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2009年07月30日

『めちゃんこ甲子園』&『夏草ホームベース』

久しぶりにヤフオクで商品を落札しました。
落札したのはコレ。↓

(出品者様の画像を拝借)
進藤博子・著『めちゃんこ甲子園』全2巻。なんと180円で落札。
マイナー作品揃いの女子野球ものでもトップクラスのマイナーっぷりかと思います。
だいぶ前に掲示板で教えてもらったのだけど、古本屋で見かける事も無く、半ば存在自体を疑ってました。
刊行は83年。集英社漫画文庫な辺りがさらに謎。掲載誌はリボンやマーガレットじゃ無かったってことだよな。
怪我で野球を諦めた兄に代わって甲子園を目指す女の子の話。転校し、男装してまで入部した野球部はなんとオカマの巣窟だった。
当時の少女漫画らしいギャグ漫画。正直あまり期待してなかったけど、なかなか楽しめました。

これからは今まで古本屋を巡っても手に入らなかった作品もヤフオクで揃えて行きたいと思ってます。
今狙ってるのは『キラリが捕るっ!』と『株式会社徳川家康』辺り。
あとは『プリンセスナイン』のDVDだな。北米版、欧州版なら安く揃えられるんだけど、国内版に付属してる原作小説が読みたいんだよねー。全巻セットで1万5000円くらいで出品してくれる人はいないものか。

もうひとつ女子野球ネタ。
『大正野球娘。』のアニメが始まり、私も2chのアニメスレに常駐してたりするのだけど、そこで未知の女子野球コミックを発見!
小学館のwebコミックサイトクラブサンデーに連載している『夏草ホームベース』という作品。
現在、2話以外は読むことが可能。話のテンポもいいし、絵も可愛いし、なかなか良い感じ。
野球少女の操ちゃんもいいけど、ツンデレ幼馴染の泉さんがお約束的キャラながらかわいい。
作者の平手将之さんのブログ、Private Kingdom(仮)では操ちゃんの大きな画像も見られます。
現在6話なのでそろそろ単行本が出るかも。……クラブサンデー掲載のコミックってちゃんと単行本出るのかな?

2009年07月23日

完璧女子野球超人

WikipediaにCategory:女子野球選手なんてページがあったので見てたら、ヘレン・スティーヴンスという選手を発見。
この人がすごい。ベルリンオリンピックで100メートル走と400メートルリレーで金メダル獲得。砲丸投げや円盤投げでも国内タイトルを獲得。
オリンピック後は陸上を引退してプロ野球やソフトボールで活躍し、バスケットボールのセミプロチームのオーナー兼監督兼選手としても活躍した。

って、どんな完璧超人だよ。水島御大でもそんな無茶な設定にしないぞ。
プロ野球というと全米女子プロ野球リーグ(AAGPBL)なんだろうけど、AAGPBLの運営時期とバスケをやってる時期がもろ被りなので、プロ野球選手とバスケットボールチームのオーナー兼監督兼選手の2足のわらじどころか4足のわらじを履いていたのか? 凄すぎる。

ちょっとググってみたけど、Wikipedia以外の情報が見つからず。詳しい情報をご存じの方がいたら教えて下さいな。

2009年07月01日

新潟で女子野球の交流練習会開催!

去る6月28日日曜日、新潟で女子野球のイベントがありました。
…私がそんな風に書くと、女子野球オンリー同人誌即売会でもあったのかと思われそうですが、そんなニッチなイベントは東京でも多分行われません(『大正野球娘。』が『けいおん!』並にヒットすれば別でしょうが)。

何が行われたかというと、BBガールズ普及委員会による「女子野球見学会&BBG交流合同練習会」、埼玉栄高校女子野球部と埼玉のクラブチーム「侍」のエキシビジョンマッチと、県内の小中学生の女子選手との合同練習会です。
何と県内から集まったBBガールズは60人! 新潟にもそんなにたくさんの野球少女がいるんだなあ。
イベントの模様はBBガールズ普及委員会のサイトが詳しいです。

私も行われること事態は知ってたんだけど、すっかり忘れていました。
日本代表の選手もいる埼玉栄高と侍の試合は、観てみたかったなー。
まあ、女子小学生目当てのロリコンと間違われる可能性もあるので行かなくて良かったかもしれませんが。
NSTのローカルニュースでも取り上げられたようで、それだけでも見たかったです。

この新潟に、たくさんの野球少女がいて、そんな少女達を熱意を持って応援する方々がいるということは、新潟に住む人間として嬉しく思います。
野球が大好きな少女たちの夢を実現するため、BBガールズ普及委員会の皆さんにはがんばってほしいものです。

