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2007年04月20日

『大正野球娘。』

というわけで、新潟クオリティで発売日の1日遅れとなったものの、無事購入できました。

大正野球娘。大正野球娘。
神楽坂 淳


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タイトル通り、大正時代です。『はいからさん』です。『御神楽少女探偵団』です。
『紀元2600年のプレイボール』も思い出したけど、あれはもう昭和になってたか。
女を馬鹿にする男どもに一泡吹かせるべく野球をすることとなった名門女学校のお嬢さんたち。ところが、野球の経験どころか観たことさえなくて…。そんなお嬢さんたちの野球チームの前途やいかに、ってな話。

なんつーか、色とりどりのコンペートーみたいな感じ。
個性豊かなお嬢さんたちが、一致団結してひとつのことを成し遂げようとする、というのが心地よいなあ。
ちょっと『マリみて』っぽいけど、百合モノとしてもなかなか良いんじゃないかと。先日紹介した『Diamond9!』といい、最近は女子野球ものでも百合テイストが増していて良いね。
イラストの小池定路ってどっかで見た絵だと思ったら、『終末の過ごし方』や『フォークソング』の人か。本作でも独特の繊細なタッチで少女たちを描いてます。

各章のタイトルがいい感じ。「男子がすなるという、あれ。」とか「抱き合ったのではなく、抱きしめられたのです。」とか。台詞をそのままタイトルにしてるのだけど、他にも印象的な台詞が多い。
主人公が洋食屋の娘のせいか、食べ物の描写が事細かなのもポイント。オムライス食べたくなった。

“女子が男子に勝つ”という女子野球モノお馴染みのテーマ。これをいかに描くかってのが女子野球もののキモでもあるのだけど、まだまだ牧歌的だった時代の野球に金属バットやスパイクなど現代的な野球の道具や思考を持ち込むことによって男子に対抗するってところが中々おもしろい。
まあ、ピッチングマシンとか養成ギブスとかはやりすぎ感もあるし、(一部を除いて)ろくにスポーツをしたことの無いお嬢さんたちがちょっと特訓しただけで男子に勝てるのかってツッコミも可能だけど、それは野暮ってもんだろう。

ついでに女子野球的なウンチクを少々。
今作では女学生が野球をやるなんてとんでもないというのが多くの人々の反応で、それもまあ当然なんだろうけど、実はこの物語の8年前、大正6年には今治高等女学校に野球部が創設され、大正8年には初の女子野球大会が行われていたんですな。事実は小説よりも奇なのです。
もちろん、本場アメリカでは以前も話題にしたように、19世紀から女子のやる野球というものが存在していた。
未だメジャーとは言い難い女子野球だけど、歴史は古いのです。女子野球の歴史については日本女子野球協会もご覧下さい。

チームのメンバーが揃い、初めての練習試合で勝利した後で終わっているけど、夏ごろに続刊が予定されている模様。
今巻では結構トントン拍子といった感じで物語が進んでいったので、次巻では敗北、挫折そして復活みたいな話になるのかな。
とりあえず、続きを楽しみにさせてもらいましょう。

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コメント

はじめまして、訪問です。

アニメだけでなく、これからも実話ようにドラマ・映画化にしてほしい限り。

中京女子大学硬式野球部の方から
大学野球の公式戦へ参加しています。


また、関西独立リーグなど、
プロ野球に通じて史上初、女子からプロ野球の球団に入りましたね。
吉田えり投手もいた。

>なまさん

こちらこそよろしくです。

えーと、書き込みは大歓迎なんですが、もうちょっと推敲してから書き込むことをお勧めします。ハッキリ言って意味不明です。

はじめまして、よろしく。


はい、知っている
女子野球の歴史については、
もちろん本当です。

大正6年頃、愛媛県今治女学院の女子野球へ初開拓し、愛知県東邦高等女学院の最初として女子のみ硬式野球部に作ったことがありました。

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