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2013年01月14日

平成二十三年の野球娘。

以下は大正野球娘。合同誌第二弾「櫻花球宴」 に寄稿した私の作品です。
頒布から2年が経過したこともあり、せっかくなので全文公開しちゃいたいと思います。

なお、以前にあとがき的なものも書いたので、読後にそちらも合わせてご覧いただければ幸い。
『平成二十三年の野球娘。』あとがき的なもの: nokotsudo BLOG

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右手に握ったバットを垂直に立て、右腕を水平に伸ばしてマウンドの上の投手を見つめる。
打席に立った時、私が必ず行う動作だ。
私が立っているのは京都わかさスタジアムのバッターボックス。マウンドには女子球界のエースと称される右腕が立っている。
相手投手はその評価に恥じぬ好投で、チームの得点は相手のエラーから取った一点のみ。相手チームに大量のリードを許していた。
試合はすでに最終回ツーアウト。私が出塁できなければ最後の打者になる。このまま負けるにしてもなんとか一矢報いたいところだ。
私の前の二打席は見逃しの三振とキャッチャーフライ。どちらもストレートで打ち取られた。この打席もすでにワンボールツーストライクと追い込まれている。
一球外してくるか、それとも勝負に来るか。
決め球はストレートか、それとも変化球か。
今日の相手投手のストレートは走っているし、前の二打席ともストレートで打ち取ったことは相手バッテリーも分かっているだろう。裏をかいて今度は変化球勝負ということも考えられる。
頭にさまざまなことが駆け巡るが、判断がつかなかった。
考えがまとまらないまま向かったのが悪かったのか、中途半端に出したバットは外角のボール気味の変化球をひっかけてしまい、打球はぼてぼてとショートに転がっていった。
遊撃手が簡単にボールを取り一塁に送球。スリーアウト。
結局今日の私は三打数ノーヒット。試合も7対1で私たちの完敗だった。

私の名前は草薙綾梅(あやめ)。
設立されて二年目の女子プロ野球リーグに今年から加入したルーキーだ。
ここ京都わかさスタジアムを本拠地とする京都アストドリームスに所属している。
私はニ歳年上の兄の影響もあって小さな頃から野球が大好きな子だった。小・中は男子に混じってリトルとシニアに所属してたし、高校も実家から離れて女子硬式野球部のある学校に入学したくらいだ。
そんな私が高校二年生のとき、女子プロ野球リーグが設立された。高校卒業後も野球を続けたいと思っていた私にとって願っても無いことだった。
二年目の今年はそれほど多くの選手が獲得されたわけじゃないけど、私はトライアウトに見事合格し、晴れてプロ野球選手となることができた。
高校の頃はこれでも女子野球の名門校で四番キャプテンを務めていた私、守備は先輩たちと比べればまだまだだけど打撃には自信があった。
新監督は男子のプロ野球で監督を務めたことのある元プロ野球選手で、打撃を重視していることもあり、私はルーキーながらオープン戦から積極的に起用された。
オープン戦でそれなりの成績を残し、開幕戦でもスタメンの座を勝ち取った私だったけど、さすがにプロは甘くなかったのか開幕以後は打率も低空飛行。スタメンを外されることも多くなった。
開幕から三ヶ月、久しぶりにスタメンで起用された今日の試合でもノーヒットと結果を残せず、打率もとうとう二割を切ってしまった。
打率とともに自信も気分もどん底というのが今の私の状況だった。

女子プロ野球リーグでは試合後、選手たちが観客と一緒にスタンドのゴミ拾いを行っている。
直接ファンと触れ合うこともできるし、選手をより身近に感じてもらえるのはいいと思うんだけど、こういう日はやっぱり気が重い。
「がんばってくださいね」
「応援してます」
そんな風に声をかけてくれるファンの人たちに、なるべく沈んだ気持ちを見せないよう笑顔で応える。
応援してくれるファンの存在は嬉しいけど、試合に負けて活躍もできなかったときにはちょっと辛いものがあるなあ。まあ、男子のプロ野球のように野次を飛ばされるよりはずっとマシなんだろうけれど。
「すみません。草薙綾梅さん?」
そんなことを考えていた私に声をかけてくる人がいた。
眼鏡をかけた女の人。年の頃は二十代後半くらいだろうか。いかにも仕事のできるお姉さん、といった感じの美人だ。
「私、こういうものなんだけど」
そう言いつつ名刺を渡してくる。
「秋川桐子(とうこ)さん……。新聞記者の方ですか」
「ええ、そうよ。えーと、綾梅さんって呼んでいい?」
「ええ、いいですよ」
「ありがとう、私も桐子でいいから。この後少しお時間いいかしら。チームの許可はもう取ってあるから」
「というと、取材ですか?」
「うーん、取材も是非お願いしたいところなんだけど、今日はちょっと違うのよね。実はあなたに会ってほしい人がいるの」
「会ってほしい人? 誰ですか?」
「それは会ってのお楽しみ、かな。そんなに時間取らせるわけじゃないのでお願い、ね?」
そう言って手を合わせる桐子さん。
私に会わせたい人というのが誰なのかは気になったけど、球団の許可も取っているのであれば特に断る理由は無い。
了承の旨を伝えると、待ち合わせの時間と場所を告げて桐子さんは去って行った。
それじゃあ、さっさと掃除を片付けますか。

「おーいこっちよ」
球場の近くの待ち合わせの場所に行くと、桐子さんが手を振っていた。
そこには桐子さんの他にもう一人いた。
車いすに座った上品そうなおばあさん。お年寄りの年齢ってよくわからないけど、私のおばあちゃんよりはずっと年上なんじゃないだろうか。
「あなたに会わせたい人というのはこちら」
「はじめまして。桐子の祖母の鏡子と言います。ごめんなさいね。急にお呼び立てして」
そう言っておばあさんはほほ笑んだ。笑うとチャーミングで、若い頃はさぞ可愛らしかったのだろうと思った。
「実はあなたにお会いして直接差し上げたいものがあったのよ。そのために孫の桐子に無理を言ってあなたを呼んでもらったの」
その言葉を受けて、桐子さんは担いでいた大きめのカバンから布に包まれた棒状のものを取り出し、鏡子さんに渡した。
「どうぞ。受け取ってもらえるかしら」
「はあ」
よくわからないまま鏡子さんからそれを受け取る私。
丁寧に巻かれた白い布を取ると、中からは木製バットが出てきた。かなり古いもののようで黒ずんでいる。前に野球博物館に行った時に見た昔のバットがこんな感じだったかもしれない。
メーカーのラベルなんかは無かったけれど、よく見ると文字が書かれており、

