれっぽいメロディが用意されてたりする。原曲と微妙に違うのが気持ち悪いいいパロディです。

キャラデザは原画は藤川太さん。後に『創世のアクエリオン』のキャラデザを担当していてビックリしました。
今風の萌えって感じな絵柄じゃなく、リアリティを伴ったキャラデザでかなり好みです。
会話シーンでは口パクは勿論、台詞の途中でキャラのポーズや表情が変わるので本当に会話しているような印象を受ける。台詞の途中でポーズや表情が変わるギャルゲーって他に『アマガミ』くらいしか記憶がない。こういう部分の演出は素晴らしいと思う。

メインヒロインのキャストは藤野かほる、吉田小奈美、手塚ちはる、草地章江、久川綾、菅原祥子と懐かしさすら覚える面々。久川さん以外はとんと名前を見なくなったなあ。
OPは藤野さん、EDは菅原さんが歌唱。OPテーマは映像も含めて結構好きです。

BGMも派手さはないけど、おしゃれな雰囲気でいい感じかと。

欠点をあげるとすれば、プレイ時間が長めで単調になりやすいところ。この時期のギャルゲーでは結構多いんだけど、育成が淡々と進んでたまにイベントが起こる、ってな感じなので、今やると物足りなくなる事が多い。
また、イベントの発生条件が分かりにくく、攻略本無しでやるとイベントがほとんど見られない事が多い。私も今回のプレイではちひろのイベントを二つほど見損ねてしまった。
クリアするための難度自体はそれほど高くないんだけど、イベントがなかなか起きないので余計単調な印象を受けてしまう。
あとはクイズがやたら難しい事も欠点と言えば欠点か。辞書引いたりググったりするのが面倒な人は攻略本に頼った方がいいかもしれない。

ウン年ぶりにやってみたわけですが、今回はtwitterで実況してみました。
私の実況に加えて反応してくれた方のツイートも含めてTogetterでまとめました。
Togetter(トゥギャッター) - まとめ「『個人教授』をウン年ぶりにやってみた」

まとめて見るといい感じなので、今後も“ウン年ぶりにやってみた”ときにはtwitterでツイートすることにしよう。

上に挙げたような欠点はあるけれど、ゲームとしてのバランスや完成度も高く、なかなかこういう雰囲気のあるゲームは他にないので、興味のある方はプレイをオススメします。
Amazonの中古で数百円で購入可能だけど、ゲーム・アーカイヴでも出して欲しいなー。

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コメント

>きゅ-ちょー さん

プレイする気になったのは、仕事やめて時間ができたので、自分も『ギャルゲーマーの帰還』をしようと思った感じですねw

SS、PS時代に出たゲームで、気になってたけど未プレイ、あまりやりこんでないけどなぜか記憶に残ってるゲームをやってます。

まぁそんな中でなんで個人教授だったのかというと、グラフィック&ゲームデザインは良さそうなのにマイナー度が高かったのがポイントですねw。

>ぴーす さん
こちらこそはじめましてです。

発売から10年以上経過したマイナーギャルゲーをこの時期にほぼ同時期にプレイしてるって凄いシンクロニティですねー。
私は発売当時好きなゲームだったんで久々にやってみたんですけど、ぴーすさんがどういう経緯で今更こんなマイナータイトルをプレイする気になったのかが気になります。

はじめまして。
ぴーすと申します。

わたしも最近になって個人教授をプレイしました。

気になることがあったので個人教授のことを調べてるうちに、ここにたどりつきました。

こんな、古くてマイナーな(w)ゲームを同時期にプレイしている人いることに感動して記念カキコです。

それでは。

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