2009年06月27日

めがきゅーうぃき、復活

昨年のロリポップのサーバすっ飛ばし事件で消失したままだっためがきゅーうぃきを1年ぶりに復活させました。
ホントは復活する時はいろいろ改善してアップするつもりだったのだけど、そんなことを言っていたら悩惚堂本舗20周年記念、とかになりそうなので消失前とほぼ同じ状態で再アップ。
バックアップできなかった部分の修正はおいおいやってきます。
なんかAmazonプラグインが使えなくなってて1時間ほどいろいろ調べてみたけどギブアップ。便利だったんだがなあ。代替手段も考えねば…。
とりあえず『大正野球娘。』のページはアニメ放送開始前に作っとかないと…。

ついでに女神たちの球宴のトップページに動画を表示するようにしました。
何年か前にWindowsムービーメーカーの実習でつくったやつで、手近な素材ででっち上げたやっつけ仕事なんですが、HDDの肥やしにしておくのもなんなので。
『ひと夏の少女』の画像が2回出てくるのはミスなんですが、すでに元データも素材も無くなってしまったので修正できません。『クロスゲーム』や『大正野球娘。』も加えた完全版をいつかつくりたいなあ。

2009年06月25日

『大正野球娘。』いろいろ。

さてさて、アニメの放送開始も間近な『大正野球娘。』ですが、立て続けに新刊が出たのでにょろっと触れておきましょう。

帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。〈3〉 (トクマ・ノベルズEdge)帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。〈3〉 (トクマ・ノベルズEdge)
神楽坂 淳


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2巻で完結と思われていた原作小説に、まさかの新作が登場!
男子との野球対決から数ヵ月後、桜花会のお嬢さんたちはひょんなことから関西のライバル校と屋台対決を行うことに。
金属バットやスパイクといった未来の技術で男子に対抗するのが『大正野球娘。』の特色だったけれど、今回は昭和初期に生まれたはずのたこ焼きで勝負するところがポイント。
たこ焼きを含めて、相変わらず料理の描写が多い。すず川のオムライス、食べたいなあ。
乃枝と巴による小梅争奪戦も見所。みんな小梅大好きだよなー、この作品。
ライバル3人娘と新聞部の後輩(アニメ版のオリジナルキャラとはまた別人)は、活躍してたとは言い難い。次刊以降に期待か。
そう、番外編的エピソードかと思ったら、なんと続くらしいです。しかも次は野球対決みたいですよ?
期待せざるを得ないけど、前巻も今巻も発売が延びてたので、続きは先になりそう。アニメ放送中は無理だろーなー。

大正野球娘。 2 (リュウコミックス)大正野球娘。 2 (リュウコミックス)
伊藤 伸平


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伊藤伸平さんによるコミック版の2巻も原作とほぼ同時に発売されました。
このコミック版、マンガとしては非常に面白いです。原作とは全然ノリは違うけど、ギャグも切れてるし、キャラクターも生き生きしている。乃枝や雪は原作以上にはっちゃけてるし、雪と環のオリジナルエピソードもいい感じ。
ただ一番の問題は、絵が致命的に萌えないところなんだよなー。
そもそも、『大正野球娘。』ってぶっちゃけキャラ萌えの作品じゃん。絵が微妙で話がおもしろいより、話は微妙でも絵が萌える、って方が求められてると思うんだけど…。
まあ、おもしろいから俺的にはこれでオッケーなんだけど、古臭い絵柄と敬遠する人もいるかも。絵だけで判断するのは勿体ない作品かと思います。
コミックだけ読んでアニメを観ると、ノリの違いに驚くかもなー。

女子野球、続々TVアニメ化 ブーム再来なるか - MSN産経ニュース

こんな記事も出てました。Yahoo!のトップニュース入りまでしててビックリ。
いっそのこと伝説になるくらいダメなアニメになったりしたらおもしろいけど、なんか絵も話もふつーで論評しにくい作品になりそうな予感も…。
いや一応期待してますよ? 新潟ではやりそうにないので動画共有サイト頼みDVD待ちになっちゃいますが。

アニメに連動してwebラジオなども始まってますが、なんとPSPでゲーム化も決まってるらしいです。
5pb.から2009年秋発売予定で、タイトルは『大正野球娘。 乙女達乃青春日記』。このタイトルは『ドキプリ』へのリスペクトということで宜しいですね?
育成シミュレーションとかには、絶対ならないだろーなー。

2009年05月17日

『高校球児ザワさん』第1巻発売!