こてつ 東邦星華 櫻花會

と読めた。
東邦星華は確か東京のお嬢様学校だったと思うけど、櫻花會って何だろう。あと、こてつって、人の名前?
「このバットは……?」
「そのバットはね、私があなたのひいおばあ様からいただいたものなの」
ひいおばあちゃん?
四人いる私のひいおばあちゃんのうち、三人は私が生まれる前に亡くなっていて詳しくは知らない。私に関係がありそうな人となると……。
「ひいばあちゃ、巴おばあちゃんですか?」
私のお母さんのお父さんの、そのまたお母さんにあたる巴おばあちゃん。私がまだ小さい頃に亡くなったけど、生前は何度も遊びに行ったことがある。
私の綾梅という名前の名付け親になってくれたのも巴おばあちゃんだと聞いている。私も“ひいばあちゃん”と呼んで懐いていた。
「ええ、巴さんよ。巴さんは女学校で私の一年先輩だったの」
ひいばあちゃんが亡くなった時は八十歳を優に過ぎてたはずだから……、同世代ということは鏡子さん、もう百歳近いんじゃないだろうか。
「巴さんはとても綺麗な人でね。私たち寮に住んでいた下級生の憧れの人だったのよ。そのバットは、私が家の都合で海外に行かなくてはいけなくなったときに、巴さんが私にくださったものなの」
「そうだったんですか。でも、どうしてバットを」
女学生とバットは縁遠いものに思えるけど。
「私と巴さんはね、一緒に野球をやっていたの」
女学校で、野球?
「あれは私が女学校に入学した年だから、大正の終わり頃ね……」
そう前置きして鏡子さんは語り出した。
大正野球娘たちの物語を――。

ひいばあちゃんのクラスメートが許婚を見返すために野球を始めることを決意したこと。
一緒に野球をする仲間を集めて、桜花会という会を作ったこと。
最初はみんな野球のルールもろくに知らなかったけれど、みんなで様々な特訓をしたり合宿をしたりと練習を重ねたこと。
年上の男子と試合し、敗れはしたけど精一杯戦ったこと。

そんなお話を大切な宝物を数えるかのように鏡子さんは話してくれた。
「すごい話よね。小説にしたら二冊、コミックなら五冊、アニメなら十二話くらいになりそうよね」
と、桐子さんが妙な感心の仕方をしてるけど、すごい話だというのは同感だった。
最近は女子野球の認知度は上がってきたとはいえ、それでも「女が野球なんか」と思っている人はまだまだ多い。
現在でさえそうなんだから、大正時代、男尊女卑が今よりずっとすごかった時代に男子と野球をやるなんて、お転婆とかそんなレベルじゃなかったんじゃなかろうか。
私も少しは女子野球の歴史は知っているので、日本で初めての女子野球は大正時代の女学校で行われた、なんて話は聞いたことがあった。
でもそれは歴史の教科書に載っていた大正デモクラシーや米騒動なんかと同じで、全然実感の湧かない遠い昔のお話だった。
それが、自分のひいおばあちゃんが野球をやっていて、そのチームメイトだったという人が目の前にいるのはなんだかとっても不思議な感じだった。
「そのバットはね、男子との試合で巴さんがホームランを打ったバットなの。あれから何十年……。あの戦争のときも、戦後の大変なときもずっと私と一緒だったわ。私にとっては御守りみたいなものだったのよ」
「えっ、そんな大切なもの、いただいていいんですか?」
「いいの。私は十分守ってもらったわ。巴さんのひ孫のあなたにこうして出会えたのも巴さんのお導きだと思うの。是非もらってちょうだい」
そこまで言われて断るのも申し訳ない気がした。
それに大好きだったひいばあちゃんの形見みたいなものだ。私だって手元に置けるものなら置いておきたい。
「それじゃあ、いただきますね」
「その代わりと言ってはなんだけど……」
鏡子さんはいたずらっぽい笑顔になった。
「綾梅さん。お願いがあるのだけど、うんと言ってくださらないかしら」
「え? 最初に内容を言うものじゃないですか?」
反射的にそう答えてしまう。
「最初にうんと言ってくださらなくてはいけないわ。……なんて、うふふ、冗談よ。お願いというのはね、ここでそのバットを振ってみてくれないかしら」
「え、ええ、それくらいお安い御用ですけど。」
数歩下がって二人にバットが届かない位置に移動する。
こてつ、と刻まれたバットを右手で握り、腕を水平に前に伸ばしていつもの構えを取る。
すると、すうっと私の脳裏にすっかり忘れていた昔の光景が浮かびあがってきた。

あれは私が四歳くらいの頃。ひいばあちゃんの家に遊びに行った時のことだ。
ゴムボールとプラスチックのバットでお兄ちゃんと野球のまねごとに興じていた。
ひいばあちゃんは縁側からその様子を穏やかな表情で眺めていた。
お兄ちゃんがピッチャー役で私がバッター役。
お兄ちゃんは手加減すること無く思いっきりボールを投げるのでいくら私がバットを振っても全然ボールに当たらなかった。
なんとかボールに当てようと、バントみたいな形でバットを持ってへっぴり腰でボールに当てに行こうとしたとき、それまでにこにこと眺めているだけのひいばあちゃんから声がかかった。
「綾梅ちゃん。バットは思いっきり振らないとだめよ」
「えー、でも当たらないよぉ」
「当たらなくてもいいのよ。バットというのはね、迷ったり、中途半端な気持ちで振るのが一番だめなのよ。一振り一振り、気持ちを込めて振らないと。空振りしたらどうしようとか結果は考えないの。空の彼方に吸い込まれていく白球のイメジだけを描いて、勇気を持って振り抜くのよ」
ひいばあちゃんの言うことは当時の私にはちょっと難しかったけど、バットは思いっきり振らなくちゃいけない、ってことだけはわかった。
ひいばあちゃんの言う通り、空振りすることとか考えない。
プラスチックのバットに気持ちを込めて思いっきり振り抜く。
何度かフルスイングを繰り返しているうちについにバットがボールを捕らえた。
ぽーん!
空の彼方、とまではいかなかったけど、ボールはお兄ちゃんの頭を大きく越えて飛んで行った。
「やったー!」
「ね、気持ちいいでしょ。今の気持ちを忘れちゃだめよ。女は度胸、野球も度胸なんだから」
「はーい!」
ひいばあちゃんの言葉に私も笑顔でうなずいた。

ひいばあちゃんのバットが、私の胸の奥に埋もれていた思い出を甦らせてくれたんだろうか。
そんな出来事はすっかり忘れていたけど、ひいばあちゃんの教えはずっと私の中に生きていた。
子供の頃からずっと、バットを振る時は結果を気にせず、失敗を恐れず、無心に振っていた。
それがプロに入って、自分の未熟さや周囲の期待がプレッシャーになり、一番大事なことを忘れていた気がする。

うん、そうだったね、ひいばあちゃん。
バットを振る時は迷ったり、いろいろ考えたりしちゃダメ。
女は度胸、野球も度胸だ。

大きく深呼吸すると、もう一度腕を伸ばしバットを構え、バッティングフォームに入る。
ぶるんっ!
振り抜くと、バットがまるで白刃のように空気を切り裂く。
そうだ。この感じだ。
忘れかけていた感覚を取り戻すように、何度も何度もバットを振り抜く。
振るたびにバットから力が身体に流れ込むかのような錯覚さえ覚えた。
バットを振る時はいつもフルスイング。
そのことをひいばあちゃんのバットに改めて心の中で約束した。

いつにない充実感でバットを振り、つい夢中になってしまった。
ふと鏡子さんを見るとなぜか目から涙が溢れてる。
「ど、どうしたんですか!?」
「ううん、何でも無いの。ただやっぱり私の目に狂いは無かったなって」
鏡子さんは泣き笑いのような表情でハンカチで涙を拭いた。
多分だけど、鏡子さんは私ではなく、私を通して遠い昔のひいばあちゃんの姿を見てたんじゃないかと思った。

