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2011年04月30日

舞台版『銀英伝』のDVDを観た

まさかの舞台化ということで話題になった舞台版の銀英伝。
観に行くことはできなかったけどDVD化されたので、妹と共同購入して視聴したのでちょろっと感想など。

今回は銀河帝国編ということでヤンを始め同盟・フェザーン側のキャラクターの出番は無し。
原作第1巻のアスターテ会戦から原作2巻のリップシュタット戦役までを描く。

帝国はもともと舞台劇に近い雰囲気があるので原作のイメージにかなり近い感じ。
キャストもイメージを壊すような人はいなかった。全員日本人でも違和感なし。あ、いや、メルカッツ提督が禿げてたくらい。我らが殿こと松坂桃李くんもラインハルトを熱演してました。
どうするのかと思ってた艦隊戦も多数のダンサーを使った演出でこれはアリだなーと。さすがに戦術云々を見せるまでは行かないけど舞台ならばこれで十分。

ストーリーも特に中盤までは文句無し。次は原作のこのセリフが来るな、というシーンをハズさないのが気持ちいい。原作のエピソードの取捨選択も的確。
オリジナルのシーンで、フリードリヒIV世に語らせたり、キルヒアイスとアンネローゼのラブシーンを入れたりのも上手かった。

ただヴェスターラントの辺りから怪しくなってくる。
ブラウンシュヴァイク公のヴェスターラントへの核攻撃を実施前からキルヒアイスが知ってるのはまだわかる。核攻撃前にラインハルトとキルヒアイスを対峙させることでより両者の対立を深めることができるから。
それなのに、ヴェスターラントの惨劇を知ってラインハルトがあっさりキルヒアイスに従えばよかったと後悔して落ち込んじゃうんだよなあ。
ラインハルトの弱さや優しさを見せたいのかもしれなかったのかもしれないけど、ここはラインハルトが覇道のために冷酷さを選ぶ覚悟したんだからすぐ後悔させちゃダメでしょ。
しかもそうすると、アンスバッハとの対面の時キルヒアイスが武器の所持を認められなかったのと矛盾しちゃうし。
中盤までは原作をよく理解していると感心させられてたのに、なんで一番大事なところを改悪しちゃうかなあ。

あと、ラインハルトが皇帝への復讐のためだけに戦っていた、みたいな描き方も違和感。もちろんそれは大きな要因だけど、それだけじゃ無いよね。フリードリヒIV世の描き方は良かったんだけど、ラインハルトの人間を小さくしちゃってる。

本筋と関係無いところだとアンスバッハがムダに活躍しすぎ。リヒテンラーデ侯殺すわ、オーベルシュタインにヴェスターラント核攻撃をリークするわ、ブラインシュヴァイク公も騙して殺すわ、もちろんキルヒアイスは殺すわ…。
ヴェスターラントを含めてリップシュタット戦役の部分は疑問な部分が多いわ。

とまあ、原作厨として色々文句をつけたけど、十分合格点をあげられる出来。
シナリオに不満はあるとは言え、雰囲気は十分。生で観てたらもっと感動できたと思う。
次は同盟編かなあと思ってたら、6月にロイエンタールとミッターマイヤーの外伝が舞台化されるらしい。生で観るのは難しいけど、次もDVD化に期待したい。

2010年02月18日

さよならだけの人生に

コメディアン・俳優の藤田まことさんが亡くなった。

asahi.com(朝日新聞社):俳優の藤田まことさん死去 「必殺」シリーズなど人気 - 芸能一般 - 映画・音楽・芸能
藤田まことさん死去:逆境にも涙をのんで仕事人 - 毎日jp(毎日新聞)
訃報:藤田まことさん76歳=俳優「てなもんや」「必殺」 - 毎日jp(毎日新聞)
【藤田まことさん死去】堀内孝雄さん「どれだけ励みになったか…」 - MSN産経ニュース

『必殺仕事人』の再放送も好きだったけど、やっぱり私にとっては『はぐれ刑事純情派』の安浦刑事。
『はぐれ刑事純情派』は大好きなドラマで、第13シリーズくらいまでは毎週欠かさず観てたなあ。


第10シリーズまでの主題歌を集めたベスト盤。堀内孝雄さんの主題歌に加え、印象深いメインテーマ、藤田まことさん、眞野あずささんのデュエット曲『銀の糸』も収録されています。
今夜は藤田さんを偲びつつ、聴いて過ごしたいと思います。


