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2008年09月03日

輝きは、時を超えても

先日紹介した第3回女子野球ワールドカップ、すでにニュースなどでご存知の方も多いでしょうが、日本代表が全勝で見事世界一に輝きました。遅ればせながらおめでとうございます。
今回の日本代表の活躍で、女子野球の知名度が上がり、普及が進むことを願っております。

テレビのスポーツニュースでも取り上げられていたようだけど、公式ブログの情報に気付くのが遅かったので、私が観られたのはTBSの『サンデーモーニング』くらいでした。『みのもんたの朝ズバッ!』はいいとしても、NHKの『サンデースポーツ』は観たかったな。
公式ブログでも紹介されていますが、ENEOS BASEBALL TOWNで『VICTORY ~もうひとつのJAPAN~』が配信されているので是非ご覧ください。

んで(ここからが本題)。
見逃したニュースの動画がアップされていないかYouTubeで検索したら、素晴らしい動画を見つけたので紹介したいと思います。

かつて日本に女子プロ野球リーグが存在したことは当ブログをご覧の方なら知ってる人も多いだろうけど(えー)、かつて女子プロ野球リーグに所属していた元プロ野球選手たちが集まってチームを再結成したという話。
女子プロ野球が存在したのはもう50年以上昔の話。当然当時の選手たちも70代のおばあちゃんになっているんだけど、動きがすごい。
70代であれだけ動けるのも素晴らしいけど、打つ姿、投げる姿、守る姿のどれも見事なもの。
映画『プリティ・リーグ』のエンディングで、元AAGPBL(全米女子プロ野球リーグ)の選手と思われるおばあちゃん達の試合風景にも驚かされたけど、日本のおばあちゃん達も全然負けてないよ。
野球を愛する女性の輝きは、時代が違っても、時間を経ても変わらないんだねえ。いつまでも元気に野球を楽しんでもらいたいものです。

ついでにもうひとつ動画を紹介。

『プリティ・リーグ』でも歌われていた全米女子プロ野球リーグの歌を当時の選手たちが歌ってます。これもいい動画だなあ。

2008年08月27日

ソフトボールコミックにモえろ!

五輪ソフトボール代表金メダルを記念して、ソフトボールコミックを紹介してみようかと。
めがきゅーうぃきの方にページはあったんですが当分復旧できそうにないので。

スローステップ (1) (小学館文庫)スローステップ (1) (小学館文庫)
あだち 充


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青春野球マンガの大家・あだち充の作品。掲載誌はなんと『ちゃお』。今の『ちゃお』には絶対載らんな、こんなマンガ。
これをソフトボールコミックと呼んでいいのか正直悩みますが…。これがソフトボールコミックならば『プリキュア』だってソフトボールアニメだよな。まあ作者が“本格ソフトボールまんが”と言ってるんだからそうなだろう。
他のあだち作品と比べるとグダグダ感が強いけど、嫌いじゃないです、このノリ。
OVAにもなってますが、ひょっとして唯一のアニメ化したソフトボールもの?

ウインドミル (1) (少年サンデーコミックス)ウインドミル (1) (少年サンデーコミックス)
橋口 隆志


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アニメ化もされた『焼きたて!!ジャぱん』で知られる橋口たかしの改名前の作品。掲載誌が『少年サンデー超増刊』とややマイナーながらソフトボールコミックの中では知名度は高い方かな。
素人だった主人公が無名校のエースとして全国大会を勝ち抜き、オリンピックまで駆け上るというスポ根の王道的展開。魔球ひとつで強敵に勝ち抜いていくストーリーはやや強引ながらも、勢いとキャラクターの魅力で楽しく読める。
オリンピック編はかなり無茶な展開だけど、これはこれでアリかと。
やはり橋口たかしの描く個性的なキャラクターが最大の魅力ですな。ミニちゃんは俺の嫁。

ソフトボールは好きかしら?ソフトボールは好きかしら?
中村 かなこ


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50ページの短編で、単行本の表題作でもある。掲載誌は『別冊少女コミック』。
ソフトボールな大好きな元気娘と才能はあるけどアガリ症で無愛想なエースがぶつかりながらも友情を結んでいく話。
短編ながらよくまとまってるかと。他の収録作品もなかなか良いです。

