2010年08月10日

『後夜祭』をウン年ぶりにやってみた

某所で『彩のラブソング』の実況をしてるのを見て、文化祭ギャルゲーといえばこれだろ、とウン年ぶりにやってみたのがコレ。

『彩のラブソング』『星の丘学園物語 学園祭』『後夜祭』で3大PS文化祭ギャルゲーと呼ぶとか呼ばないとか。ま、ぶっちゃけ『後夜祭』は他二つと比べるとかなり落ちる感じだけども。
オリジナル版の発売元は翔泳社。『後夜祭』の他には百合ゲーの名作『あやかし忍伝くの一番』も発売してるけど、他のタイトルはイマイチな感じ。例によって、現在はゲーム事業からは撤退してます。
開発元はアストロビジョン。他には『ひざの上の同居人』『幻想のアルテミス』など、悪くは無いんだけど地味ーなギャルゲーをつくってます。今でもあるのかは知らん。
後にサクセスから廉価版が発売。現在はゲームアーカイブでも配信中(ゲームアーカイブのサイト)。
ゲームの内容についてはサクセス版の公式サイトが詳しいですな。翔泳社の公式サイトは当然消滅済み。


ギャルゲーのOPで男性ボーカルは珍しいなあ。
無駄にクオリティ高いOP。このOPムービーの雰囲気が気に入った人はプレイしても損は無いと思います。

主人公は文化祭の実行委員としてクラスをまとめて文化祭を成功に導くのが目的。
6つに分けられた各作業の達成率を100%まで上げると学園祭が成功する。多分。
各キャラクターは独自の方針で作業を決めるのでそれをうまく調整するのが勝利の鍵。
女の子と二人っきりで作業をすると恋愛度が上がるけれど、作業の進行状況によっては恋愛より作業を優先する必要もあり。
また、女の子と仲良くなると、主人公のやってる作業に移ってきたり、他のキャラクターが遠慮して別の作業に移ったりすることも。
各キャラクターには主人公への友好度、恋愛度だけではなく他のキャラクターとの友好度、恋愛度も設定されており、プレイヤー以外の男女も二人きりで作業すると恋愛度が上がる。
キャラクターごとに疲労度ややる気度も設定されており、主人公との会話で疲労ややる気を回復することが可能。
とまあ、こうやって説明するとゲームとしてなかなかおもしろそうなんだけど、実際は適当にやっても簡単に文化祭は成功できちゃったりする。つーか途中加入のメンバーを敢えて入れないとかマゾプレイをしない限り失敗する方が難しいんじゃないかなあ。
せっかく色々パラメータを用意したのに全く生かせてない。企画や構想に制作側の技量が追い付いていない感じ。もっとシステムを練れば良作になったと思うんだけど。まあ、今のサクサクやれるバランスも悪くないけど、勿体無い感は捨てきれんなあ。
せめて、プレイヤー以外の男女が仲良くなると何かイベントが起こるくらいはやってほしかった。まあ最近の風潮だとNTRなんて言われて敬遠されるかもだけどさ。

本作独自のシステムとしてはR.E.S.(レスポンス)システムがある。これは相手の話す内容に応じてはい/いいえ/無反応を選んでいくというものなのだけど、これもあまり意味無し。
この頃のギャルゲーはなんか独自システムいれなくちゃいけないみたいな暗黙の了解があったんだよねえ。

ゲームの最初に模擬店・お化け屋敷・人力飛行機の3つのうちどれを行うか選択し、選んだ出し物によってストーリーも変わっていく。
どのルートでも、時には反発しつつもひとつの目的に向かって力を合わせていく少年少女のさわやかなストーリーが展開されます。
凄い大事件が起こるわけでも無く、言ってしまえばベタなストーリーなんだけど、今やるとかえって新鮮でいい感じかも。

一緒に作業するメンバーはクラスメイトの女子5人と男子3人。男子3人にもちゃんとEDがあるのが特徴。それ目当てでウチの妹とかもやってました。つーかそもそも最初は妹の友達から借りたんだったかな。
サブキャラとして女の子の情報を教えてくれる後輩、作業の状況を教えてくれる教育実習生の先生、隣のクラスのライバルなツンデレ委員長がおり、どのキャラもなかなか魅力的なんだけど、これが攻略不可。男子を攻略できるのならどうしてこっちを…。
ちなみに後輩は小説版でトンデモな正体が明らかにされます。

キャストは川澄綾子、坂本真綾、長沢美樹、折笠 愛、南 央美、豊嶋真千子、今井由香、柳原みわ、森久保祥太郎、三木眞一郎、置鮎龍太郎。当時の人気声優を手堅く揃えた感じ。長沢美樹のクールな委員長役や折笠愛に内気少女を当てるのはなかなか良いセンス。折笠愛さん演ずる伊藤沙絵の破壊力はなかなかのものかと。

今作の最大のウリは何と言っても美樹本晴彦の描くキャラクターの魅力。
PSの頃のゲームって有名なイラストレーターやアニメーターを起用しても、実際ゲームで使われるとしょぼーんな感じになることが多かったのだけど、今作は美樹本晴彦の原画の良さを十二分に引き出してます。
立ち絵もキャラのアップでいい感じ(特に照れた顔がいい!)し、一枚絵の枚数も多く、クオリティも言う事無し。
まあ、その労力をもうちょっとゲームシステムの方に割いてほしかったって気もするんだけどさ。

んが。美樹本晴彦の描くキャラクターが一番の魅力でありながら、あろうことかアルバムモードが無い。
PSのギャルゲーではアルバムモードが無いのはそれほど珍しくないとはいえ、このゲームで無いのはダメだろ…。
アルバムモードがあれば繰り返しプレイのモチベーションも上がろうってものなのに…。どうしてこのゲームはこうもかゆい所に手が届かないのか。