復活はいつも女子野球! つーわけで久々に更新のネタは、例によって女子野球ネタです。

高校球児 ザワさん 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)高校球児 ザワさん 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
三島 衛里子


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『ビッグコミックスピリッツ』に連載中の女子野球コミック『高校球児ザワさん』の第1巻が発売されました。
exciteニュースでフェチすぎる野球マンガ『ザワさん』に夢中として紹介されるなど一部で話題を呼んでいたようで、私も密かに注目していました。

主人公の都澤理紗、通称ザワさんは野球部唯一の女子部員。
とはいえ、女子野球のお約束的な試合に出れないけど夢のために頑張るとか、性別を偽ってとか、監督や部員の反発に合って孤立、とかは無く、ザワさんの何気ない日常を描いています。

ザワさんの魅力を一言で言い表すと「隙だらけなところ」でしょう。
ザワさんは天然というか、ボーっとしているというか、ちょっと抜けてるところのある子なんだけど、なんだかほっとけないというか目が離せないんだよね。
「胸や尻じゃなくて、思わず手を握りたくなる」という第13話に登場したハゲの課長さんの気持ち、よく分かるなあ。

野球シーンの描写は意外と少ないんだけど、甲子園出場校の練習にしっかり付いていけて、格下相手の練習試合とはいえ1年生で登板させてもらえるんだから、ザワさんの選手としての実力はかなりのものと思われます。
右投げ左打ちの投手ってのもポイント高い。バッティングフォームもいい。
グラウンドで見せる、普段と違ってキリっとしたザワさんの表情がまたいいんだ。

あと、梶本君をはじめ、クラスメートの男子部員たちもいい味を出してます。
一緒につるんでるし、色々言い合える仲間なんだけど、やっぱり男子と女子、そんな微妙な距離感の描き方が上手い。

1回のページ数が少ないとはいえ週刊連載だし、第2巻もそれほど待たずに済みそう。
こういう作品が出るなんて、時代は変わったなあとしみじみ思います。



ついでに紹介。『ザワさん』と違って熱い女子野球ものの名作『剛球少女』がコンビニコミックで販売されてます。

剛球少女(1) 女子野球部員誕生!!編 (マンサンQコミックス)剛球少女(1) 女子野球部員誕生!!編 (マンサンQコミックス)
千葉 きよかず


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表紙は多分書き下ろしで全4巻になる模様。
マンサンQコミックを置いているコンビニは少ないけど、未読の方はこの機会に一読をお勧めします。
表紙にナックル娘、とか書かれてるのはなんだかなーって感じですが。

2008年12月17日

関西独立リーグに女子選手誕生!

例によって更新をさぼってたら今年も2週間切ってしまいましたな。
今年の事は今年中に書かないとさすがにまずいだろ、ってことでぼちぼち更新再開します。

そんなわけで、触れるのが遅くなっちゃいましたが、やっぱりこの事について俺が語らんわけにはいけないですな。

16歳女子高生プロ野球選手が誕生!…吉田えりさん「平成の水原勇気」だ:その他:野球:スポーツ報知大阪版
「ドリームボール」夢つかむ…女子初のプロ野球選手 : 一般スポーツ : スポーツ : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
史上初女性プロ野球選手は16歳女子高生! (1/3ページ) - 社会 - SANSPO.COM
リアル水原勇気誕生!? にネットで野球ファン騒然 - Ameba News [アメーバニュース]
【トレンド】実力か話題づくりか? 史上初の女子プロ野球選手が誕生!(nikkei TRENDYnet) - Yahoo!ニュース

吉田さんのニュースが報じられた直後、職場で女子野球好きの上司Mさんに握手されました。「ついに我々が待ち望んできた時が来た!」と。つーかどんな会社だ。
まあ、NPBでない独立リーグの選手をプロ野球選手と言うのは語弊があるかもしれんけど、試合をして報酬を得ているんだから立派に“プロ”の野球選手だろう。
日本で初の女子プロ野球選手、と書いている記事があるけど、それは間違い。戦後直後に女子プロ野球が存在しましたので。