「このバット、大事にします」
そう言いながらバットを布で丁寧にくるむ。
ひいばあちゃんと鏡子さんの大切な思い出の品というだけでなく、私の大事な記憶も呼び起こしてくれたバットだ。
試合には使えないけど、今度は私を守ってくれるような気がした。
「ええ、また試合見せてもらうわね」
「はい、ぜひ!」
そのときは今日の試合みたいな無様なバッティングは絶対に見せないぞ。
そして、私は最後に気になっていたことを尋ねてみることにした。
「そういえば、どうして私が巴おばあちゃんのひ孫だってわかったんですか。やっぱり桐子さんが?」
桐子さんが女子野球について調べているうちにひいばあちゃんに行き当たったのかと思ったのだけど、桐子さんは首を横に振った。
「綾梅さんのことを調べたのは確かに私よ。でもおばあちゃんに言われなかったらあなたが巴さんのひ孫だなんてわからなかったでしょうね」
「それじゃあどうして……?」
「おばあちゃんがね、テレビの中継であなたのバッティングを見たらしいの。それで、絶対間違い無いからあなたのことを調べてくれって頼まれたのよ。半信半疑だったけど、念のため調べてみたら本当に巴さんのひ孫さんだったんで私も驚いたわ」
「バッティングを見てって……、それだけでわかったんですか?」
そう尋ねると鏡子さんは、

「だって。私が巴お姉さまのこと、見間違えるわけ無いじゃない」

と微笑んだ。
その笑顔は、まるで年下の少女のようだった。

数日後、スポーツ新聞に女子プロ野球リーグ設立以来初のホームランが記録されたという記事が小さく掲載された。
ホームランを打った打者のバットに“こてつ”と刻まれていたかどうかについては記載は無い。

2011年11月14日

女子野球いろいろ

女子野球ジャパンカップが開催され、プロを抑えて埼玉栄高が優勝しましたが、それとは何の関係もなくおなじみの女子野球ネタです。
私のTwitterをフォローしている人はご存知のネタも多いでしょうが、ここ数ヶ月の話題をつらつらと。

◆プリンセスナイン

ついにねんがんの『プリンセスナイン』DVDをてにいれたぞ!... on Twitpic
ついにねんがんの『プリンセスナイン』DVDをてにいれたぞ!

っていきなり私事ですいませんが、ついに『プリンセスナイン』のDVDをヤフオクでゲットしました。7枚セットで12000円。
いや、観るだけならバンダイチャンネルの月額見放題で観られるし、北米正規版DVDがもっと安く落札できるんだけど、国内正規版DVDには原作小説がついてるんですよ。
『プリンセスナイン』は元々実写映画化の企画で、そのために原作者の伊達憲星が書いた小説が原作になってたりします。これがどうしても読みたかったので、ヤフオクで安く落札できるチャンスをずっと待っていたのです。
とはいえ、本編も原作小説もまだ手をつけてなかったりするんですが…。時間のあるときにじっくりと堪能したいと思います。

◆正捕手の篠原さん

MF文庫新人賞審査員特別賞受賞作品。
表紙の娘さんは篠原さんではなく、ヒロインの綾坂真琴さんです。篠原さんは主人公のメガネ男子です。
基本的に2ページの短編で構成される、萌え4コマのラノベ版みたいな作品です。サクサクと気楽に読める、まあイマドキのラノベって感じですね。なかなか楽しい作品です。
MF文庫Jのサイトで序盤が立ち読みできるので、このノリが合う人は読んでみてはいかがでしょうか。

◆マックミラン高校女子硬式野球部

月刊少年マガジン2011年12月号より連載開始。初回は一挙2話公開。
主人公は女子野球部の男子マネージャー。この設定で『ドキドキプリティリーグ放課後編』を思い出すのはもはや俺とふぁうるちっぷのtomiさんくらいだろう…。
ハーレム状態なのに主人公が母性本能に溢れててみんなのお母さんになってる辺りがおもしろいですね。今後に期待。

別冊少年マガジン|マガメガ|週刊少年マガジン|TOP|講談社コミックプラス
Live High : お知らせ

◆蜂矢乙女の魔球

本屋で女子野球っぽい表紙の雑誌を発見。
帯を見ると女子野球もののマンガが載ってるっぽいじゃないですか。

調べてみると福島聡さんの『蜂矢乙女の魔球』という作品みたい。エンターブレインの雑誌FELLOWS!に連載されていて、新しく刊行された増刊のFellows!(Q)に移籍したらしい。
Fellows!はあまり置いてないし立ち読みもできないことが多いので単行本待ちかなあ。

ちなみにFellows!(Q)の表紙は高橋那津子さんという方が描いていて『蜂矢乙女の魔球』とは全然関係ないっぽい。

F E L L O W S ! フェローズ
<エンターブレイン>新人作家中心の増刊マンガ誌「Fellows!(Q)」を刊行 - BIGLOBEニュース

(追記)
その後、表紙絵に惹かれたこともあってFellows!(Q)購入しました。
『蜂矢乙女の魔球』、1話ではなんとも言えないけど過去の女子野球モノにない独特の魅力がありますな。
今回が5話目。Fellows!(Q)が季刊の予定なので、単行本化は当分先かしらね。

◆シンデレラナイン
◆ビーナスリーグ2

好みの女の子をスカウトし、全国一の野球チームを目指すソーシャルゲーム! - ファミ通.com
アメージング、「Mobage」で『ビーナスリーグ2』の提供開始 | Social Game Info

最近何かと話題のモバゲーから女子野球ゲームが2作品提供されてます。
『ビーナスリーグ』は前作を以前ちょっと紹介しましたが、今回は2作ともスマートフォンでもプレイ可能です。
知ってからすぐモバゲーに登録したんですが登録しただけで満足しちゃってどっちも手付かずです。ちゃんとプレイしたらまた感想を書きますかね。

◆球場のシンデレラ

以前も紹介した『球場(ボールパーク)のシンデレラ』が単行本化されました。
もっと続けられるネタはあったそうだけど、残念ながら1巻で完結。
さすが多くの作品の実績のある小坂さんだけあって楽しい作品に仕上がってます。

◆SHUAS

週刊アスキーと週刊アスキーの携帯サイトなどで連載されていた4コマ作品。
女子野球部の面々のゆるい日常を描いた作品ですが、野球は全くしません。というか野球要素はほぼ皆無です。
作品としてはおもしろいですが、野球ものと思って買わないように。

◆バーサス・アンダースロー

先日、新潟のメロンブックスで珍しく購入した同人誌。作者は『GUNSLINGER GIRL』の相田裕さん。ヒロインがマリーン... on Twitpic

『GUNSLINGER GIRL』でおなじみ相田裕さんの同人誌。前から気になってたのだけど、地元のメロンブックスに入荷してたのでゲット。
野球ものってわけではないけど、ヒロインの会長さんが元野球選手でアンダースロー、おまけにマリーンズファンの俊介信者という俺得同人誌なので紹介。少なくとも『SHUAS』よりは野球漫画です。
爽やかな青春モノでかなり好みの作品です。ぶっちゃけ『GUNSLINGER GIRL』よりいいかも…。
メロンブックスで通販できますので興味のある方はどぞ。