とまあ、ゲームとしては作りが甘く、可も不可も無くという感じですが、美樹本晴彦の描く魅力的なキャラクター、さわやかな青春ストーリーを手軽に楽しめます。ゲームアーカイブで600円ならば十分元を取れるかと思うので、興味が湧いた方はどぞ。

2010年02月17日

『個人教授』をウン年ぶりにやってみた

さてさて、世間はちょうど受験シーズン真っ最中、受験生の皆さんはラジメニ大明神に祈りつつ、めぐさんに合格コールで名前を読まれる事を夢見て最後の追い込みに励んでいる事でしょう。
だから、というわけじゃないけど、今回、久しぶりに“ウン年ぶりにやってみた”のはこちら。

毎日コミュニケーションズの育成&恋愛シミュレーション『個人教授』です。
発売元の毎日コミュニケーションズ、当時はゲームソフトの制作だけでなく、ゲーム関連書籍も多数発行していたけれどゲーム関連事業からはすでに撤退している模様。

大学生の主人公が受験を控えた高校3年生の家庭教師となり、教え子を合格へ導くゲーム。
また、家庭教師だけやっていればいいわけではなく、大学の講義を受けたり、家庭教師以外のバイトをやったり、彼女とデートしたり、友人と麻雀したり合コンに行ったり、サークルに参加したりなど、大学生活をシミュレーションするゲームでもある。
つーかこの主人公、リア充過ぎね? 最初から彼女いるし。いやまあ、ギャルゲーの主人公は多かれ少なかれリア充だけど、大学の生活に妙にリアリティがあるので余計そういう印象を受けるな。

ゲームは週の初めに一週間の予定を選択し、それに従いスケジュールが進んでいく。
週末に教え子をデートに誘ったり、彼女や友人の誘われて一緒に遊んだりする事も可能。
ここで曲者なのは、友人や彼女に誘われると断れず強制的にスケジュールが変更される場合がある事。大学の講義に出られないくらいならまだしも、家庭教師の時間まで強制的につぶされる事もある。主人公は家庭教師先に電話を入れるような甲斐性が無いため発生すると非常に困る。
友人と仲良くするメリットはデートの時に車を借りられるかどうかくらいなんだけど、付き合いが悪いと強制的に連れて行かれる事が多くなるので、上手く付き合っていく必要がある。

メインとなる家庭教師の部分は、教え子の成績を見ながら毎回教える教科を選択していく。
教える最中に教え子から質問される事があり、正解すると当然評価が上がる。
その教え子からの質問なんだけど、一応は国・数・英・理・社の5教科に関連してはいるんだけど、実際は教養問題のクイズ。アタック25に出てくるような問題ばかりだったりする。
そのためプレイする際には国語辞典や英和・和英辞典が必須だった。今ならば辞書が無くても検索すれば大体の問題は解答可能。Google先生は偉大だ。
また、家庭教師の際にはお土産を持って行く事も可能で、お菓子や小物をプレゼントすれば喜ぶし、参考書をあげると学力が上がる。特に参考書のプレゼントは重要で、家庭教師で稼いだお金をつぎ込んで参考書を教え子に貢ぎまくるのが攻略の肝だったりする。なんだか本末転倒な気もしますが。

教え子の主人公に対する評価は友好度・ラブラブ度・信頼度・保護者信頼度の4つに分かれており、主人公の行動によってそれぞれの評価が上下する。
上がる値もあれば下がる値もあるのがポイントで、前述の参考書を送った場合は教え子の友好度・ラブラブ度は下がるけど保護者の信頼が上がったりするし、デートの行き先も教え子の評価は上がるけど、保護者信頼度が下がる(親の受けが悪い)場所があったりする。
この頃のギャルゲーは『ときメモ』など育成系ゲームの影響が多かったので、今作のように様々な数字が上下するのはいかにも当時らしいゲームシステム。評価の数字はイベントの発生条件などに関わってくるけど、イマイチわかりにくいのが難点ではある。

他にも細かい部分でも様々なこだわりがある。
デートの行き先や食事で教え子の評価が上下するのはまあ他のゲームでもあるけど、デートの時に乗っていく車によっても評価が変わるなんてゲームは他にないだろう。当然、教え子によって好みがあり、教え子には好かれるけど保護者の受けの悪い車種もある。
また、デート先のカラオケボックスで歌える曲もやたら凝っており、有名な曲のパロディ(『残酷な女神のペーゼ』とか)が18曲も用意されている上に、すべてにそれっぽいメロディが用意されてたりする。原曲と微妙に違うのが気持ち悪いいいパロディです。

キャラデザは原画は藤川太さん。後に『創世のアクエリオン』のキャラデザを担当していてビックリしました。
今風の萌えって感じな絵柄じゃなく、リアリティを伴ったキャラデザでかなり好みです。
会話シーンでは口パクは勿論、台詞の途中でキャラのポーズや表情が変わるので本当に会話しているような印象を受ける。台詞の途中でポーズや表情が変わるギャルゲーって他に『アマガミ』くらいしか記憶がない。こういう部分の演出は素晴らしいと思う。

メインヒロインのキャストは藤野かほる、吉田小奈美、手塚ちはる、草地章江、久川綾、菅原祥子と懐かしさすら覚える面々。久川さん以外はとんと名前を見なくなったなあ。
OPは藤野さん、EDは菅原さんが歌唱。OPテーマは映像も含めて結構好きです。