TVシリーズの全主題歌集も出ていたのか。ポチらなければ…。

2009年07月02日

『ヤッターマン実写版』について今更語ってみる

観たのは確か3月くらいだったかな。
時間が経ってしまい細部を忘れてたりするのだけど、マサユキストとしては語っておかないと…。
えらく久しぶりに映画館で映画を観ました。前に観たのは『エヴァ』の映画だから…、2年ぶり? いや違う、その前のヤツだから12年ぶりか! 我ながらビックリ。

あの『ヤッターマン』を映画化と聞いて、ほとんどの人が大コケを予想しただろうけど、三谷監督を始め、スタッフは大マジだった。原作へのリスペクトと愛情をもって取り組んだことがヒシヒシと伝わってくる。
メカやアクションシーンの再現はもちろん、ギャグや独特の雰囲気まで『ヤッターマン』の世界を見事に実写で表現している。

キャラクターで言えば、やはり深田恭子演じるドロンジョ様が非常に魅力的。というか、深田恭子のための映画といっても過言では無い程。
深田恭子に合わせて乙女チックなドロンジョ様になっていて、アニメのイメージは違うけど、これはこれでアリ。深田恭子って別に好きでも嫌いでもないけど、うん、可愛かったですよ。
また、ドロンジョを支えるトンズラーとボヤッキーの再現度も異常。生瀬勝久とケンドー・コバヤシの熱演が素晴らしい。
『天才ドロンボー実写版』に合わせて踊っているシーンも嬉しかったなー。

存在感あふれるドロンボーにたいして主役のヤッターマンは影が薄い。ま、その辺も原作通りともいえるけど。
ヤッターマン1号はそれでも見せ場はそれなりにあるけど、2号は空気だし、ヒロインは汚れ役だしと、非常に扱いが悪い。まあ、ドロンジョ様ありきの映画なので割りを食うのは仕方ないんだけど。

ストーリーについては特筆すべきところはないけど、ちょっと中盤グダグダだったのは勿体ない。
ギャグもちょっと下ネタや下品なネタが多くて、子供に見せるのはちょっとどうかと思った。この辺もらしいといえばらしいんだけどね。

マサユキストとしてはやはり音楽についても語らなくては。
今回の音楽担当はもちろん山本正之&神保正明の黄金コンビ。
タイトルバックでいきなり『ボカンで育って大人になって』のメロディが流れてきた時点で泣きそうになる。
そして、ヤッターワンの出撃とともに流れる『ヤッターマンの歌2009』、歌うはもちろん山本正之!

銀幕に響くあの歌声。これぞまさしく、正義と勇気の歌声だ。

クロマニヨンズの歌う『ヤッターキング』も抜群のカッコ良さ。ヒロトさんも喜んでいるだろう。
ラストのドロンボーの別れのシーンに『さんあく30年―君を離さない チュッ☆』を使うあたりもずるいよなあ。あの曲とともにドロンボーがそれぞれの道を進んで行き、その道が…、ってところがまたいいんだ。

あと、今回の音楽の素晴らしさは藤原いくろうさんの功績が大きいと思う。
音楽の編曲・オーケストラ指揮・ピアノ演奏をいくろうさんが担当。
オーケストラになった音楽は非常に豪華なんだけど、それでいて山本正之の世界を損なわずに音楽をオーケストラに昇華させている。
さっすがいくちゃんだよなあ。他の編曲家じゃあ絶対にこうはいかないよ。
あと、ホントいくろうさんのピアノは上手い。いや、プロに上手いなんて言うのはかえって失礼かもしれないけど、ホントに素敵なんだコレが。
サントラ版も素晴らしい出来なので是非お聴きください。

映画『ヤッターマン』 オリジナル・サウンドトラック映画『ヤッターマン』 オリジナル・サウンドトラック
山本正之


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欲を言えば、嵐の主題歌はともかく、『ヤッターキング』は収録してほしかったなー。

マサユキストならば必見、ボカン好きならば観て損は無い作品かと思います。私も12年ぶりに映画館に行った甲斐がありました。
DVDも発売されたら購入したいと思います。