しまっていこー! 1 (1) (講談社コミックスキス)しまっていこー! 1 (1) (講談社コミックスキス)
伊藤 実


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ソフトボールにはプロがないので学生スポーツ以外となると必然的に日本リーグに所属する実業団が舞台となる。
学生スポーツともプロとも違うため、企業の経営難による廃部・解雇、ソフトボールと仕事の両立、下位リーグ降格など独自のドラマが描かれることが多いのが特徴。
特にこの作品は掲載誌の『kiss』が大人の女性向けであることもあって、ソフトボールを通じて恋や人生をひたむきに頑張る女性たちを描いている。絵的にはちょっと癖があるけど、今回挙げたタイトルの中でもかなり好きな作品。
ルールは似ている野球とソフトボールだけど、それを取り巻く環境の違いによってまったく違う物語が描かれるってのはおもしろいですな。

ライジング 2 (2)ライジング 2 (2)
わたべ 淳


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この作品も『ソフトボールは好きかしら?』や『しまっていこー! 』同様、実業団が舞台。
どちらかというと正統派のスポ根もの。際立った才能があるわけではない主人公が努力を重ね自分だけの武器を掴んでいく。絵も地味ながら上手い。
元ソフトボール日本代表の高山樹里や石川多映子がモデルのキャラクターが登場する。高山はさすが“女大魔神”の存在感を示すんだけど、現役引退後とはいえ石川が食いしんぼキャラにされてるのはどーなんだ?

千秋しまってこー!! 1 (1) (バンブー・コミックス)千秋しまってこー!! 1 (1) (バンブー・コミックス)
重野 なおき


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現在も複数の連載を抱える人気四コマ漫画家重野なおきの作品。
元不良のエースピッチャーと女房役で苦労症のキャプテンを中心に巻き起こる騒動を描いたドタバタコメディ。
暴走するピッチャーとそれを抑えるキャッチャーってのは(女子)野球ものでもお約束だけど、今作はキャッチャーの方も暴走気味なので常にノリはハイテンション。
四コマなので気張らずに楽しく読めます。
連載の方は最近終了し、近日最終巻が発売予定。

美晴・ライジング 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)美晴・ライジング 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
大谷 じろう


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ソフトボール大好きっ娘の主人公・美晴が廃部寸前の実業団チームに新人として飛び込んでいく。
青年誌掲載なのでお色気的なシーンもあるけど、主人公がお天気娘なせいもあってそれほどえっちぃ印象は受けない。
ストーリーも絵柄も良くも悪くもライトなノリなので好みが分かれるところかも。
週刊ヤングサンデーで連載中だったけど、ヤンサン休刊の影響で中断。続きは増刊に掲載予定だけど、中断前の展開から次が最終回となりそうな感じ。
 
 
 
しかし、こうして並べてみると、びっくりするほどマイナーな作品ばかりで数も少ないですな。
下手すると卓球ものとかの方が数が多いんじゃないか? もちろん女子野球ものの方がはるかに多い。現実で女子野球がマイナーなのはソフトボールの影響も大きいけど、フィクションの世界では逆転してるんだなあ。
もちろん私が知らない名作が埋もれている可能性もあると思うんで、他にソフトボール作品(コミックに限らず)をご存知の方は是非教えてください。
今回の金メダルを機に新たなソフトボール作品が生まれることを期待しつつ。

2008年08月25日

nokotsudo BLOGは女子野球日本代表を応援します!

北京五輪の野球日本代表は残念な結果に終わっちゃいましたが、今度は24日から女子野球ワールドカップが愛媛で開催されています。
女子野球のワールドカップなんて存在自体知らない人が多いだろうけど、れっきとしたIBAF(国際野球連盟)主催の国際大会で、ユニフォームも五輪代表と同デザインだったりします(ちなみにWBCはIBAF主催でないため別ユニフォーム)。
ちょっと前に前大会のドキュメント『真っ直ぐ、前を――』を読んだり、長谷川晶一さんのBTのコラムやブログをずっと読んでいたこともあって、五輪の野球より楽しみにしてました。

必勝を期しながら準優勝に終わった前大会の屈辱を晴らすために、監督やスタッフ、代表の選手たちは綿密な準備と厳しい練習を重ねてきたそうです。
主催国ということもあり、決して負けられないというプレッシャーは相当なものだろうけど、代表の選手たちにはぜひ頑張ってほしいものです。