BGMも派手さはないけど、おしゃれな雰囲気でいい感じかと。

欠点をあげるとすれば、プレイ時間が長めで単調になりやすいところ。この時期のギャルゲーでは結構多いんだけど、育成が淡々と進んでたまにイベントが起こる、ってな感じなので、今やると物足りなくなる事が多い。
また、イベントの発生条件が分かりにくく、攻略本無しでやるとイベントがほとんど見られない事が多い。私も今回のプレイではちひろのイベントを二つほど見損ねてしまった。
クリアするための難度自体はそれほど高くないんだけど、イベントがなかなか起きないので余計単調な印象を受けてしまう。
あとはクイズがやたら難しい事も欠点と言えば欠点か。辞書引いたりググったりするのが面倒な人は攻略本に頼った方がいいかもしれない。

ウン年ぶりにやってみたわけですが、今回はtwitterで実況してみました。
私の実況に加えて反応してくれた方のツイートも含めてTogetterでまとめました。
Togetter(トゥギャッター) - まとめ「『個人教授』をウン年ぶりにやってみた」

まとめて見るといい感じなので、今後も“ウン年ぶりにやってみた”ときにはtwitterでツイートすることにしよう。

上に挙げたような欠点はあるけれど、ゲームとしてのバランスや完成度も高く、なかなかこういう雰囲気のあるゲームは他にないので、興味のある方はプレイをオススメします。
Amazonの中古で数百円で購入可能だけど、ゲーム・アーカイヴでも出して欲しいなー。

2008年09月14日

『プリズムコート』をウン年ぶりにやってみた

さてさて、今回“ウン年ぶりにやってみた”のはコレ。
と言ってもプレイしたのは2ヶ月くらい前だったりしますが。

PSギャルゲーの中でも五指に入るくらい大好きなゲーム。
特にスポーツもののギャルゲーとしては『プリコー』以上のゲームは未だに無いんではないかと思う。まあ、他が『ドキプリ』だの『夏色剣術小町』だのしか無いのであまりえばれたもんじゃないですが。

発売は今は亡き富士通パソコンシステムズ。当時はNECも東芝もギャルゲー出してたからなあ。いい時代だった。
FPSは他にも『100万円クイズハンター』『パネルクイズ アタック25』などのゲームも発売してました。
そういえば富士通繋がりってわけじゃないだろうけど、当時NIFTY-Serveでも評判になってたそうな。今やパソコン通信なんて知らない若人も多いんだろうなー。
それにしても、富士通か…。

プレイヤーは女子バレー部の監督となり、チームを全国制覇に導くのが目的。
育成・試合がメインだけど、条件によってキャラクター個別ルートに入ることが可能。
スポ根あり、ラブコメあり、友情あり、パロディありと、どのシナリオもおもしろい。
ただ、好感度だけでなく試合の勝敗やキャラクターのポジションが条件のキャラもいるので、条件を知らないと個別ルートに入れないキャラもいる。それほど育成・試合面で厳しいゲームじゃないけど、ルート分岐だけは攻略情報に頼った方が無難。
あと某キャラのエンディングは対応を間違えるととんでもない鬱エンドとなるので要注意。

シナリオも良いのだが、このゲームの何が素晴らしいかといえば育成ゲームとしての出来の良さ。
試合中はSDキャラが動いて進むのだが、最初は選手の能力も低く、チームワークも無い弱小チームで、SDキャラの動きに呆れたりイライラしたりすることもしばしば。
サーブは外れる。ブロックは当たらない。レシーブはサーブ以外拾えない。レシーブしたボールにセッターが追い付けない。トスを上げてもタイミングが合わずスパイクを打てない。スパイクを打ったら打ったでネットに当たるか、ホームラン…。
そんなへっぽこだったチームが特訓を重ねていくうちにだんだんバレーらしい試合をやり始め、やがて全国の強豪と渡り合えるように成長していく。
コーナーを狙った絶妙なサーブが決まりだす。相手のスパイクを高いブロックで防ぐ。フライングレシーブでスパイクを拾う。レシーブしきれなかったボールもセッターが諦めずに追いかけコートの外から二段トス。そして絶妙のコンビネーションで決める時間差攻撃やバックアタック…。
育成ゲームの醍醐味はもちろんキャラクターの成長だけど、それを能力の数字だけでなくSDキャラの動きでプレイヤーに実感させるのは見事。

試合中にプレイヤーができることはアドバイスと2回のタイムのみ。やれることが限られているのがかえってヤキモキしながら見守る監督の気持ちを味わえる。
とはいえ、アドバイスとタイムの効果は少なくない。的確なアドバイスは選手の動きにピリリと効いてくるし、タイムのときに選手にかける言葉によってチームの士気や能力が大きく上下する。
ライバル校との対決時には特にタイムが重要で、相手のエースが繰り出す必殺技を破るためには監督の的確な指示が必要。必殺技を破れるかどうかは勝敗に大きく影響するため、監督の洞察力が重要となってくる。