2009年05月19日

なぞのゆめ

悪夢を見るのが得意技の私だけど、ここ最近はあまり夢を見なかったり、見ても覚えていないことが多かった。
ところが、今朝見た夢が久しぶりに無茶苦茶おもしろかった。

のだが、さっぱり覚えていない。
かろうじて覚えているのは妹が涼宮ハルヒになったことと舞台が宇宙にまで広がるスケールだったことくらい。
こんな面白い夢を忘れちゃいけないと、寝ぼけながらにメモをしていたのだが、残っていたのは「涼宮涼慎」という謎の人物と「ぶらんこ」という単語だけだった。
現在、妹と涼宮涼慎の関係、宇宙におけるブランコの必要性について推測中である。

うーむ、ちゃんと覚えていれば電撃小説大賞は俺のものだったのになー。

2008年11月26日

新潟にオタクビル登場!

22日にオープンした新潟オタクビル、連休中は混むだろうと行かなかったけど、天気の良い平日の休日ということでポタリングがてら覗いてきました。

新潟に「アニメの聖地」出現 / 新潟日報 NIIGATA NIPPO On Line
新潟日報ほか夕方のローカルニュースでも紹介されてました。

場所は旧石丸電気跡。アニメイト新潟店が移転し、ACOS、メロンブックス、らしんばんが新規開店。アニメイト以外はもちろん新潟初上陸。

1Fが有料駐車場、2FがアニメイトとACOS、3Fはメロンブックスとらしんばんという構成。1Fに自転車を停められるスペースがあるのが個人的にありがたい。

アニメイト新潟店
移転前と大きな変更は無し。ただフロアの面積が増えたので商品がゆっくり見られるようになった。移転前はCDコーナーとか狭くておちおち見てられなかったからね。
メロンブックスが男性向け同人誌中心のため、同人誌の委託も継続している模様。

ACOS
アニメイトのコスプレ衣装・グッズ専門店の2号店。専門外なので軽く眺めるだけだったけど、意外と完成品の衣装って安いのね。ゼロのマントが数千円とか。まあ生地なんかによっても違うんだろうけど。

メロンブックス
メロンブックス的には新潟は北陸らしい。
関東圏の店舗では商業誌・コミックなども揃えているけど、新潟店は同人誌中心で、一般コミックやCDはオタク向けの売れ筋だけを抑えている感じ。この辺はやはりアニメイトとの棲み分けのためなんだろうね。アニメイトで扱っていない歴史・神話・宗教系の書籍を置いてるあたりマニアックで良い。
同人誌や同人ゲームは滅多に買わないとはいえ、いざほしいものがあった時に通販するは面倒なのであればやはり便利だな。
しかし、今更ながら『東方』って人気あるんだなー。俺、『東方サッカー』と『夢の東方タッグ編』しか知らないんだけど(偏り過ぎ)。

らしんばん
らしんばん的には新潟は甲信越らしい。
他店舗は行ったこと無いけど、新潟店はコミック、ゲーム、CD、同人誌、フィギュアなどオタク向けアイテムの中古販売・買取専門。
『聖闘士星矢』コーナーがあったり(ゼウス編の同人誌があってちょっと感動)、『Lの季節』1&2限定版セット販売していたりとなかなかのセンスで好印象。
個人的には中古CDコーナーが嬉しい。最近は新古書店のアニメ・ゲーム系CDコーナーって縮小傾向だからなあ。まあ最近の作品中心なので私のような懐古趣味の人にはちょっと物足りなくもあるけど。
そんな中で『プリンセスナイン オリジナル・サウンドトラック2』を見つけて買っちゃったんだけど既に持ってました。持ってないのは1の方だったんだよなあ(もし欲しい方がいれば差し上げますので連絡ください)。

最近、買い物はネット中心になりがちな私だけど、やっぱり実際の店舗で商品を眺めるのは楽しいわな。
今後も暇を見つけてちょくちょく覗くことにしよう。

2008年08月21日

ソフトボール五輪代表、金メダル獲得

例によってしばらくさぼってましたが、五輪のソフトボール代表の試合に感動したのでひさびさに更新です。



試合はほとんど見てなかったけど、一応勝敗は気にしてました。決勝戦ということで観戦したけど、おもしろかったなー。

やっぱりエースの上野が凄すぎる。2日で3連投、400球以上投球って、西鉄対巨人の日本シリーズの稲尾みたいだよな。満塁のピンチを抑えるところは江夏みたいだし。
アメリカ代表もさすが世界最強。みんなでかくて化け物揃い。アボットのライズボールも凄かったけど、圧巻はブストス。外角のボール球を泳ぎながらライトにホームランってどんなパワーだよ。上野が稲尾だったらブストスは山田太郎みたいでした。