JEWEL BOX
[MelonBooks] めろんぶっくすのほ~むぺ~ぢ

◆びぎなーず9

まんがタイムきららミラク創刊号から連載されていた女子野球4コマ漫画『びぎなーず9』がvol.5にてあっさり連載終了。
さすがに5回連載で単行本は出ないだろうなあ。バックナンバーを揃えるか。

◆LUCKY STRIKE

週刊少年チャンピオン49号より連載開始した野球漫画。
リトルリーグなのでチームメイトに女子一人確認。今後の活躍に期待。

◆異界兵装タシュンケ・ウィトコ

『ぐいぐいジョーはもういない』の樺薫さんの新刊。
野球ものでは全く無いですが、登場人物のひとりが女子高校球児で過去の回想でやたらと濃い野球描写があるので紹介。さすが樺さん。好きなんだからもー。



というわけで、今年後半辺りに出た女子野球作品をどどんと紹介してみました。
今年も予想以上にいろいろな作品が現れて嬉しい悲鳴といったところです。
絶賛放置中のめがきゅーうぃきも更新しなくてはいけませんなあ。

2011年08月13日

『平成二十三年の野球娘。』あとがき的なもの

コミケに参加された方はお疲れ様でした。
もうすでに『大正野球娘。』の合同誌『櫻花球宴』を手に入れた方もいるかと思います。私はコミケには行ってないのでこれを書いている時点では実物をまだ見ていなかったりするんですが。

さて、『櫻花球宴』に寄稿した私の小説『平成二十三年の野球娘。』ですが、色々と小ネタを仕込んであります。
本当は自分の書いたものについてあれこれ語るのは野暮の極みってもんですが、ネタ元に敬意を表する意味も込めて、突っ込まれる前に後書き代わりにネタばらししておきます。
一応ネタバレを含んでますので、通販なんかで今後購入予定の方は読了後にご覧下さいな。

(13/01/15追記)
全文を公開しましたのでどうぞご覧くださいませ。
平成二十三年の野球娘。: nokotsudo BLOG

まず、この話は北村薫『1950年のバックトス』収録の同名の短編小説から着想を得ています。この作品を読まなければこの話は思いつかなかったでしょう。
この話を思いついたからこそ合同誌に参加を決めたという部分もあるので、『1950年のバックトス』に出会っていなければ合同誌に参加していなかったかもしれません。
私の書いたものと同じように、時を越えた野球少女たちの絆の話です。短編ですが印象的な作品ですので、機会があれば是非読んでほしいです。

鏡子の孫娘として登場した秋川桐子さんですが、彼女は池田恵さんの女子野球コミックの名作『無敵のビーナス』の登場人物です。新聞記者という立場を生かして、鏡子と綾梅を繋ぐキャラクターとしてゲスト出演してもらいました。
『無敵のビーナス』が90年代の設定なので2011年時点では四十台半ばになっているはずですが、原作での年齢である34歳(綾梅には二十台後半に見えたんですな)でご登場願いました。
『無敵のビーナス』の世界では女子も男子相手にボコスカホームランを打ってますが、その辺はまあ現実準拠で。

巴が綾梅に打撃の心を教えるシーンですが、これはLOVER-SOULの同人ゲーム『花咲くオトメのための嬉遊曲』の氷室乃雪嬢のセリフを意識しています。シチュエーション、キャラクター、何より私の筆力の無さからかなり元ネタとは違ってますが、白球のイメジ、なんて言葉でわかる人にはわかってもらえたかも。
あと、最初に執筆していた時は太宰経夏さんが桐子さんの代わりに出演していました。役割的、年齢的に桐子さんの方が向いているのと、キョウコとケイカでは音が似ているので代わってもらいました。キャラ的には経夏さんの方が合ってた気がします。

設定は基本的にアニメ版を踏襲しています。原作の設定を意識して巴は当時珍しい職業婦人で新聞記者をしていたという記述を最初は入れていましたが止めました。
また、巴は一真と結婚して柳巴になったということにする予定もありましたがそれも止めておきました。
鏡子も名字をあえて名乗らせませんでしたので秋川姓じゃ無い可能性もあります。巴と鏡子が誰と結婚したのかはみなさんのご想像にお任せしましょう。
巴と鏡子以外の生死は全然考えてませんが何人かはまだ生きてるのかなあ。特に乃枝は、ってそれは漫画版の話ですな。

女子プロ野球は現実の女子プロ野球リーグをモデルにしていますが、私の知識と調査不足で間違っているところはあるかもしれません。その辺は大目にみてください。一度は生観戦しなくちゃ、とは思ってるんですが。
女子プロ野球をご存知の方には言うまでもないですが、作中で登場した兵庫の投手は小西美加選手、京都の監督はヨッシャー佐々木恭介監督のことです。

執筆中には女子プロ野球リーグではホームランは記録されていなかったんですが、7月23日に前述の小西選手によって史上初のホームランが記録されてしまいました。
もしかしたら合同誌が出る前に現実でも記録されるかもなーとはちょっと思ってたんですが、まさかホントに出るとは……。まあ綾梅の方が時期的にはやや早かったので幻の第1号だと思っといてください。
「記事が小さく掲載された」なんて書きましたが、関西の新聞なんかには写真付きで結構大きな記事になってたみたいです。こんな感じで→小西が歴史弾!女子プロ野球1号/野球/デイリースポーツonline

綾梅が試合でこてつを使えないと言っているのはもちろん古いせいもありますが、女子プロ野球リーグでは金属バットを使用しているからです(木製バットを使っちゃいけないルールは無いと思いますが)。
原作で使っていた金属バットなら試合で使えるかも、とも思いましたが、あのバットはUボートとともに海の底だしな(だからそれは漫画版設定だ)。
それに、やっぱり「こてつ」ですよねえ。

とりあえず、語っておきたいのはこんなところかな?
数年ぶりに小説的なものを書きましたがなかなか楽しかったので、もし合同誌第3弾があるのならまた参加したいと思っとります。
この場を使って、編集委員のみなさんに改めて感謝をば。

2011年03月18日

女子野球いろいろ

地震のネタがいつまでも一番上の記事なのはなんなので、例によって女子野球ネタで更新。
Twitterではちょくちょくつぶやいてますが、ここ数カ月の女子野球ネタをまとめてさらっと触れたいと思います。

◆大正野球娘。

伊藤伸平さんのコミック版が5巻をもってついに完結。
最終巻はなんと1巻丸々野球やってます。
巻を重ねるごとにキャラクターが生き生きとしてきたので、終わっちゃうのはホント残念だなあ。
贅沢を言えば試合後のみんなの様子が見たかったかも。同人誌で、ってわけには行きませんかね?
絵柄で敬遠していた人にも是非呼んでもらいたいです。

昨年11月にはWebコミックとして公開されたよねやませつこさんの『帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。番外編』の単行本も発売してます。
尺の都合で原作のシーンがかなりカットされてますが上手く纏めてると思います。
アニメ、伊藤版と比べても、原作の雰囲気を一番忠実に再現してるかも。

余談ですが、神楽坂淳×よねやませつこのコンビで声優ユニットLISPの漫画を連載してたりします。
声優ユニット「LISP」をモデルにしたマンガが集英社「Cookie」にて連載決定 | ホビー | マイコミジャーナル