育成&恋愛ゲームとしても素晴らしいのだけど、このゲームのもうひとつの凄いところは何といっても全編に亘るパロディの嵐!
登場キャラクターの苗字が全てミステリー作家などというのはほんの序の口で、作品の至る所がネタだらけ。
各イベントのタイトルまでがパロディで統一されていて『ガンダム』『エヴァ』『ウルトラセブン』『クリィミーマミ』『快傑ズバット』などのサブタイトルが元ネタになっているという凝りよう(イベントタイトルと元ネタについてはこちらを是非どうぞ)。
また、出てくるネタが相当マニアック。発売当時ですら25禁なんて言われていたくらいなので、今だと30代後半でないとわからないネタも多い。
しかも、ネタの使い方も捻くれているというか判りにくい。例えば川原泉の『笑うミカエル』を読んだことのある人でも麦チョコ666がマニュファクチャーなんてネタは覚えていない人も多いだろう。
特にギャルゲー界最強のオタクヒロイン・あかりのマニアックさは凄まじい。第一声が「来たよ、プレッシャー!」で、主人公との最初の会話が「バレーはまだできないけど、きっと覚えます」だからね(もちろんベスト選択肢は「バカなこと言うなよ」だ!)。
初プレイしてから10年近く、私もオタクとしての知識は多少なりとも増えただろうと、今回はネタの宝庫あかりシナリオに挑戦したんだけど、元ネタが判別できたのは極わずかでした。修行が足りない。つーか『流星人間ゾーン』なんか知らんがな。

OPムービーも大好き。長沢美樹の歌声にひれ伏せ!

CD化されていないのは返す返すも残念ですが、裏技を使用するとフルコーラスが聴けます。

キャストも長沢美樹、冬馬由美、丹下桜、水沢潤、荒木香恵、久川綾と当時の人気どころ揃い。ライバルキャラも篠原恵美、天野由梨、皆口裕子、山崎和佳奈など鉄壁。…今見直してみると『セーラームーン』率が高いなあ。
ゲームの収録はキャラごとに別撮りになることが多いけど、今作においてはキャラクター同士の会話はちゃんとキャストを集めて収録したそうだ。アルバムモードのみんなの会話とか雰囲気あっていいよねー。

あと、『プリコー』を語るのならば『賢者の楽園』にも触れなくてはいけないだろう。
『賢者の楽園』は『プリコー』の企画・脚本を担当した神無月さんの個人サイト。初期はCGサイトだったのだけど、アニメの辛口レビューを掲載し始めたころから掲示板に濃ゆいオタクの方々の集まるようになっていった。
『賢者の楽園』のレビューと掲示板はぬるいオタクの私にとって非常に勉強になった。ここがなければ『宇宙海賊ミトの大冒険』や『メダロット』や『コメットさん☆』や『ボンバーマンジェッターズ』を観ることも無かったかもしれないし、今より腑抜けたオタクになっていたかもしれない。
ここ数年アニメを観なくなったのも『賢者の楽園』が閉鎖したことの影響は少なからずある。
私の中ではアスペルギルスさんの18禁SSサイトと並んで閉鎖を惜しんだサイトだ。そういや、アスベルギルスさんに早苗と真琴のSS(早苗攻め)をリクエストして書いてもらったなー。保存している人がいたらzipでくれ。

せっかくの中嶋敦子さんのキャラクターを生かし切れていないグラフィック、1プレイ10時間超とやや長めのプレイ時間、イベントの頻度が少なくプレイがやや単調と、今の時代となっては古臭い部分も否めないけど、冒頭に書いたようにスポーツ育成もののギャルゲーとしては屈指の名作。
スポーツもの、育成ものが好きな人はもちろん、我こそはという濃ゆいオタク知識の持ち主にも是非プレイしてほしい一本です。

2008年04月26日

『おかえりっ ~夕凪色の恋物語~』をウン年ぶりにやってみた

“ウン年ぶりにやってみた”シリーズも久しぶりですが、今回引っ張り出してきたのはコレ。
 

 
『おかえりっ ~夕凪色の恋物語~』はオリジナルのPC版のタイトルで、移植されたPS版は『SIMPLE1500シリーズ THE 恋愛アドベンチャー おかえりっ!』というタイトルで発売されている。
DC版もあるけど、内容に大差は無いので今からやるならPS版がベスト。PC版は動作が重いらしいし。
SINPLEシリーズといっても元はフルプライスのゲーム、とても1500円のゲームとは思えないクオリティの高さだったりする。

数年ぶりに故郷に帰ってきた主人公。時を経ても変わらない故郷の姿。美しく成長した幼なじみ。一見穏やかにみえる島の裏で蠢く争いと陰謀。島を治めてきた旧家と代々伝わる秘密の儀式。昔から島に伝わる悲しい恋物語。さらにはギャルゲーお約束の超常的ファンタジー要素とくれば、似たような話のゲームは未だに年に何本かは発売されていると思う。
ゲームシステムとしても、選択式のノベル系ゲームなので目新しいところは無い。

それらの多くの類似作品と比べてこの作品のいいところは、ぶっちゃけ地味なところ。
代々伝わる儀式と巫女の力とか、島の奥にある遺跡とかとかのファンタジー要素もあるにはあるけど、キャラクターやストーリーに突飛なものがあるわけでもなく、実にオーソドックス。
その分、主人公とヒロインの関係をじっくり丹念に描くことに成功している。

キャラクターデザインは『超獣機神ダンクーガ』や『美少女戦士セーラームーン』の只野和子さん。爽やかな印象の画風が作品の雰囲気に合っている。
実はかなり好みの絵柄です。初プレイ当時にCG集を通販するくらいに。
久しぶりに只野さんの公式サイトSTUDIOびゅうん!覗いたら、当時既に絶版で入手できなかった原画集がCD-ROMになってたり、『おかえりっ!その後・緑編前編』なんて期待せざるを得ないアイテムが増えてるなー。これはゲットせねば…。

メインヒロインの幼なじみ・渚を演ずるのは坂本真綾。演技は大したこと無いけど、その分ナチュラルに等身大の女子高生を演じていて好印象、あの声で「お兄ちゃん」と言われるとクるものがありますな。
また、島を治めてきた姫神家の一人娘・澪に池澤春菜を、東京から引っ越してきた凶暴なギャル系女子高生・晶に川澄綾子を配するのも見事なキャスティング。
普通なら澪を川澄綾子にするんだろうけど、川澄綾子は晶みたいなきっつい娘の方が魅力が出ると思う。個人的には『NieA_7』のまゆ子に次ぐ当たり役だと思ってました。