なお、女子野球ワールドカップの詳細については以下のサイトをご覧ください。

日本女子野球協会
日本女子野球協会の公式サイト。ワールドカップの大会要項などはこちらで。

情熱女子野球
同じく日本女子野球協会の公式ブログ。

☆わかさスタジアム☆
わかさスタジアムの掲示板。大会中は試合速報や結果が随時投稿される模様。

真っ直ぐ、前を――
『真っ直ぐ、前を――』の著者・長谷川晶一さんのブログ。今大会も現地で取材されているようです。

あと、以前も紹介しましたが↓もおススメです。

真っ直ぐ、前を―第二回女子野球ワールドカップ日本代表の十日間真っ直ぐ、前を―第二回女子野球ワールドカップ日本代表の十日間
長谷川 晶一


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2008年05月10日

『白球少女』第2巻発売!

今一番私が注目している女子野球作品(って他に無いんだけど)である『白球少女』の2巻が発売されましたよ。

白球少女 2 (Flex Comix)白球少女 2 (Flex Comix)
山崎 毅宜


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タイトルは“しらたましょうじょ”と読みます。“しらたま”でもこちらとは関係ありません。

今回一番の注目点は、帯の推薦文が「ゴー!ゴー!オーツカアキラ!」でお馴染み、マリーンズの大塚明選手だということでしょう!

野球はしてないけど…… お勧めです!

つーか、競馬やらマンガの原作やらやってないで野球やってください。
え、違う? 大塚のことじゃないの?

とまあ冗談はさておき、ホントに第1巻以上に野球やってません。野球やってない度では『わいるど☆ぴっち』並みです。
まあ野球漫画じゃなくて「野球漫画の皮を被った何か」らしいのでいいんですが。
2巻のメインは宿命の親子喧嘩なんだけど、アクションシーンの躍動感がすげーなー。なんでこれを野球シーンで描かないのか…。
何はともあれ今一番おススメできる女子野球作品(だから他に無いんだって)なので、未読の方は1巻も合わせて是非どうぞ。
また、Yahoo!コミックでは第1話と最新話が無料で読めるのでこちらもどぞ。

2008年04月17日

『真っ直ぐ、前を――』

コンビニで、今春創刊した野球雑誌『BT(ベースボール・タイムズ)』を立ち読みしていたら、『女子球児、世界へ~第3回女子野球W杯への道~』というコラムが掲載されていた。
今年8月に松山で行われる第3回女子野球ワールドカップに挑む日本代表チームの道程を追うドキュメントで、隔週連載となるらしい。
女子野球の世界大会が行われていることは知っていたけど、それが国際野球連盟(IBAF)公認のワールドカップと形を変えて回を重ね、しかも今年は日本で開催されるとは知らなかった。

筆者の長谷川晶一さんのブログ『真っ直ぐ、前を――』の存在を知ったのでこちらもチェック。
『今日も元気に女子野球!』という女子野球専門のカテゴリがあるのだけど、これが凄い。
日本代表チームについてはもちろん、高校野球やクラブチーム、ヴィーナスリーグなど女子野球に関する記事が満載。
競技人口の少ないマイナーな女子野球、興味はあってもなかなか得られる情報は限られているし、熱心にアンテナを貼っているわけでもない。そんな私にとって、記事で語られる女子野球の現状、そして女子選手たちの生き様は非常に興味深い。

ブログに感心したので、第2回女子野球ワールドカップを描いた長谷川さんの著書を購入。

真っ直ぐ、前を―第二回女子野球ワールドカップ日本代表の十日間 真っ直ぐ、前を―第二回女子野球ワールドカップ日本代表の十日間
長谷川 晶一


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私が知らないところで、女子野球選手たちがこんな熱い戦いを繰り広げていたなんて!
大会の経過自体も劇的な展開(例えば06年のワールドベースボールクラシックのように)なんだけど、それ以上に日本代表チームの選手たちが歩んできた野球人生がみなドラマチック。
そりゃあ日本で女性が野球をするのは並大抵の苦労じゃないだろうけど、まるで女子野球作品のヒロインのような野球人生を送ってきた選手ばかり。
また、体力面や環境面が取り上げられることの多い女子野球において、女性の精神面の弱さについても焦点が当てられているのはおもしろいところ。
この夏、世の野球ファンの関心のほとんどは北京に向かうんだろうけど、松山にも是非注目したいと思う。
 
 
 