選手の頑張りにも感動したけど、試合後、実況をしてた宇津木妙子元日本代表監督が号泣しているのを聞いてもらい泣きしそうになった。宇津木さん、試合中も絶叫しまくって解説になってなかったけど、ずっとソフトボールに懸けてきた人だもん、無心ではいられないよな。

私の中では野球を含めて全然盛り上がっていない今回の五輪だけど、感動しました。ソフトボール代表チームに惜しみない感謝と賛辞を。

2007年10月24日

『数学ガール』

“彼女"とは共に歩いていくはずだった。

“彼女”と別れてしまったのは、私が歩みを止めてしまったから。
“彼女”と別れたとき、私がどう感じたのかもう覚えていない。悲しかったのか、悔しかったのか、それとも、ホッとしたのだったか。
会おうと思えばいつでも会えたのに会わなかった。もう拘りなんて無い、そう考えていたこと自体が拘りだったのかも知れない。

“彼女”と別れてから数年。一冊の本が“彼女”と再会させてくれた。
久しぶりに会った“彼女”は、あの頃と全く変わっていなかった。
ああ、そういえばこの人はこんなに美しかったんだ。そんなことも忘れていた自分に驚いた。



“彼女”の名前は“数学”という。

なんちゃって。ま、ウソは書いてないよな。

数学ガール数学ガール
結城 浩


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んで、私と“彼女”を再会させてくれたのがこの本。きっかけはAmazon先生になぜかオススメされたから。
数学書や参考書ではないし、かといって小説というには数式が多すぎる。啓蒙書というのも違うかな。
主人公の“僕”と二人の少女が、数学を通して語り合い、向かい合う、そんな物語。

数学の内容としては高校数学から大学レベルまでさまざま。
正直、何年も数学から離れていた私には難しい部分もあって、ちゃんと数式を追いかけ切れていない部分も多い。
自分の数学の知識が相当抜け落ちていることに我ながら愕然としましたわよ、ホント。
何年かぶりに、紙に数式を書き綴るなんてこともやりました。
昔、確かに感じていた、問題を解くときのワクワク感、美しい解法で答えを導いたときの解放感を思い出した。
数学って、おもしろいもんだったんだよな…。

あの頃のような関係には戻れないけど、今なら“彼女”とまた違った関係を築けるんじゃないかと思う。
とりあえず、高校生向けの数学の参考書でも買ってこようかな。



「数学に戻ろう。ねえ、次は何を考える?」
「先輩! また明日も数学しましょうね!」

2007年01月11日

『天地人』

父がおもしろいというので、火坂雅志『天地人』を借りて読んだ。

天地人〈上〉天地人〈上〉
火坂 雅志


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上杉景勝の側近として謙信亡き後の上杉家を支えた、直江兼続の生涯を描いた小説。
歴史・時代小説はあまり読んでいないので比較はできないが、正直、そんなに出来が良いとは思えない。
なんか、作者が上杉萌えだけで書いてる気がする。兼続を美化するあまり、贔屓の引き倒しになってる描写も多いし。
なんでこんなに上杉萌えなのかと思ったら、新潟日報に連載してたのか。納得。
まあ、私はよく訓練された新潟県民なので謙信公をリスペクトしてるし、兼続や景勝も好きな武将なので、それなりに楽しく読めた。
若き日の兼続が、謙信と酒を酌み交わしながら「義」について語り合うシーンなどは、確かに萌える。

個人的には、上杉景虎(関東一の美男子と言われている。さすがだ)や直江信綱(論功行賞のいざこざに巻き込まれて死亡)、柿崎晴家(御館の乱が始まるといきなり討死)、高坂昌信(高坂弾正ね)などというちょっと懐かしい名前を見て嬉しくなったり。あの作品もちょっと前に完結したので最初から読みたい気もするんだが、全40巻は厳しいよなー。

直江兼続を描いた作品は他にもいろいろあるようなので、機会があれば読み比べてみたいところ。

2006年11月26日

安彦良和原画展と花と遺跡のふるさと公園

先週行き損ねた新津美術館で開催されている安彦良和原画展、夜勤明けだし行くかどうか迷ったのだけど、私もガノタの端くれだし、自転車で遠出するのもさすがに12月に入ると厳しいだろうと言うことで、一眠りした後、出発。