◆ねこ球9

たまた立ち寄ったBOOK OFFで発見。俺の女子野球アンテナもまだまだ錆ついてないな。
ネコミミ少女たちのドタバタコメディ。『わいるど☆ぴっち』や『白球少女』と同じくらいには野球をやってます(=全く野球しない)。
ネコミミっ娘たちは可愛いけど、取り立てて褒めるほど面白くはないです。まあ嫌いじゃないけど。

◆○×△ベース(1)ねっとりぐちゃぐちゃセルロイド

Twitterで女子選手が出てるという情報を見つけてゲット。
序盤のギャグとか明らかに滑ってて辛いところもあるけど、中盤以降は青春野球小説としてはなかなか楽しめる。
最近はしっかりした描写の(女子)野球小説が増えてたけど、本作に関しては微妙。主人公がどんなピッチャーかさえよく分からんもんな。
それなりに綺麗に終わってるけど、(1)とあるからには続くっぽい。
どーでもいーが、ライバルの水無美のトルマリンを「AFボールか!」と思ったのは私と柊まなさんくらいだろう。多分。

◆竜巻少女

以前も紹介しましたが、朝日小学生新聞での3か月の連載を終え完結。
私は新潟市中央図書館で全話読破。単行本化がいつになるのか分からないので全部コピーして確保してあります。

単行本はまだかなーと思ってたら、ストーリーを再構築して全3巻で刊行されるとTwitterで作者の風野潮さんから教えていただきました。
チームメイトの女子を含め主人公の理央以外のキャラクターについても連載より掘り下げられるようです。イラストも連載時と変わらずたかみね駆さんが担当。
1巻の執筆が終わったようなので近いうちに発売されそう。楽しみにしてます。

◆D×H

全2巻で完結。
2巻は1巻に比べるとちょっとパワー落ち気味だったかなー。
もうちょっと続いて欲しかったけど、草野球がメインだとなかなか話を続けにくいわなあ。
でもまあ、気持ち良く読める良作だったかと思います。オススメ。

◆白球少女

こちらも全5巻で完結。
「いい加減野球しないと打ち切るぞ!!(by編集長)」→「やっぱり野球しないので打ち切られました!!」(4巻・5巻の帯より)というわけで、結局最後まで野球をやらないで終わっちゃいました。女子野球作品リストに入れたままでいいのかさすがに悩むレベル。
正直いろいろ勿体なかったなーと。俺が言うのもなんだけど別に野球するしないは問題じゃないと思うのよ。何がやりたいのか最後までわからんかった。
画力もあるし、力のある漫画家さんだと思うので残念だったなあと思いますです。

◆株式会社徳川家康

前から入手せねばと思ってましたが、ようやくヤフオクでげっと。全5巻。なんと作画は永井豪だぜ。
野球ものでは無くビジネス漫画? 1巻目が新興スーパーの宣伝のために結成された女子野球チームの話なので購入。
まあ手に入れてみれば取り立ててどうってことない作品だけど、長年の懸案だったので入手できてよかったかなと。
ライバルチームが東京ドームの空調を操って試合を優位に進めようとするところに一番笑った。やっぱり空調係いたんだなー。

◆その他小ネタ

・『アイドルA』がゲッサン2010年11月号にまさかの復活掲載。内容は相変わらず。また思い出した頃にまた掲載して、5年後くらいに単行本化されたりするのかしらん。
・『高校球児ザワさん』は安定し過ぎてあまり話題にしないけど、最近動きがあるようなないような。仕方ないが、ちょっとマンネリしてきた感も。
・『少女少年学級団』、別マの連載作の中では結構人気っぽいね。野球ものとは言えないけど、結構好きなので買い続けてます。
・前にちょっと紹介した『ビーナスリーグ』以外にも、『ファイヤースタジアム』やら『パワフル野球部』やら女の子が野球やるソーシャルゲームが出てるみたい(莫煩悩~(´ー`)~情報)。興味はあるけどiPhone使いなのでプレイできん。iPhoneアプリでも出ないだろうか女子野球ゲーム。
(3/21追記)
・週刊少年サンデーの『最後は?ストレート!!』に女子選手が出てるらしいのでチェックせねば。
・新創刊のまんがタイムきららミラクにて『びぎなーず9』という女子野球ものが連載開始。

◆今年出そうな女子野球作品

・『大正野球娘。5』
 原作もこれで完結かなあ。
・『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様(3)』
 いい加減レイニー止め状態やめてほしいんですが。
・『竜巻少女』
 上記のように全3巻予定。今年は何冊出るかな?
・『球場のシンデレラ』
 4コママンガはページ数が少ないので単行本になるまで時間かかるけど、今年中には1巻が出てほしいなあ。
・『○×△ベース(2)』
 今年中に2巻は出るかな。あの後どう続けるのか気になるところ。

発売予定カレンダーなんてものもつくってますのでたまに覗くといいかもです。

2010年09月05日

『ぐいぐいジョーはもういない』

人生の中で、女の子が高速スライダーをおもいっきり投げなくちゃならない日は、限られている。
あの八月の決勝の日は、その、数少ない一日であったのだ、と、私たちは後に思った。

例によってTwitterで検索して発見。
知るやいなや自転車で家を飛び出し、近所の本屋を回って3件目でゲット。

作者は樺薫さん。初めて聞く名前だったのだけど、最初の数ページを読んで「あれ?」と思い、著者紹介に西武ファンとあるのを見て「あれれ?」と思い、ググってみたら「ビンゴ!」だった。
夏葉薫さんじゃねーか。
女子野球ノベルゲームの傑作『花咲くオトメのための嬉遊曲』企画・脚本を担当された方である。
夏葉さんの野球小説を読むためだけに『ひぐらしのなく頃に ノベルアンソロジー』を買ってしまう程度にはぞっこん惚れ込んでいる私である。まさか、こんなに突然、夏葉さんの女子野球小説を読めるとは思わなかった。
日記はずっとチェックしてたんだけど別名でデビューされていたとは知らなかった。既刊の『藤井寺さんと平野くん 熱海のこと』も面白そうなので今度買ってこよう。
前に女子野球の取材に行ったというのはこれのことだったのかなー。ゲームのためだと思い込んでたよ。

女子高校野球界のスーパースター、“ぐいぐいジョー”の異名を持つエースピッチャー城生羽紅衣と、その女房役・小駒鶫子。二人の所属するダスティン女学院硬式野球部は全国高等学校硬式野球選手権大会の決勝戦に進んでいた。
試合前夜、羽紅衣は鶫子に告げる。決勝戦を最後に野球を止め、許嫁と結婚する事を。
肘を痛めている羽紅衣を気遣う鶫子は、どうしても登板するといって聞かない羽紅衣に条件を出す。「……ランナーを出すまで」と。
そして“ぐいぐいジョー”の最後の投球が始まる。試合と、二人の愛のゆくえは――。

全国大会決勝戦の試合と、羽紅衣と鶫が出会ってからの物語が交互に展開されていく。
試合の描写は『花咲くオトメのための嬉遊曲』をプレイした人には言うまでも無いだろう。樺さん自身がブログで「無走者打席での凡退の描き方ってこんなにいっぱいあるんだ、とそこだけは感心していただける稀有な作品」と自ら表しているけど、さすが、濃密でありながら軽快。野球を知っている人だけに描ける緊張感が見事。

