かえってきたもの(ノア中継雑感)
昨夜はあえてネットで試合結果をチェックせず、朝一番で録画しておいたノア中継を観戦。
久しぶりに感想を書いてみよう。
12・10、日本武道館大会。
小橋建太が半年ぶりにノアのリングに帰ってきた。
体重が落ちたと聞いて心配していたけど、スーツを着ていたせいもあってそれほど痩せたという印象は受けなかったな。思っていた以上に元気そうで一安心。
小橋が入場してきただけで、会場の雰囲気が一変する。やはり、ノアにとって小橋は唯一無二の存在なのだなと思う。
まだまだ復帰までの道のりは険しいだろうけど、信じてずっと待っているから、焦らずに頑張っていってほしい。
そして、メインイベントはGHCヘビー級選手権試合。王者・丸藤正道 vs 挑戦者・三沢光晴。
かつて付き人を務めたこともある三沢の弟子・丸藤が、王者として挑戦者・三沢を迎え撃つ。
正直、三沢の勝利は厳しいと思っていた。
丸藤の実力や勢い、と言ったものはもちろんあるが、何より最近の三沢の状態の悪さでは、心身ともに充実している若き王者には対抗しきれないだろうと考えていたから。
最近の三沢は、よくネタにされるように太って腹が出て、かつての華麗な飛び技やスープレックスはほとんど見せず、試合ではほとんどエルボーしか出さなくなっていた。
特に、地方興行においては、試合は鼓太郎や小川にほとんどまかせっきりの省エネ試合も多く見られるようになっていた。
44歳という年齢もあるし、社長とレスラーの二足の草鞋は大変なのだろうというのは分かる。それでも、かつての、身体を張って全日本プロレスを、ノアを支えてきた三沢光晴を知るものとしては寂寥の観を禁じえない。
今回、丸藤に三沢が敗れることによって、ノアの戦いの主流は丸藤ら若い世代に移っていくことになるのだろうと、半ば諦めに似た気持ちで思っていた。
しかし。三沢光晴は、例え年を重ね衰えたとしても、三沢光晴だった。
どんな危険な技だろうと受け切り、立ち上がってくる不撓不屈の精神力。
一瞬の隙を逃さず、相手も観客も想像つかないような発想と動きをみせるひらめき。
そして、あらゆる強敵を打ち破ってきた、炎の右肘。
特に今回目立ったのは、ひらめきの部分だった。観客を唸らせる驚異的なセンスを持つ丸藤を相手にして、発想でも読み合いでも決して引けをとらなかった。
フィニッシュとなった雪崩式のエメラルドフロウジョンはそんな三沢のひらめきならではものだったと思う。
破れたとはいえ、丸藤の戦いぶりも見事だった。
受けの巧さについては定評のある丸藤だったが、雪崩式タイガースープレックス'85、変形エメラルドフロウジョン、タイガードライバー'91、そして限りない数のエルボーを食らっても、決して倒れなかった(正直、タイガードライバー'91が返された時点で三沢の勝利は無くなったと思った)。
もはや丸藤がヘビー級戦線で戦うことになんら異存はない。ただ、やはりヘビー級の相手に丸め込み以外で勝利するには、不知火以外の決め技が必要だろう。ポールシフトは垂直に落とすだけの丸藤らしくない味気ない技だし、断崖式、雪崩式以外に、さすが丸藤と言えるような技をみせてほしいと思う。
世代交代だの、時計の針がどうだの、時代がどうだの、ファンやマスコミはすぐに言いたがる。
でも、本当はそんなものないんだよ。時代なんて、リングに上がっている限り続いていくものなんだから。
三沢光晴は、今までも、そしてこれからも三沢光晴で在り続ける。
……いやまあ、でも、ちょっとダイエットはしてください、シャチョー。