信濃川大橋を渡って信濃川沿いを南下するルートを選択。
ネットで経路は確認したし、地図もプリントアウトしておいたので道に迷うことは無かったのだが、問題だったことはあの辺りは田園地帯で道路は基本的に農道だということ。そのため、歩道どころか路側帯すらほとんど無い。
別の道を行こうかとも思ったのだが、そうすると地図に無い場所を行くので迷う可能性が飛躍的に上がる。仕方ないので用心しながら予定通りの道を進んだが、はっきり言ってかなり怖かった。
しかも、こういうときに限って向かい風でさっぱりスピード出ない。こういうことは実際に走ってみないとわからないからなあ。旅の醍醐味、と言えなくも無いが。
川沿いの道を離れると路側帯も広くなって比較的安全に走れるようになった。
途中、『道の駅・花夢里にいつ』で休憩を挟みつつ、無事、新津美術館に到着。所要時間は休憩を含めて1時間半弱といったところ。

腹ごしらえをして安彦良和原画展へ。

『ガンダム』を中心に、安彦さんの携わったアニメや小説、自ら手がけたマンガなどの原画が多数公開されていた。
やっぱり安彦さんの描く絵には色気があるなあ。あの肉感的な女性の描き方が素晴らしい。ついつい女性の太ももに目が行ってしまいます。
それと、少年のまなざしとかにもドキリとする色気を感じるんだよね。男女問わず、安彦さんの描く人間には生の躍動が満ちていると思う。
あと、個人的に安彦さんの絵で惹かれるのはロボットやメカの描写。重量感や質感など、独特の存在感がある。同じモビルスーツを描かせても、例えばカトキハジメの工業製品的な味気無さとは全然違う。これも色気と言ってもいいかもしれない。
安彦良和の世界を堪能させていただきました。新津美術館、ぐっじょぶです。
あ、『彼女はスーパールーキー』の原画はやっぱり無かった。残念。

新津美術館は「花と遺跡のふるさと公園」の中にあるのだけど、山と木々に囲まれた非常に気持ちの良い場所だった。
今の季節もいいけど、きっと若葉の季節はもっとさわやかでいいところなんだろうな。
携帯のカメラで何枚か写真を撮ったのだけど、曇っていたせいもあって綺麗に撮れなかったのでアップはしません。デジカメ持っていくんだった。
美術館の他にも、植物園や新津フラワーランド、埋蔵文化財センターなど様々な施設があるので、朝から行っても一日楽しめそう。
あまり気持ちが良さそうなので池の周りを自転車で回っていたら、園内放送で注意されてしまった…。自転車進入禁止の立て札に気付かなかったとはいえ、恥ずかしいことをしてしまった。
せっかくなので展望台まで行ってみようかと思ったのだが、雨が降り出してしまった。幸いなことにすぐ止みはしたのだが、空は相変わらずの曇り空。いつまた降り出すのか分からないので残念ながらさっさと帰る。

帰りは、もと来た道を行くと普通に事故れそうなので、信濃川を渡って白根を経由して帰る。
白根の方が多少なりとも土地勘はあるし、いざとなれば国道に出てしまえばなんとかなる。
迷いそうになっても慌てず騒がず携帯で地図を呼び出してチェック。……いつものように「気が付いたら三条でした、てへ」みたいな展開の方がネタ的にはおもしろかったかもしれんけど、暗闇の中、延々と続く国道を雨に打たれながらひた走るというシチュエーションはさすがに勘弁してほしい。
帰り道は追い風だったこともあり、約1時間で到着。1日の走破距離は40km。まあ、休日のサイクリングとしては適当な距離かもしれないな。

安彦良和原画展は素晴らしかったのだけど、惜しむらくは、思いがけずいいところだった「花と遺跡のふるさと公園」を堪能できなかったことかな。夜勤明けで時間も無かったし、天気も良くなかったし、デジカメも忘れたし。そういえば、近くにある秋葉神社にも行けなかったなー。
このリベンジは来年かな。若葉の薫る季節はさぞ気持ちのよいことだろう。今から春が待ち遠しいな。