舞台となった姫神島のモデルは岡山県笠岡諸島にある真鍋島。作中の背景は真鍋島の写真がそのまま使われているようだ。
本作のファンの中には真鍋島へ聖地巡礼している方もいます(→風は北へ。)。
機会があれば私も行ってみたいなー。岡山はちょっと遠すぎるけど。

数年ぶりのプレイ、普通にやるとバッドED連発になりそうだったので、攻略サイトに頼る。
いや、このゲームのバッドED、結構辛いのが多いんで。久しぶりにプレイして鬱な気分になりたくないからね。
1,2周で止めとくつもりだったんだけど、1シナリオが適度な長さで、どのヒロインも魅力的過ぎるので結局、渚、澪、晶、波美先生ルートクリア(ごめん、光…)。
ところで、私のROMには摩耶ルートが入ってませんが、欠陥品ですか?

大作でも傑作でもないが、気持ちの良い佳作。Amazonのマーケットプレイスでも300円くらいで売られているので、興味のある人はプレイしてほしい。
最近、PSゲームアーカイブスで過去の名作ギャルゲーがどんどん配信されているので、是非今作もアーカイブ化してほしいところ。そうしたらPSP買うんだけどなー。

2007年10月21日

『トゥルーラブストーリー2』をウン年ぶりにやってみた

さてさて、今回引っ張り出してきたゲームは『トゥルーラブストーリー2』です。
『TLS』シリーズは大好きな作品で、特にこの『2』はシリーズ最高傑作(『キミキス』も含めて)だと思ってます。

各学期に好きなキャラがいるんで迷ったけど、今回は3学期ディスクでプレイ。
今作はディスク3枚組なんだけど、それぞれが1学期・2学期・3学期に対応している。もちろん、イベントや登場キャラクターもディスクごとに違っているという過剰なまでのボリューム。
『2』がこれだったから、その後のシリーズ作品に物足りなさがあったんだよねえ。

OPアニメだけは微妙なんだよなー。ディスクごとに別のOPを用意した点は買うけど。
『1』→『R』→『2』とだんだんアニメの出来が悪くなった気がする。曲はいいんだけどねー。

昔のセーブデータを引っ張り出すと、総クリア回数28回。1プレイが短く、攻略可能キャラが10人+隠し1人ということを考えればそう驚くほどでもないか。まあ、今なら全キャラクリアもするかどうか疑問だけど。

校内を徘徊して女の子との出会い仲良くなるのはシリーズ共通なんだけど、どこに女の子がいるのか分からなかった『1』『R』と違い、イベントが起きそうな箇所にはマークがつくようになっている。
ただこのマークが曲者で、誰のイベントが起こるかわからず、マークがついていても必ずイベントが起こるわけではなかったりする。
なので、狙ったイベントが起きなかったり、意中でない女の子のイベントばかりが起こったりなんてことも頻繁に起こる。
そんなこともあって、後の『サマデ』や『キミキス』では、出会う女の子が明示されたり、イベントの発生条件が緩くなっていたんだけど、それはそれでつまらなかったりする。『2』くらいのバランスがちょうどいい気がするなー。

狙いの娘を一途にストーキングするのもいいけど、チェーンイベントの無いキャラクターの攻略はそれほど難しくない。キャラクター同士の人間関係を描いたイベントが多いのも今作の特徴なので、適当にイベントマークのついた場所をうろついてみるのも楽しい。色々なキャラクターの様々な表情や人間関係が見られて、賑やかな学園生活を満喫できます。

しかし、なんでこのゲーム、こんなに私のツボのキャラが多いんだ? 攻略対象キャラの半分以上がストライクゾーンってゲームも珍しい。
そんな中、昔は割とどうでもよかった早苗ちゃんだけど、歳を経てみると、いいキャラだな~この娘。感心すると瞳をキラキラさせるのがカワイイ。
出演声優陣が豪華なのはもちろんなんだけど、川上とも子に内気で一途な幼なじみをやらせたり、長沢美樹にクールな転校生をやらせたりとキャスティングも絶妙。

『TLS』のキモといえばやはり下校会話。あのドキドキ感は異常。
女の子をデートに誘うには会話を盛り上げないといけないんだけど、会話を盛り上げすぎても恥ずかしがって女の子は途中で帰ってしまう。
もちろん下校中なんで、駅やバス停にたどり着いた時点でタイムアップ。
つまり、女の子のハートゲージと駅やバス停までの距離に気を配りながら会話を選び盛り上げていく必要があるわけだ。
一緒に帰る以前にイベントが起きていればそれについて話題を振ることもできるし、女の子の方から話題を振ってきたりもする(しかも自分で振ってきた話題で照れて帰っちゃったりもする)。
また、女の子と仲良くなっていくと制限時間が長くなったりもする。お互い少しでも一緒にいたいので同じ道でもゆっくり歩いているわけだ。
会話の途中で女の子がふと視線を逸らせたり、黙ってみつめてきたりと、細かい表情の変化や演出も非常に凝っている。
シチュエーションとシステムをこれほど見事に融合させたものはそうそう無いんじゃないかと思う。
ちなみに、久しぶりにプレイしたんで、下校途中で3回くらいかすみに逃げられました。もー照れ屋さんなんだからー。