それにしても、吉田さんが「サイドスローでナックルボーラーで女子高生」と最初に知った時には萌え要素詰め込みすぎじゃね? と思いました。「メイド・猫耳・妹」みたいな。
これでサウスポーだとか父親が(八百長で球界を追われた)元プロ野球選手なんていう設定(設定言うな!)だったら、私を騙すための壮大なドッキリだと思ったことでしょう。
大体、ウェイクフィールド(ボストンレッドソックスに所属する現役世界最高のナックルボーラー)に憧れる女子高生とかフィクションでもいないから。
女子野球選手でナックルボーラーといえば『剛球少女』の麻生遥が思い出されるけど、サイドスローということもあってやはり『野球狂の詩』の水原勇気のイメージかな。そういや、テレビのインタビューで水島御大も大喜びしてました。でも、BCリーグに入らなかったことを残念がってるかもね。

冷静に突っ込みを入れれば、独立リーグとはいえ現役女子高生が男子相手に通用するかといえば正直疑問符がつく。
新しく発足する関西独立リーグの話題作りとして選ばれたという面は否定できない。
また、女子が男子に交じってプレイすることについて、女子野球の現実を良く知る方々が、以下の記事のような見解を持っていることも知っておくべきだろう。
情熱女子野球 | 男子の中でプレーする…と言うコト。
真っ直ぐ、前を――:男子の中で、女子がプレーをするということ - livedoor Blog(ブログ)
ただ、例え客寄せパンダとしての指名だったとしても、男子相手に全然通用しなかったとしても、吉田選手の挑戦には価値があると思う。
それは、野球をやりたい、続けたいけど、進む道が無いために諦めなくちゃいけない、そんな少女達に希望を与えるから。
女性でもプロ野球選手になれる、女性でもプロの世界で頑張ろうとする選手がいるという事実は、ひいては女子野球の普及と発展にもつながっていくと思う。

男子に交じってプレイする、しかも学業と両立させていくのは大変だろうけど、吉田選手にはぜひ頑張ってほしいものです。
女子野球ワールドカップの日本優勝といい、今回の吉田選手の事といい、今年は女子野球の歴史にとって大きな年になった気がします。



剛球少女 1 (1) (マンサンコミックス)剛球少女 1 (1) (マンサンコミックス)
千葉 きよかず


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今回のニュースを聞いた後に久々に読み返しました。
女子が男子に交じって野球をやる是非、野球だけ男子に交じって女子がプレイする理由についても語られてます。名作なので、未読の方は是非一読を。

2008年10月13日

ジャンクSPORTS 「秋のなでしこSP」

フジテレビ系のスポーツバラエティ番組『ジャンクSPORTS「秋のなでしこSP」』に女子野球日本代表の片岡安祐美選手と高島知美選手が出演するということで観た。
出演者が多かったこともあり出番は少なく、ワールドカップの話もほとんど聞けなかったけど、試合の映像も流れたし、まあよしとしよう。

それより興味深かったのは、プロゴルファーの古閑美保選手がかつて野球少女だったこと。
小学生当時の映像も流されました(よくあったなーそんなの)。


「なんで美保ちゃんは女なのに野球なんかすると?」と言われたけん「好きだからたい」て言って
ユニフォーム着てグランド立ったら自分も男と思ってます

方言丸出しの野球少女ってかなりポイント高いなー。
また、柔道の薪谷翠選手も野球をやっていてクロマティに憧れていたそうだ。
ただ、古閑選手も薪谷選手も野球を続けることなくそれぞれの道に進んだというのが、女子野球の現実なわけで。
もし女子野球がもっとメジャーな競技だったら、今頃、古閑選手や薪谷選手も女子野球の日本代表としてジャンクSPORTSに出てたかもしれないなー。



あとググってたらなかなか良い記事を見つけたので紹介。
女子野球W杯、日本初Vに思う=水津聡子(大阪運動部) / まいまいクラブ - 記者の目

2008年09月30日

『千秋しまってこー!!』完結

以前も何度か紹介したソフトボール四コママンガ『千秋しまってこー!!』の最終巻が発売されました。

千秋しまってこー!! 3 (バンブー・コミックス)千秋しまってこー!! 3 (バンブー・コミックス)
重野 なおき


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第2巻のラストで登場した最強のライバル・桐生静。打倒・桐生のために燃える千秋と桜井高校ソフトボール部。
新入部員を加え、物語は夏の大会へ。次々と現れるライバルたちとの戦い。友情。恋。そして、ついに迎える桐生静との対決の行方は…!
こうやって書くとスポ根ストーリーマンガみたいだけど、熱いスポ根ドラマを4コママンガで描くってのが凄い。4コマごとに落ちをつけて、しかもしっかり笑わせるってのは並大抵のことじゃない。
1,2巻もおもしろかったけど普通の4コママンガって感じだったんだけど、3巻は非常に良かった。1,2巻ではそんなに大笑いすることは無かったんだけど、今回は何度も爆笑させられた。熱いスポ根ドラマと笑いのギャップが楽し過ぎ。
燃えて笑えるスポ根4コマ。おススメです。