野球を通じて二人が絆を深めていく、というのはまあ普通なんだけど、樺さんらしさというか、二人が投手と捕手であるからか、二人の関係性もなかなか一筋縄ではいかない感じ。
ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』がモチーフになっているところもそうだし、バレンタインのエピソードも、まあいかにも百合的なエピソードなんだけど、なんか一味違うんだよね。
試合のシーンもそうなんだけど、対象に対する理解と愛情があるからこそ過剰に感情的にならず、乾いた描写になっているというか。山際淳司とか海老沢泰久をちょっと思い出した。

奔放で傲慢なエースらしいエースの羽紅衣と、羽紅衣に振り回されながらも多分ぞっこんな鶫子のバッテリーはもちろんいいんだけど、他のキャラもなかなか魅力的。出番が少ないのがもったいないキャラが多い。真梨威や黛夢の活躍をもっと見たかったなあ。
前司先輩がせりの打撃を指導するシーンとかぐっと来た。あとは観客席の馥郁館女子の様子をあえて描写するのが心憎いというか。それぞれの選手にそれぞれの物語があるんだよね。

しかし、分けて考えるべきだとはわかってるんだけど、どうしても『花咲くオトメのための嬉遊曲』と重ねてみてしまうなあ。
前はヒロインが全員野手(二塁手・左翼手・中堅手)だったけど、今回は百合ってこともあってバッテリーなのかなーとか、前述の『卒業』がモチーフになっているところは『恋愛の時空』がテーマだったのと被るなーとか。あと魅力的な脇キャラが勿体ないところも一緒(『嬉遊曲』はサイドストーリーとかでフォローがあったけど)。
同じ書き手で、同じ女子野球を扱っているんだから当然なんだけど、何より似ている、そして魅力的なのは作品の持つ雰囲気だと思う。
私が『花咲くオトメのための嬉遊曲』で最も惹かれたのは、作品全体を通して流れる寂寥感やセンチメンタリズムなんだけど、今作にもそれは共通している。

――なんて、優雅で感傷的な女子野球。

愛は滅びても、野球は残る。
そんな言葉を信じかけてしまえばこそ、私はスポーツシーンの語り手である事をやめない。
願わくば、野球か、でなければ愛が、彼女たちに残されています事を。

これは『花咲くオトメのための嬉遊曲』のバッドエンディングからの引用だけど、こんなことを書ける人は他になかなかいないと思う。
野球に対する深い愛情と憧憬を感じずにはいられない。
今作のエンディングも、何とも言えない寂寥感と、それを越える解放感、爽快感があって素晴らしい。
羽紅衣と鶫子のゆくえにも、野球か、でなければ愛が残されていることを祈らずにはいられない。



何はともあれ、是非読んでほしい作品。……講談社BOXなんでちょっと値は張るけど損はしないと思う。
こんな野球小説、百合小説があるんだぜ。

2010年07月29日

『竜巻少女 ~トルネードガール~』とか『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様2』とか『大正野球娘。4』とか

一月ぶりの更新、月刊女子野球のコーナーです(いや月刊とか無理だから)。

竜巻少女~トルネードガール~

twitterで「女子野球」「女子プロ野球」を含むツイートをチェックするようにしてるんですが、そのおかげで発見。
朝日小学生新聞に7月1日から連載中の野球小説です。
作者は児童文学作家の風野潮さん。挿絵はなんと『プリンセスナイン』コミック版を担当されたたかみね駆さん。twitterをきっかけにたかみねさんが挿絵を担当することになったとのこと。twitterすげー。

市の図書館に朝日小学生新聞があったので今までの掲載分をまとめ読みしてきました。
へっぽこ少年野球チームに剛速球を投げる少女・夏本理央が転校してくるという話。
『竜巻少女』というタイトルからトルネード投法で投げるんだろうと思ってたけど、それ以上に理央が竜巻みたいに周囲を騒動に巻き込むところから来てるのかな。
まだ序盤だけど、ヒロインの理央はもちろんのこと、理央の隣に住むちょっと弱気なへっぽこピッチャー優介や、理央の速球に惚れこむキャッチャーの大輔など他のキャラもなかなか魅力的。少年野球なので他にも女子がいるのもポイント。しかも男の娘までいるし!
今後の展開にも期待です。しばらくしたらまた図書館に読みに行こう。
twitterの風野さんのツイートによると単行本化は確定では無いみたいだけど、是非してほしいなあ。でも単行本化してもたかみねさんの挿絵が全部収録されることは無いだろうから、図書館で全話コピーしておいた方がいいかもしれん(あ、朝日小学生新聞をまとめて譲ってくれる方がいれば大歓迎です)。

たかみねさんといえばtwitterで『プリンセスナイン』制作当時のことをつぶやいていらしたのでまとめさせてもらいました。
Togetter - 「『プリンセスナイン』制作当時の裏話」
まさか今になって『プリナイ』の裏話的な話を聴く事ができるとは。twitterすげー。
カトゆー家断絶で紹介してもらったら1日で500view超えてそれもびっくり。カトゆーさんすげー。
やっぱりセルフリメイクは期待せざるを得ないよなあ。

ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様2

ふらりと立ち寄った書店で発見。前作が綺麗に終わっていたのでまさか続きが出るとは思わなかった。出ればいいなーとは思ってたけど。
(前作の感想はこちら。→『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様』: nokotsudo BLOG
今回の主役はもうひとりの女子選手・石橋蘭。友情と恋、チームと兄との板挟みになる彼女の葛藤がストーリーの中心となってます。
21世紀枠を狙って春の甲子園出場を目指す高校野球ものって多分過去に無いよね。さすが。
試合の描写も変わらず濃厚で、今回も500ページ超の半分を試合に費やしています。
最終回、蘭がバスター打法を決めるシーンは柊まなさんも言ってるように非常に燃えるシーン。だからこそそのあとの落差が凄まじいんだけども。
蘭がバスター決めたシーンは『若草野球部狂想曲』を思い出したなあ。前作の感想でも『若草野球部狂想曲』を挙げたけど、やっぱりイメージがかぶるとこあるよね。蘭→亜希(バスター打法、内野手、バットで殴る)、綾音→真由美(横手/下手投げの魔法使い)、巧也→光児(怪物級選手で捕手)とキャラ配置も似てるし。
そしてあのラスト。いや、あの結末はアリだと思うんだけど、それは続きがあってこそ。「レイニー止めかよ!」ってな終わり方なので、柏葉さんにはなるべく早急に続きをお願いしたい。

大正野球娘。いろいろ

まずは原作4巻。発売からちょっと間が空いちゃったけど感想をさらっと。
アーミナ女学校との試合になるかと思いきや今回は月映姉妹に訪れた大事件と特訓が中心。あ、もちろんお約束の料理・食事ネタもあり。
アニメ放送後のせいか、無責任シリーズかよってくらいアニメの影響を受けまくってます。巴がおバカキャラを目指したり、晶子さんが小物になってたり。
原作は原作で魅力的だったのであえてアニメに擦り寄らなくても良かったとは思うけど、これはこれでありかな。胡蝶を俊足にしちゃう辺りはやり過ぎな気もするけど。
そしてわれらが高原伴睦大復活。アニメが無かったら絶対出番無かっただろ、お前。ウザさもアニメ版のまんまです。
各キャラとも見せ場があったけど、一番は何と言っても雪。仲間のために自分自身を躊躇無く賭ける雪の熱さに惚れます。しかも今回は兄に甘える妹属性まで見せる無敵っぷり。え、ひょっとして雪って天使なんじゃね?
次回でラストになるかもとの事。残念だけど、終わるならば大団円で締めてほしいところ。と、その前に特典小説をまとめた短編集とか出しません?

