『マウンドの記憶』を越えて
『マウンドの記憶 黒木知宏、17連敗の向こう側へ』を読み返した。
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1998年。マリーンズが日本新記録を17連敗を達成した七夕の夜、マウンドに蹲り涙を流した黒木知宏。彼がその悪夢を乗り越えるため、もがき苦しみながら投げ続ける姿を描いたノンフィクションである。
ジョニーのファン、いやマリーンズファンにとってはバイブルと言ってもいい本で、私もこれを読んで更にジョニーに惚れ込んだ。
読み返してみると、ホント、今年の優勝は感慨深い。というかむしろ信じ難くなってくる。
この本に書かれているのはそんな昔のことではない。マリーンズと言うチームはつい数年前まで、負けることに慣れ過ぎ、勝つための闘志や執念の乏しい弱小チームだった。
そして、そんな弱小チームの中にあって、チームを支え、鼓舞し、勝利への闘志を燃やし続けていたのがジョニーだった。
そんなどうしようもない弱小チームだったマリーンズが優勝を果たした今年、ジョニーが戦力としてチームに貢献できなかったことは皮肉としか言いようが無い。
しかし、ジョニーは単純な戦力として以上の貢献をチームに残したと思う。
ボビーが監督となり、マリーンズは変わった。
だがマリーンズがこんなにも急速に変われたのも、どんなに負け続けても常に諦めず勝利を目指したジョニーの闘志が少しづつチームに浸透していたからこそだと思う。
現在主力として活躍する選手の多くはジョニーと共に苦難の時代を歩み、そんな中でマウンドの彼の背中を見つめ続けてきた。
また、ジョニーが戦線離脱した後にマリーンズのエースとなった清水直行の責任感はジョニー、そして小宮山から受け継がれたものだ。
更に、ジョニーはここ数年、故障のためにずっとファームにいたが、彼がファームにいても腐らずに真摯に野球に取り組む姿は、西岡、今江といった若手、あるいは故障や不振でファームにいた選手達にも大きな影響を与えたに違いない。
もしジョニーがいなかったら、ボビーの力をもってしてもこうも早くチームが変わったかどうかはわからない。
今年の優勝が決まった後、ジョニーは「(自分が活躍できなくても)チームが優勝したからそれでいい」と語っていた。
それはもちろん本心だろうが、すべてではないだろう。人一倍負けん気が強く、プライドの高い彼のことだから忸怩たる思いを抱いている部分もあるに違いない。
今季の登板数はたった3試合。来年はジョニーにとって正念場になることだろう。
完全復活への道はまだまだ険しいけれど、ジョニーならどんな困難でも乗り越えていくと信じてる。
俺たちはずっと見守ってるからね。