『トゥルー』といえば幼なじみ、そして川上とも子スキーの私。しかもウン年ぶりにプレイするとなるとかすみ狙いでプレイせざるをえない。
『1』ののぞみみたいな幼なじみも良いけど、かすみみたいに一途に想い続ける幼なじみも良いなー。
下校会話でドキドキさせすぎてデートの約束が出来ず、2,3回リセットはしたものの、見事にトゥルーエンド達成。
下校会話で、みつめる、ほめる、手を握るの三連コンボを決められなかったのは心残りっちゃあ心残り。

ギャルゲー史上に残る作品で、今プレイしても色褪せない名作だと思う。
1プレイがそれほど長くなく、その割にイベントも盛りだくさん。3枚組なので学期ごとのイベントも楽しめるので、何回プレイしても飽きずに楽しめる。

夕焼けの放課後、彼女と二人で歩く帰り道を、もう一度、体験してみてください。

2007年09月27日

『みつめてナイト』を初めてやってみた

さて、“ウン年ぶりにやってみた”シリーズ(シリーズだったんかい!)なんですが、今回プレイした『みつめてナイト』実は初プレイだったりします。
『ときメモ』のコナミと『サクラ大戦』のレッドカンパニーが組んだということでも当時は話題になったっけ。
当時、評判の良いギャルゲーは一通りチェックしていたはずなのだが、なんでスルーしてたんだっけなー。ラジオの『ソフィアの純愛』は聴いてたんだけど。

ゲームシステムは、ビックリするほど『ときメモ』。世界がファンタジーになり、主人公の職業は傭兵になっているけど、コマンドでパラメータを上げ、休日は女の子とデートという『ときメモ』の基本はそのまんま。
ファンタジーなのにクリスマスのパーティとかバレンタインデーまで『ときメモ』を踏襲しなくてもいいと思うんだけどねー。
しかも、主人公は傭兵なのに、普段やることは訓練とバイト、あとは女の子(しかも女学生ばっかり)とのデートってのはどうなのよ。
一応、ときおり戦争イベントが発生するんだけど、ミニゲームみたいなもので(キャラにもよるが)それほど攻略に影響を及ぼすものでもなかったりする。

『ときメモ』との一番の違いは各キャラクターごとに固有のストーリーが用意されていて、キャラによってはストーリーイベントを通過しないと攻略できないところ。
『TLS』などもシリーズを重ねるにつれてストーリー性重視になっていったし、ギャルゲーがゲーム性重視からストーリー性重視に移行する過渡期のゲームといえるかもしれない。
私としては、ストーリーだけでもゲーム性だけでも物足りない部分があるので、こういうバランスのゲームが好きなんだけど、なかなかないのよねぇ。

攻略対象キャラが16人ってのは当時としてもかなり多め。しかも、小西寛子、岡田加奈子、桑島法子、岩男潤子、皆口裕子、水谷優子、西村ちなみ、長沢美樹、井上喜久子、新山志保、冬馬由美、今井由香、永島由子、國府田マリ子、山崎和佳奈という今ではちょっと有り得ない豪華キャスト。桑島法子がロリっ娘やってるのに時代を感じるなー。

キャストの豪華さ以外にも、ゲーム本編ではほとんど使われていない世界設定なんかもやたら凝ってるあたり、コナミが相当力を入れていたことが分かる。
多分、コナミとしてはマルチメディア展開も含めて続編やら関連作品をガンガン出す算段だったんだろうな。ただ期待してたほど売れなかったこと、続編の『みつめてナイトR』が微妙だったこと、あるいはギャルゲー市場の縮小なんかもあって、『ときメモ』ほどのムーブメントを起こせなかったというところか。

ファーストプレイなんでメインヒロインのソフィア狙いでプレイ。
一度はバットエンドになっちゃったけど、攻略サイトの手助けを借りてなんとかクリア。
今となってはパラメータ上げが単調だったり、多少テンポが悪かったりする部分もあるが、さすがはコナミで細かいところまで作り込んである。
1プレイもそれほど長くないので、せめてもう2、3周やっておきたいところ。

2007年09月21日

『キャプテン・ラヴ』をウン年ぶりにやってみた

先日の『Lの季節』に続いて、『キャプテン・ラヴ』を久しぶりにやってみた。

プレイ開始5分でエンクミの演技に悶絶。…ひ、久しぶりなんであの破壊力を忘れてたぜ。

条件有りシナリオ含め、全9話をすべて通過してクリア。
久しぶりにやったけど、昔やったときに比べて、意外と冷静にプレイできたなー。昔はついつい途中でサブヒロインに浮気してバッドエンドになっちゃったもんだけど。
オトナになったのか、ゲームに対する感情移入度が下がったのか。以前より葛藤を楽しめてないわけで、それはそれで勿体無いというか寂しい気もする。

一見するとバカゲーで、まあそれもあながち間違いじゃないんだけど、PS屈指の純愛ゲームとも言える。
恋愛ゲームは数有れど、このゲームほど深く恋愛について掘り下げたゲームってなかなか無いんじゃないかな。恋人同士の恋愛を中心としながら、友情や家族愛といったより広い意味での愛を描いている点も素晴らしい。

バカゲー的お笑いテイストとシリアスな恋愛モノのバランスがやっぱり絶妙。中盤のストーリーはかなり重くなっているんだけど、ところどころでちゃんと笑いがあるのでプレイが苦痛にならない。
ラブラブ党の個性的過ぎる面々もさながら、主人公の親友・杉江の目的のためなら手段を選ばない傍若無人っぷりが素晴らしい。関智一の力の抜けた演技がまたいいんだわ。