伊藤伸平さんのコミック版4巻も近日発売。巻を重ねるごとにおもしろくなってます。絵柄で敬遠している人もいると思うのだけど、掛け値無しにおもしろいのでまだ読んでない、という人は是非。

よねやませつこさんによるwebコミック・帝都たこ焼き娘。が最終回を迎えました。
単行本化も予定されてるようです。単行本が出ると読めなくなるかもしれないので未読の方はこれを機に一気に読んじゃいましょう。
また、2010年4月7日に行われた大正野球娘。への想いを語らナイトの格闘司書さんのレポートも完結してます。池端監督やスタッフ・キャストの方々の興味深い話が色々読めますのでこちらも是非。

2010年06月27日

『球場のシンデレラ』とか『18 エイティーン』とか『Throwing Heart』とか『高校野球道Girl's』とか

女子野球作品について、twitterやtumblrでは話題にしたり、めがきゅーうぃきにもこっそり追加してたりするんですが、このブログでは触れてない作品がいくつかあるのでささっと紹介してみましょう。

球場(ボールパーク)のシンデレラ

掲示板で福田さんに教えてもらいました。
芳文社のまんがタイムオリジナルにて2010年3月号から連載中です。
新設された(架空の)女子プロ野球リーグを舞台にした4コマ漫画。
作者は小坂俊史さん。多くの4コマ作品を手掛けているだけあってなかなかおもしろいです。
タイトルのシンデレラは現実の女子プロ野球リーグに合わせたのかと思いきや、小坂さんのブログのエントリによると全くの偶然との事。
単行本化はしばらく先かなあ。

18 エイティーン

大分前にちゆ12歳のニュースで存在を知ったんですがタイトルも作者もわからずずっと気になってました。思い切って2chの少コミスレで質問し、ようやくタイトルと作者が判明。
試合中に打球をぶつけて父を意識不明においやった相手を見返すため、女子高生の姫里真央がプロ野球に挑むという話。
「その日…伝説の少女がマウンドに立った」という大仰な煽り文句がアレだとか、女子高生相手にプロ選手が女の腐ったようなイジメするなよとか、そもそも選手がどれも高校生にしかみえないとか、現役選手で初めて殿堂入りって殿堂入りの条件は引退後5年以上だろとか、殿堂入りしてるのに選手としての業績が史上最年少のベストナインって微妙じゃねとか、ツッコミどころが満載です。
2005年の段階でこんな作品を出しちゃうのがヤバいです。駄作も多い女子野球コミックの中でもなかなか底辺。わざわざ読む価値は無いなあ。

Throwing Heart(スローリングハート)

これも掲示板で大島進藤さんに教えてもらいました。
亡くなった姉に憧れて女子野球部に入部した少女の話。
成年コミックですので、良い子のみんなは読んじゃいけません。帯によると“成年コミック業界初の野球少女連載”とのこと。確かに単発ではありそうだけど(ここで紹介したやつとか)連載モノはないだろうなあ。
成年コミックですが、意外と言ったら失礼ですがちゃんと野球してます。キャラもなかなか魅力的だし、絵も可愛い。
ただ、成年コミックのお約束として各話に必ずHシーンが入っていて、それがストーリーと乖離してて無理やりHシーンを入れてましたという感じになってるのが惜しいところ。毎回Hシーンを入れつつストーリーも進めなくちゃいけないんだから、連載モノの成年コミックって難しいよねえ。
Hシーンはひとつを除いて和姦ものなので、陵辱ものが苦手でも大丈夫。
カバー裏には各キャラクターの『パワプロ』風能力が記載されてます。『パワプロ』好きなのかなと思ったら、作者さんのサイトを見たら同人誌(もちろん18禁の)も出してるんですね。欲しいかも。
個人的にはHシーン無しの一般向け作品でも十分いけたんじゃないかなあと思います。その方がキャラクターやストーリーに重点を当てられて更におもしろかったかと。でもまあ(Amazonのポイントがあったとはいえ)新品を購入する価値は十分あったかな。

◆高校野球道Girl's in ニコニコ動画

私的にはもはや懐かしさすらあった『高校野球道Girl's』なんですが、いつの間にかニコニコ動画でいくつも実況動画がつくられるなど、私の知らぬ間に盛り上がってた模様。
ニコニコ動画における『高校野球道Girl's』についてはニコニコ大百科にまとめられてます。→高校野球道Girl'sとは (コウコウヤキュウドウガールズとは) - ニコニコ大百科


すべてのきっかけとなった糸冬Pのアイマス野球道Girl's。
アイドルのみならず、御巫姉妹などの固定キャラや汎用キャラモ上手く個性付けしてておもしろいです。2年半もやってるのにまだ5年目なので、先が見えないのが欠点ですかね。


こちらは有志にチームを募って行われたトーナメント戦。
何食わぬ顔で『花咲く乙女のための嬉遊曲』の成林高校が参戦していてビックリ。
3番から6番の強打っぷりとか、嵐先輩の広い守備範囲とか、姫の投げることにしか興味無さっぷりとか、乃雪の超鈍足(バットに当たればほぼ成功のこのゲームで送りバントやスクイズでアウトになるほど)とか、思い通りの育成が難しいゲームなのに上手く再現しているなあ。

『大正野球娘。4』の感想も書きたかったけど、それはまた今度、気が向いたら。

2010年06月15日

私の選ぶベストナイン'10

久しぶりの更新になっちゃいました。
他人のサイトだと3日更新が無いと気になったりするのに自分のサイトは2ヶ月放置してても気にならない。ふしぎ!
twitterやtumblrで更新してると、なんかガスが抜けちゃうというか、更新しなきゃって気持ちが溜まらないのよねえ。twitterにはtwitterの、ブログにはブログの魅力があるのでどちらも生かしたいのだけど、やる気の問題ばかりはなあ。
まあ、あまり放置するのもなんだし、書くべきネタが無いわけじゃないのでボチボチやっていきましょう。

久しぶりに更新したときは女子野球ネタ、というのが当ブログのお約束。っつーことで軽めのネタでひとつ。
もう何年も前に私の選ぶベストナインなんてページを作って私のベストナインも上げたりしたのだけど、あれから早数年。その後、様々な女子野球作品も出て新しいお気に入りの選手も増えたので、私の選ぶベストナイン2010年版をまにょまにょっと大発表。

菊坂胡蝶 (東邦星華女学院/大正野球娘。)
御巫虎杖 (-/高校野球道Girl's)
葛城高嶺 (白鳳学園高/花咲くオトメのための嬉遊曲)
氷室いずみ (如月女子高/プリンセスナイン)
桜田桃子 (朝香女子高/無敵のビーナス)
氷室乃雪 (成林高/花咲くオトメのための嬉遊曲)
東ユキ (如月女子高/プリンセスナイン)
鈴川小梅 (東邦星華女学院/大正野球娘。)
林恭子 (霞ヶ浦高/ドキドキプリティリーグ)