私がなぜ女子野球に惹かれるのかは何故僕たちは野球少女に恋をするのかで語ったけど、その理由を再確認させられた。
白球を追う女性たちの輝きに、現実もフィクションも無いのだ。

2008年03月03日

CDドラマ『大正野球娘。』

昨年4月発売され、続刊が夏発売だったはずがいつの間にか発売予定すら無くなっていた小説『大正野球娘。』ですが、昨年末に突然CDドラマが発売されていました。

ドラマCD「大正野球娘。」 ドラマCD「大正野球娘。」
イメージ・アルバム 高橋美佳子 山本麻里安


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男子との試合に向け、日々野球の練習に勤しむ桜花会のお嬢さんたち。持久力が乏しいという欠点を補うために“ハイキング”にみんなで行くことに。
訪れた山で待ち受ける大騒動、ってな感じにならないのが『大正野球娘。』らしいっちゃらしいか。
原作のエピソードをアレンジしつつ、個々のキャラクターの魅力を描くことを主眼に置いた感じ。
ストーリー的な見所は小梅、巴、静の三角関係、とか言ってみる。原作では出番の少なかった静が大活躍。つーか、みんな小梅LOVEだよな、この作品。
女子野球もののCDドラマでは野球をしてはいけないことになっているので(例・ドキプリ、プリナイ)、当然野球シーンはありません。そもそも下級生二人が登場しないので9人揃ってないしね。

若手中心のキャスティングで半分も名前を知らなかったが、出演作を確認したら一応は聞き覚えのある声優ばかりで、聴いているうちになんとか声の区別もつくようになった。どーでもいーけど『らき☆すた』出演率高すぎ。
個人的にはお嬢を演ずる山本麻里安が好印象。山本麻里安は声が苦手で好きじゃなかったんだけど、初めていいと思ったよ。そういや、『Lovely Star』でもピッチャー役でしたな、山本麻里安。

正直、絶賛するほどおもしろいわけではないけども、原作のファンならば一聴の価値はあるかと。
CDドラマまで出したんだから、さすがに原作の続きを無かったことにはしないよね? 結構期待して待ってますんで。

2007年06月12日

悩惚堂本舗は(例によって)『白球少女』を応援します!

長谷川総統のブログの『マップスネクストシート』の広告画像に『白球少女』なるものを発見。
Web★ブラッドによると、『FlexComix ブラッド』の新連載らしい。作者は山崎毅宜。
以下抜粋。

天才野球少女、参上!? 前代未聞のスポーツコメディ!!
とある田舎町の高校に転校して来た少女・白石円(しらいし・つぶら)。ごく普通の女の子……を装っていた彼女は、天性の運動能力と野球センスを持ったスーパー野球少女だった!! しかし、彼女は野球が大嫌いで……!? 田舎町を舞台に展開される、ちょっぴりノスタルジックな痛快スポーツコメディ。
「野球するくらいなら死んでやる!!」

なかなか面白そうじゃないですか。野球嫌いの天才野球少女、って設定は女子野球ものだと珍しいなー。
連載スタートは6月29日より。とりあえず期待して待つとしますか。

んで、もうひとつ小ネタ。
他に何か情報が無いかと“白球少女”でググってみたら、なぜか東京都中学校演劇教育研究会のサイトがヒット。
何かと思ったら、2003年度の都大会にて『白球少女』というタイトルの作品が上演されたらしい。
気になるストーリーは、
峰神高校女子野球部が廃部!? このピンチを乗り越えるために、部員一同、一丸となって立ち上がる!……はずだったんですがネェ。
ってな感じ。
上演の写真も別ページで見られるんだけど…、なんで柔道着着てるの? 『ドカベン』の逆パターンか? どんな話かすっげー気になるぞ。
それにして、学校の部活の演劇で女子野球を題材にするなんて、最近の中学生はやるなあ。私の知らんところで、世間にじわじわと女子野球は浸透してるのかもね。

2007年04月20日

『大正野球娘。』

というわけで、新潟クオリティで発売日の1日遅れとなったものの、無事購入できました。

大正野球娘。大正野球娘。
神楽坂 淳


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タイトル通り、大正時代です。『はいからさん』です。『御神楽少女探偵団』です。
『紀元2600年のプレイボール』も思い出したけど、あれはもう昭和になってたか。
女を馬鹿にする男どもに一泡吹かせるべく野球をすることとなった名門女学校のお嬢さんたち。ところが、野球の経験どころか観たことさえなくて…。そんなお嬢さんたちの野球チームの前途やいかに、ってな話。