ゲーム開始時に選択したアンケートの結果がOPムービーに反映されたりとか、愛美の好意度が高いとおまけ画像が見られたりとか、アルバイトをするとキャラデザの雑君保プの4コマが見られたりと、細かいサービスや演出に手を抜いていないのも良いところ。
あと、OPムービーも名作。大好き。

中古ショップなどでも滅多に見かけないけど、PSギャルゲーの中でも屈指の名作。未プレイの人はなんとか入手してやってみてほしい。

2007年09月14日

『Lの季節』をウン年ぶりにやってみた

放置していた『第3次α』を最初からやり直していたんだけど、予想通り14話くらいで小隊編成が嫌になって投げ出してしまった。

そんなわけで、何か手軽にやれるゲームはないかと思ってゲームの棚を漁って引っ張り出したのは『Lの季節』。

最近、携帯アプリに移植されたり、発売から8年の歳月を経て『Lの季節2』の制作が発表されたりと、突如新たな展開が始まり驚きを隠せないわけだが。
好きなゲームではあるのだが、さすがにもう何年もやっていなかった。『2』の予習代わりにやっておくのもいいだろうと、ウン年ぶりにプレイ。

PS1のメモリカードに残っていたセーブデータをロードすると、普通にルート達成率100%になっていて我ながら苦笑。総プレイ時間は48時間。うーむ、若かったなー、俺。

現実界ルートで天羽さん狙いでスタート。
何も考えずに優柔不断なラブコメの主人公的選択肢を選んでいたら、当然のようにバッドエンド。
仕方ないので攻略サイトをチェックして、なんとか天羽さんのハッピーエンドに到達。やれやれ。

久しぶりにやったけど、やっぱりいいゲームだな。
ギャルゲーの定番ともいえるファンタジー要素入りの学園ものではあるのだが、幻想界ルートはともかく現実界ルートのストーリーは最近のエロゲやラノベに比べればきわめて地味。また、1ルート辺りのボリュームも決して多くない(分岐はやたら多いが)。
ただ、作品全体に流れる雰囲気というか空気が素晴らしい。特に、夕暮れの放課後の印象深さは『トゥルーラブストーリー2』と双璧。
こういう独特の雰囲気を持ったゲームって、最近は無いよな。最近のギャルゲーやエロゲーが失ったものは、ゲーム性だけでは無いのだ、多分。

『Lの季節』にはノベルゲームでありながらシステムもなかなか独特。
ノベルゲームなのに三人称だったり。
通常の選択肢以外に、キャラクターの言動に(プレイヤーが)口出しすることによって展開に変化があったり。
ルート分岐を表示できるゲームは他にもあるけれど、それが立体の3D表示でやたらと複雑に入り組んでいたり。
ファーストプレイではメインヒロインが死んでしまうバッドエンドにしか辿りつけなかったり。
などなど。ゲームとして生かしきれていなかったりもするんだけど、こういう不完全というか尖がった部分のあるゲームが好きなんだよね、私。

キャラクターデザインはぽよよんろっく渡辺明夫さん。最近の萌えぷに絵も嫌いじゃないが、『Lの季節』や『ずっといっしょ』の感じも好き。
渡辺さんが作画も担当したオープニングムービーはPSギャルゲーの中でも3本の指に入ると個人的には思っている(残り二つは『ドキプリ』と『キャプテン・ラヴ』な)。小松未歩の主題歌も作品にマッチしていて素晴らしい。

『2』が出る前に、幻想界ルートも1回くらいやっておきたいところ。
最後に、2chの『Lの季節』スレにUPされていた、盛プロデューサーの『2』に対するを抜粋しておこう。

>それならもう一度思い出を振り返ってもらえばいいんじゃないかと。
>あの懐かしさをもう一度体験してもらえばいいんじゃないかと。
>「あの放課後をもう一度作りたい」これは『2』の製作時に、スタッフに言った台詞です。
>秋の日の夕暮れ、片想いの女の子と、放課後の廊下を歩いた、あの思い出が帰ってきます。

期待してます。

2007年02月03日

9年目の『久遠の絆』

――百年あなたを待っていた
千年あなたに恋していたわ――



動作確認のためにDCを引っ張り出したついでに、数年ぶりに『久遠の絆 再臨詔』をプレイ。

序盤は主人公・武の妙なテンションの高さにどうしようかと思ったが、やっぱりいいなあ、『久遠』は。
物語やキャラクターはもちろんいいんだけど、特に『音楽』と『絵』についてはいまだに『久遠』以上に心に残ったゲームって無いもんな。

好きになったゲーム、ハマったゲームは数あれど、“恋した”と言えるゲームは『久遠の絆』だけだ。
基本的に私はノベルゲームって低評価だし、システム周りは弱いし、誤字や用語の間違いも多いし、シナリオだって手放しで褒められたもんじゃない。それでも好きなんだから、やっぱり恋なんだろうな。
更に言うと、アニメやゲームなどのフィクションの世界に耽溺している私だけども、“恋慕”と言える感情をフィクションの登場人物に抱いたのは高原万葉に対してだけだったりする。
さすがに当時のように胸がさざめくことはないのだけど、やっぱり他のキャラクターとは違うんだよな。
いろいろな意味で、私にとって特別なゲームなのだ、『久遠の絆』は。

現在、第二章元禄編まで進んだところ。万葉ルート後は再臨詔編もやりたいところ。
……問題はせっかく購入した『P17n』が進められないことかな。ま、『OGS』や『ひぐらし祭』まではまだ間があるんでまったりやりますか。