以前のベストナインではDHや中継ぎ、抑えも入れたけど、今回は純然たるベストナイン。選手名はめがきゅーうぃきの選手ページへのリンクです。
他の選手との兼ね合いで虎杖さんはサードからセカンドへ、ユキはレフトからライトに移ってもらってます。乃雪のライトとか勘弁してほしいので。
前回から連続での選出はいずみさん、桃子ちゃん、ユキ、林さんの4人。新しく加わったのは『大正野球娘。』『花咲くオトメのための嬉遊曲』の前回はまだ発売されてなかった作品から。『高校野球道Girl's』は発売してたかなあ…。
ピッチャーの林さん、ショートの高嶺、レフトの乃雪は大好きなキャラなので即決。ファーストの桜田さん、サードのいずみさん、ライトのユキもポジション的に他にライバルがいないのであまり迷うこと無く選出。
迷ったのは外野もうひとりとセカンド。『大正野球娘。』の中で胡蝶が特別好き、ってわけでもないのだけど、足が速くて守れる外野手(レフトが穴過ぎるので)ということで選出。あ、胡蝶はもちろんアニメ版で。
セカンドは前回同様、奈留緒でも良かったのだけど足の速さで虎杖さんを選出。紅葉も考えたのだけど、そうすると『花咲くオトメのための嬉遊曲』のキャラばかりになっちゃうので。葛城-菊坂-大井-氷室って打順にすると西岡-荻野-井口-テギュンと続くマリーンズ打線っぽくなってかなりときめいたんだけど。
キャッチャーの小梅もどっちかといえば消去法の結果。『Diamond9!』の矢吹先輩も考えたんだけど、ちょっと弱い。今回は選外だったけど、次回やるときは『D×H』の来音が入るかも。かなり好き。

うん、自分で書いてても「だから何?」って感じのアレですが気にしない方向で。
もし「俺のベストナインはこれだ!」なんてのがありましたら教えて下さいな。
次はまた2015年ごろにベストナインを選出しよう。…気の長い話だ。

2010年04月22日

女子プロ野球、いよいよ開幕!

ついに明日、女子プロ野球が開幕しますな。
つーことで開幕前のニュース記事を集めてみました。

女子プロ野球:高坂さん、後輩に「納得できるまでやって」 - 毎日jp(毎日新聞)
女子プロ野球23日開幕 京都、兵庫が最終調整
女子プロ野球 23日開幕 川越(兵庫)監督“タカ魂”注入する! / 西スポ・西日本新聞スポーツ
東京新聞:女子プロリーグ スタート 『野球やりたい』夢続く:スポーツ(TOKYO Web)
桑田さん「予想以上」レベル高いぞ女子プロ野球…23日開幕:その他:野球:スポーツ報知大阪版
京都アストドリームス、いざ初陣女子プロ野球 京で23日開幕 :京都新聞
神戸新聞|スポーツ|夢舞台いざ出陣 女子プロ野球23日開幕
わかさスタジアム京都:改修終わる きょうプロ野球公式戦 /京都 - 毎日jp(毎日新聞)
女子プロ野球、手探り第一歩 関西2球団で23日開幕
川端妹ら「女子プロ野球リーグ」健闘誓う - 野球 - SANSPO.COM
日本女子プロ野球がスタート!新たな試みはファンの支持を得られるか|SPORTS セカンド・オピニオン|ダイヤモンド・オンライン
女子プロ野球、歴史的“開幕戦”を地上波が中継(オリコン) - Yahoo!ニュース

開幕はあくまでスタートラインに立ったに過ぎず、継続していくには様々な困難があると思いますが、頑張ってほしいものです。

こんな本も出るようです。チェックせねば。

2010年04月01日

4月1日より『女神たちの球宴』は『男の娘たちの球宴』へと生まれ変わります!

女子プロ野球リーグも設立され、女子野球の周知と普及もある程度達せられたということもあり、『女神たちの球宴』は閉鎖し、『男の娘たちの球宴』へと生まれ変わります!



ってなネタを思いついたのだけど、思いついたのが昨夜寝るときだったしやる気も無いのでウソページをつくったりはしません。
とはいえ、これだけでは何なので女子野球ものにおける“男の娘”な選手を紹介してみようと思います。
とは言ったものの、あんまりいないんですよね、男の娘。
男装している女子選手は結構いるんですけどね。91年までの日本プロ野球と高校野球は女人禁制なので女性選手が男装してプレイ、ってのはよくあるパターン。
男装選手には『アイドルA』の里美あずさ、『おんな甲子園!』の千船真、『16歳のラストスパート』の鳥越美沙、『勝利投手』の国政克美(高校時代)、『チェンジ!』の高杉早、『ハイブリッドベリー』の青柳要、『フェアプレイス』の岩井優、『めちゃんこ甲子園』の星松美などがいますが、一番有名なのは『ミラクルジャイアンツ童夢くん』のメロディちゃんですかね。
それに比べて女装選手は数が少ないですが、とりあえず紹介してみましょう。


まずは『ミスターマドンナ』から天馬翔子(北星ベアーズ)。
MAX165km/hの剛速球と度胸、男子顔負けの勝負師っぷりで活躍。
性転換しているのでチ○コはありませんし、胸も大きいです。身体は女性なのでお色気で男子選手を誘惑するような場面もあり。
作品の詳細についてはこちらをどぞ。→ミスターマドンナ: nokotsudo BLOG


『メイプル戦記』の神尾瑠璃子(スイート・メイプルス)。本名・神尾聡史。
甲子園の優勝投手でプロからもドラフト1位指名されるほどの選手だったものの、チームメイトに恋をしている自分に気づき姿を消す。
メイプルスが創設されるまではオカマバーで働いていた。
料理もお化粧も上手でメイプルス一の乙女。
投手としては超本格派。速球のMAXは163km/hを誇る。


『僕は野球に恋をした』の及川大河(飛鳥井ソルジャーズ)(画像左下)。源氏名は江梨子。
甲子園のスーパースターで、大学卒業後はプロ入り確実と言われていたが、男として過ごすことに耐えられなくなり、オカマバーで働く。
本郷鉄治(左上)、広末浩太郎(右上)、土肥寅之助(左下)もオカマで、全員アマチュアで活躍していた選手だったが心は女の子のためプロは断念し、オカマバーで働いていた。
ベリル・飛鳥井の社長・飛鳥井泰明の意向で、創設された飛鳥井ソルジャーズに全員入団することになる。
大河は187cmの長身からMAX154km/hの速球を投げる剛腕。ライバルチームの選手に恋をしているなど瑠璃子さんとキャラ設定がかぶってる。
作品の詳細についてはこちらをどぞ。→『僕は野球に恋をした』: nokotsudo BLOG

もしかしたら普通の野球もので女装男子が出てくるのもあるかもしれませんが、私が知ってるのはこれくらい。あ、いや、女装男子が出てくるような普通の野球ものとは言えないか。
えーと、紹介してみたはいいけど“男の娘”って感じじゃないですな。
みんな背が高くてごついし、150km超の速球投手(うち二人は160kmオーバー!)だし。
どうしても、「体は男でも心は女」となるとギャップを描くために身体つきが男らしくなっちゃうんだろうな。
ただ、昨今の女子野球の普及や作品の傾向の変化、男の娘ものの人気から考えると、女の子と見まごうような可愛い男の娘が登場する女子野球もの(?)が登場する日も近いかもしれないですな。

nokotsudo BLOGは「こんな可愛い子が女子選手のはずがない」と言える日を楽しみにしてます!

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