なんつーか、色とりどりのコンペートーみたいな感じ。
個性豊かなお嬢さんたちが、一致団結してひとつのことを成し遂げようとする、というのが心地よいなあ。
ちょっと『マリみて』っぽいけど、百合モノとしてもなかなか良いんじゃないかと。先日紹介した『Diamond9!』といい、最近は女子野球ものでも百合テイストが増していて良いね。
イラストの小池定路ってどっかで見た絵だと思ったら、『終末の過ごし方』や『フォークソング』の人か。本作でも独特の繊細なタッチで少女たちを描いてます。

各章のタイトルがいい感じ。「男子がすなるという、あれ。」とか「抱き合ったのではなく、抱きしめられたのです。」とか。台詞をそのままタイトルにしてるのだけど、他にも印象的な台詞が多い。
主人公が洋食屋の娘のせいか、食べ物の描写が事細かなのもポイント。オムライス食べたくなった。

“女子が男子に勝つ”という女子野球モノお馴染みのテーマ。これをいかに描くかってのが女子野球もののキモでもあるのだけど、まだまだ牧歌的だった時代の野球に金属バットやスパイクなど現代的な野球の道具や思考を持ち込むことによって男子に対抗するってところが中々おもしろい。
まあ、ピッチングマシンとか養成ギブスとかはやりすぎ感もあるし、(一部を除いて)ろくにスポーツをしたことの無いお嬢さんたちがちょっと特訓しただけで男子に勝てるのかってツッコミも可能だけど、それは野暮ってもんだろう。

ついでに女子野球的なウンチクを少々。
今作では女学生が野球をやるなんてとんでもないというのが多くの人々の反応で、それもまあ当然なんだろうけど、実はこの物語の8年前、大正6年には今治高等女学校に野球部が創設され、大正8年には初の女子野球大会が行われていたんですな。事実は小説よりも奇なのです。
もちろん、本場アメリカでは以前も話題にしたように、19世紀から女子のやる野球というものが存在していた。
未だメジャーとは言い難い女子野球だけど、歴史は古いのです。女子野球の歴史については日本女子野球協会もご覧下さい。

チームのメンバーが揃い、初めての練習試合で勝利した後で終わっているけど、夏ごろに続刊が予定されている模様。
今巻では結構トントン拍子といった感じで物語が進んでいったので、次巻では敗北、挫折そして復活みたいな話になるのかな。
とりあえず、続きを楽しみにさせてもらいましょう。

2007年03月31日

最後のウィンドミル ~十度目の春~

もう3日ほど過ぎちゃったけど…。

1997年3月28日にプレイステーション用ソフト『ドキドキプリティリーグ』が発売されて、ちょうど10年が経過した。
感慨深いというか何と言うか…。
このゲームと出会わなければ、いや、それ以前にゲーム発売の1年前、新聞のラジオ欄で“プリティリーグ 小野坂昌也”という記述を見つけなければ、私が女子野球に囚われることも無かったし、女子野球のサイトを立ち上げるなんてことも無かっただろう。下手するとこのサイト自体あっさり閉鎖していたかもしれない。
人生を変えた、なんて言うとちょっと大げさだけどね。

このタイミングを逃すともう書く機会もないだろうから書いてしまおう。
『ドキプリ』が発売された10年前から私が温め続けていたネタがある。
それは私が『ドキプリ』で一番好きなキャラクター、林恭子のお話。

『ドキプリ』と言えばゲーム本編よりラジオドラマの印象が強いという人が多く、私もその一人。
そのラジオドラマにおいて、恭子はもともとソフトボール部に所属していた。ところがソフトボール部は千晶と泉、たった二人の女子野球部との試合に敗れ、そのためにソフトボール部の部員は彼女を除いて全員辞めてしまう。
クラスメイトの滝沢馨から熱心に女子野球部入りを誘われていた恭子だったが、自分が辞めてしまうとソフトボール部は無くなってしまうということで悩んでいた(恭子が自身の葛藤を校長に話すシーンは、ラジオドラマの中でも屈指の名シーンだと思う)。