2006年11月19日

ウン年ぶりのガタケット

新潟はここ最近雨ばかりで、自転車乗りにはつらい日々が続いている。
そんな中、今日はひさしぶりの晴れ模様。これは出かけねばなるまいと新津美術館にでも行ってこようかと思ったのだけど、二日酔いで頭は痛いし、田んぼ道ばかりでかえって道に迷いそうだし、夕方からは仕事が入っているしで断念。
だったら近場でどこか行くところはないかと考えると、ちょうど今日はガタケの開催日。久しぶりに行ってみることにした。

平成大橋でなく、たまには信濃川大橋を渡って行こう、などと思ったのが間違いの元。
なぜか信濃川大橋を渡ってから直進する私。方向全然違うから!
おかしいかなあ? とは思ったのだけど、こういうときだけ進みだしたら止まらないのが私の性分。「時速35キロ(=平地で私が私の自転車で出せる最高速度)の壁に挑戦する!」などと訳の分からんことを言いつつひたすら直進。
遥か彼方にビッグスワンを見つけてさすがに間違いに気付き、方向転換。あやうく、亀田までいってしまうところだった。くそう、これというのも鳥屋野レイクランドの観覧車が無いからだ!
いいんです。サイクリングが主目的でガタケはついでですから。晩秋の田園風景はそれはそれで風情があったし。

予定より多少遅れてガタケの会場である新潟のオタクの聖地(と言って差し支えないだろう)、産業振興センターに到着。
今更言うまでもないが、ガタケとは新潟コミックマーケット、通称ガタケットのこと。
地方の同人誌即売会としてはかなり大規模なイベントらしい。
昔(具体的に言うと『エヴァ』が流行るちょっと前、『幽遊白書』や『セーラームーン』の全盛期)はよく行っていたのだけど、ここ最近はとんとご無沙汰だった。もともと同人誌はほとんど買わないし、最近はネット通販でも買えるしね。
それならばなぜ行ったのかと言えば、最近の新潟の同人誌と同人誌即売会の状況に興味があったから。
ガタケは同人誌即売会と言っても首都圏や都市部のイベントとは趣きが大きく異なる。
参加者の年齢層が低いし、参加者の多くは女性なので男性向け同人誌はほとんどない。また、アニメがあまり放送されていないので、コミックやゲームを扱うサークルが非常に多い。数年前の話だが、スペース数の一番多いジャンルが『ポップンミュージック』だったときは非常に驚いた。おかしいだろ、普通に考えて、それ。

ひさしぶりに来たけど、やっぱり基本的なところは変わってないなー。
ペラいコピー本とか、便箋とか、ラミネート加工されたカードとか、いかにも地方の即売会という感じ。つーか、便箋とかラミネートカードって買ってどうすんのかね?
ジャンル的にはコミックはジャンプ系がやはり強く、ゲームでは『テイルズ』シリーズや『戦国BASARA』が多かった。『ポップン』人気もいまだに根強いらしい。
それにしても、昔は関心の無いジャンルでも絵を見れば何の作品か分かったものだけど、今はさっぱりわからんのも多いなー。私が最近の状況に疎いのもあるけれど、オタクジャンルが細分化されてるってことだろうな。

昔と比べて大きく変わったと思えるのは、コスプレイヤーの数が相当増えていたこと。
会場の中にもたくさんいたし、ちょっと覗いただけだが屋外の撮影スペースにはさらに多数のレイヤーがいた。
これは、ガタケが徐々にコスプレと同好の士とのコミュニケーションの場になってきているということなのかもしれんなあ。
インターネットの普及によって表現の手段が増えたし、同人誌だってネット通販で気軽に買える。わざわざ手間のかけて同人誌を作る必要もないし、大手サークルや委託スペースにわざわざ並ぶ必要も無くなったのだろう。
ガタケの方向性が変わっていくことの是非は問わないし、そんなことを語る資格も私には無いが、正直淋しい気はする。
自分で話を考えて、絵を描き、製本して、自らの手で売る。そういう同人誌即売会の基本を忘れて欲しくないなあ。ま、余計なお世話ですが。

とりあえず、会場をぐるっと回ってから帰還。もちろん何も購入せず。『レッスル』本でもあれば買ったかもしれんが、まあ無いわな。
収穫、って程のことは無いけれど、休日の午後を費やす意味はあったかな。



……帰りは迷いませんでしたよ。

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