2016年のオリンピックで千秋たちが金メダルを獲ってくれることを願いつつ…。

2008年09月09日

『大正野球娘。 ~土と埃にまみれます~』

例によって遅ればせながら、『大正野球娘。 ~土と埃にまみれます~』の感想をば。

大正野球娘。―土と埃にまみれます (TOKUMA NOVELS Edge)大正野球娘。―土と埃にまみれます (TOKUMA NOVELS Edge)
神楽坂 淳


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前巻の感想はこちら
CDドラマの感想はこちら

前巻の発売は昨年の3月。夏に続刊予定だったはずが気がつけば徳間の新刊予定からも無くなってました。昨年末CDドラマが発売されたのでそのうち続きは出るだろうと思っていたけれど、本来の予定より1年遅れてようやく発売。
何はともあれ、続きがちゃんと発売されただけでも喜ばしい。

前巻での様々な特訓を経て、ついに乙女の意地を賭けた男子との試合が開始。
前作から予想するにそれほど試合シーンは多くならないかと思っていたけど、かなりの部分を試合の描写に割かれていたのは意外と言えば意外。
体力では圧倒的に男子に劣る少女達が、金属バットやスパイクなど当時存在しなかった道具に加えて、指揮官・乃枝の発案によるドラッグバントや外野シフト、お嬢の投げる魔球・へろへろ球(無回転系の変化球)などやはり当時は誰も知らなかったであろう戦術・技術を駆使することによって男子と互角の戦いを繰り広げていく。

前巻同様、タイムマシン的方法で男子に勝とうとする発想は良いのだけど、純粋に野球ものとしてみるとやっぱり甘いか。これが一色銀河さん辺りならばマニアを唸らせる奇策でもっと勝負するだろう。結果、男子と互角に戦うために巴の超人っぷりに頼らざるを得なくなっている。
ただまあ、『若草野球部狂想曲』の光児や亜紀みたいなキャラはどう考えてもこの作品に出番は無いだろうし、あまり本格的な野球描写は作品の雰囲気に合わないので、これくらいの塩梅がいいのかもしれない。
巴が目隠しをして打席に立つのはさすがに無茶だと思う人も多いだろうけど、あれは五味康祐の『一刀斎は背番号6』のオマージュだと思うのだが、どうか?
まったくの余談だけど、私が『一刀斎は背番号6』を読んだことが無いのに内容を知っているのは、女子野球小説の名作『赤毛のサウスポー』の解説からだったりします。なんという女子野球つながり。

個性豊かな大正時代のお嬢さん達がやはり今作の魅力。
小梅とお嬢のバッテリーの絆は百合好きならずとも気持ち良い。試合前日の二人のベッドシーンは今作屈指の名場面だと思います。
メインヒロインで親友同士の小梅とお嬢の両方に許嫁がいて、それぞれがお互いの許嫁との関係を築いていく物語でもあるというのも興味深いところ。

メインキャラ以外でもっとも活躍していたのは乃枝。試合の作戦面での活躍はもちろん、男子とのランデヴーで見せる普段とのギャップが可愛い。
雪のぱやぱやした熱血ぶりや静のシスコン&ツンデレなど、他のキャラクターも見せ場自体は少ないながらそれぞれに魅力を発揮してます。
また、敵役たる男子にもなかなか良い少年たちが揃っています。作中のイラストに出ていた男性キャラは小梅の許嫁の三郎だけだけど、イラスト担当の小池定路さんのブログには他の男子キャラや小梅の両親などのデザインが公開されているのでご覧ください。→小池定路の覚え書き | 大正野球少年ズ

前巻同様、心地よい読後感を与えてくれる良作だと思います。
またひとつお気に入りの女子野球作品が増えました。



あと、やっぱりこれは触れておかないとなあ…。
月刊COMICリュウでのコミック連載に続いて、なんとTVアニメ化が決定!
CDドラマでも十分ビックリだったんだけど、まさかTVアニメ化とは予想だにしませんでした。
……いや、俺が言うのもなんだけど、アニメ化するほどの作品じゃないだろ、どう考えても。徳間の社長は女子野球好きとかなのか、もしかして?
何はともあれ、『プリンセスナイン』から数えて10年ぶりの女子野球もののアニメ化、注目せざるを得ません。今から不安と期待でわくわくして待ってます。

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