ところが、である。その数話後、なんの説明も無く唐突に恭子は女子野球部入りを果たしていた。
基本的に1話完結のラジオドラマ、脚本家の間での刷り合わせが上手くいってなかったのかもしれないし、シリーズの構成にコメディへの路線変更があったのかもしれない。
他にもツッコミどころの多いラジオドラマ、スルーしてもよかったのだろうが、私はどうにも納得できなかった。そしてきっと、ラジオドラマに語られていない、恭子が女子野球部に入るきっかけとなった出来事があったに違いないと考えた。
そんなわけで、私が妄想したストーリー『最後のウィンドミル』の概要が以下である。

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放課後の校舎裏、たった一人で練習する恭子。そこを訪れたのは従姉の柴田はつみ。はつみは一人で練習する恭子を揶揄しながらも彼女を気遣う。
練習を終え帰途に着く二人。そこで恭子は小学校時代の友人でライバルだった沢岸あゆみ(CV:こおろぎさとみ)と再会する。
あゆみの引っ越しのため別れることになった二人。二人の最後の試合が終わった後、いつかまた一緒に試合をすることを約束して恭子とあゆみは別れたのだった。
恭子との再会を喜び、あの日の約束を果たそうと言うあゆみ。しかし、たった一人しかいないソフトボール部では約束を果たすことができない。恭子はあいまいな返答しか返せず、そのままあゆみと別れてしまうのだった。

数日後、女子野球部の助っ人として練習試合に参加する恭子。
しかし、あゆみとのことを引きずったままの恭子は試合でミスを連発。試合も恭子のエラーで敗れてしまう。
試合後、恭子の気のないプレイを責める滝沢。滝沢の無神経な言葉に感情を爆発させた恭子はそのまま駆け去ってしまう。
恭子の態度に腹を立てた滝沢だったが、そこにはつみが現われる。彼女は恭子の苦悩と葛藤を語り、恭子の気持ちを分かろうとしなかった滝沢たちを激しく非難する。

さらに数日後。滝沢から霞ヶ浦高校のグラウンドに呼び出された恭子。
そこにはあゆみの高校のソフトボール部、そしてソフトボール部のユニフォームに身を包んだ女子野球部の面々がいた。
驚く恭子に滝沢から渡されたのは9枚の入部届。滝沢たちは恭子の苦悩を気付けなかったことを詫び、ソフトボール部のメンバーとして恭子が約束を果たす手助けをさせてほしいと頼む。
滝沢たちの友情に涙する恭子。そして自分がソフトボールと別れるきっかけを求めていたことに気付く。
そして、恭子はマウンドに上がる。友との約束を果たし、ソフトボールと決別するために。
恭子の“最後のウィンドミル”がマウンドに躍動する。
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……てな感じ。
この10年間、何度もちゃんとした形で文章にしようと思ったんだけどね。
正之さんの言葉を借りれば、私にもう少し恋の勇敢さがあれば、ってところかな。
ま、こうやって紛いなりにも形に残せたんだから、よしとしようか。

XINGがゲーム事業から撤退してから数年、もう『ドキプリ』が復活することはないかも知れない。でも…。

そんな すぐには あきらめること出来ないよ
もう 長すぎる夢から 醒めろと言うけど
あの星のキラメキは 絶対に 手に入れてみせる

なーんてね。『レッスル』だって復活したんだから、『ドキプリ』だって、ねえ?
あーいや、『ヴァリス』みたいになるのはカンベンな。
 
 
 
いつの日かきっと…

2007年03月27日

『Diamond9!』

以前紹介したすたじお いのPの同人誌『Diamond9!』が商業ベースで単行本化されました。

Diamond9!Diamond9!
いのうえ こうじ


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同人版の第1集~第5集に、加筆修正を加えて単行本化。
まとめて読み返すと、つくしって普通に変態だあ。女の子で良かったね。男だったらとっくに捕まってるぞ。
私が以前つっこんだ、“メジャーで活躍しているはずの松坂を知らないつくし”もちゃんとフォローされてますな。
あと、同人誌版第4集が出てからほんの数年しか立ってないのに、“中村紀洋を尊敬する女子中学生”って設定がすっかりアレになっちゃったのが何ともはや…。

意外と野球してない、てゆーか練習だけで一試合もしてませんが、作者さんが野球わかってる人なので安心して読めますな。濃い目の野球ネタも入ってるし。
ゆるめの萌え系4コマなので抱腹絶倒てな感じじゃないですが、オススメしておきます。少なくとも『 しらたま!』よりはずっとおもしろいはず。

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