2006年07月23日

僕はギャルゲーに恋をした

かつて、私はギャルゲーマーだった。

ギャルゲーに狂っていた、と言ってもいいかもしれない。
引きこもり気味の大学生だったので時間はたっぷりあった。
当時はパソコンを持ってなかったし、野球やプロレスも今ほどハマっていたわけではなかった。娯楽といえばゲームとアニメだった。
寝食を忘れて、とまでは言わないが、寝食以外はギャルゲーあとはスパロボとアニメ、といった感じだった。
ギャルゲーだけで年に十数本やっていた。しかも基本的に全キャラ攻略。『トゥルーラブストーリー』や『プリズムコート』など、気に入ったゲームは同一キャラでも複数回クリアしていたほどだ。
何が私をそこまで駆り立てていたのだろうと今となっては思う。まあ多分に現実逃避は含まれていたのだろうけど。
1本のゲームを一通りクリアすると、近所や秋葉原の中古ゲームショップを巡って、評判や直感に従ってギャルゲーを買う。それを繰り返していた。

時期的に言うと97年~2001年くらいだろうか。
1995年の『ときめきメモリアル』PS版の爆発的大ヒットの後、雨後の筍のように数多くのギャルゲーが発売された。
ゲーム業界自体もまだまだバブル期だった。ゲームとは無縁だったソフト開発メーカーや音楽メーカーなどがゲーム業界に参入し、ギャルゲーを制作していた。
その多くはクソゲーであったが、中にはキラリと光るような良作・佳作、あるいは突き抜けたセンスの奇作・怪作があった。
現在、ギャルゲー・エロゲーのほとんどはテキストを読み進めて選択肢を選んでいくだけのノベル系アドベンチャーゲームだが、当時は違った。
『ときメモ』の影響でやはり恋愛育成シミュレーションが多く、『プリンセスメーカー』や『卒業』の流れを汲む育成シミュレーション、『同級生』以来の移動・遭遇型アドベンチャーゲームも多かった。
当時は、例えギャルゲーでもゲーム性は無くてはならないものだと考えられており(出来の良し悪しはともかく)、選択肢を選んでいくだけのノベル系ADVは「紙芝居」だの「ゲームじゃない」などと酷評されることも多かった。
ちなみに『To Heart』が97年、『Kanon』が99年の発売。ギャルゲー・エロゲーの主流がノベル系ADVとなるのはもう少し後のこととなる。

ギャルゲーバブルは98年の『センチメンタルグラフィティ』の発売で頂点を迎え、99年の『ときめきメモリアル2』で終焉を迎えたと言っていいだろう。
その後もギャルゲーは発売され続けたが、売り上げは伸び悩み、ギャルゲーを制作していたメーカーの多くは潰れたり、ゲーム事業から撤退してしまった。
いまだにコンシューマからギャルゲーを出し続けているメーカーもあるにはあるが、ほとんどPCからの移植ばかり、数少ないオリジナルタイトルもノベル系ADVばかりとなってしまった。
PS・SSのギャルゲー繚乱期を経てきた者としては寂しい限りだ。

ノベル系ADVなんてゲームとしては、ぶっちゃけ『火吹山』から全く進歩していない。フラグを紙と鉛筆で管理しなくていいというだけだ。
別にノベル系ADVを否定するわけではない。私も好きな作品はいくつもあるし、小説ともアニメと違う物語媒体として認めてはいる。
ただ、それだけじゃあダメな人もいるのだ。私のように。
当時、ギャルゲーをプレイしていた人々の多くは、PCエロゲーに流れたか、ギャルゲー自体を“卒業”してしまったのだろう。
“卒業”してしまった人のうち、社会人になったり結婚したりでゲーム自体をやらなくなってしまった人、他の娯楽に興味が移ってしまった人はもちろん多かろうが、ノベル系ADVしか発売されない昨今のギャルゲーの状況に嫌気がさして止めてしまった人も多いのではないかと思う。

正直、私もギャルゲーだけでなくゲーム自体をやらなくなっていたし、たまにやったとしても以前ほどやりこんだりはしなく(出来なく)なった。
このままギャルゲーは“卒業”してしまうのかな、などと漠然と考えていたのだが…。
ここ最近、2chのギャルゲ板を眺めたり、YouTube (マイナー)ギャルゲーOP まとめっぽいものを作成したりしているうちに、郷愁とともにかつての情熱の残滓が湧き上がってきた。

そんな折、見つけたのが『ねおっとの仮部屋』。
PS・SSの旧世代ギャルゲーの話題が中心のブログで、同じく最近のギャルゲー・エロゲーに乗れない旧世代ギャルゲーマーとしては共感し、感心することしきり。「ゲーム性と効率性の間に揺れるヲタクたち」などは私が上で触れたようなゲーム業界とギャルゲーマーの現状について鋭く突いている。
私もそれなりにギャルゲーはやったと思うけど、ねおっとさんの足元にも及ばんなあ。

しかし、「メモ・ギャルゲーの殿堂」などで挙げられているゲーム、結構やり逃している。
よりによって『みつめてナイト』やってないし、『お嬢様特急』、『プリズマティカリゼーション』、『続初恋物語~修学旅行~』、『リトルラバーズシーソーゲーム』あたりも当時、何度も買おうか迷ったのだが結局未プレイのまま。
今となってはほとんどのソフトが中古ショップやweb通販で1000円以下で購入できてしまうのだから、時流に乗ることなど考えなければ、いい時代になったと言えるかもしれない。
この辺りの未プレイのギャルゲーに加えて、『星の丘学園物語』や『ネクストキング』など、購入時期が遅かったためにほとんどプレイしていないゲームをやり直せば、あと10年は戦える気がする。

……まだ、ギャルゲーを“卒業”するには早過ぎるな。